幼なじみプレイ

夏目とろ

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【第5話】腐男子プレイ

01

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ラブ&ピース


 少し肌寒いながらも陽射しが柔らかく感じる月曜日。あれからも壱人と結木さんとの軽いトラブルに巻き込まれながらも、お陰様で俺はなんとか平和な毎日を送っている。

「平和だなあ……」

 陽射しに暖められた机にゴロゴロとなついてそう独りごちると、

「「どこがだ(よ)!」」

 すかさず頭上の両サイドからステレオで、そんな息の合ったツッコミをくらった。

「おお、すげえ。なんやかんや言いながらおまえら息ぴったりじゃん」

 頭上で睨み合った二人にそう言ってやれば、ギャンギャン文句を垂れながらそのまま頭上で口喧嘩を始める。片や二年生になってからの俺の友達で、言ってみれば俺の親友でもある橋本。そうしてもう片方は俺の恋人の元カノで、最近とある趣味を同じくして仲良くなった結木さんで、

「ああ、うるせ」

 俺は思わずそう漏らすと携帯のイヤホンで耳を塞いだ。


 あれからも何度か結木さんからレクチャーを受けた俺は、不本意だけどなんとか基本的なメイクは出来るようになった。手の込んだマニキュアやヘアメイクなんかは無理だけど、姉ちゃんがやってくれていた一般的なメイクくらいはなんとかこなせるぐらいに。

 だからか何度か、一応は恋人の壱人に女装姿でデートしようとかエッチをしようと馬鹿なことを言われたけど、それだけは上手いことかわして今んとこはなんとか阻止出来ていたり。
 それから散々俺を悩ませていた例の噂も75日を待たずにいつの間にか下火になり、ようやく平和な日々を取り戻したのだった。


 結木さんと仲良くなる前は、クラスで一番仲が良かった橋本。最近の俺は結木さんといることが多くなったからか、その橋本がちょっとだけへそを曲げてしまった。
 最初こそ何も言わずに俺たちを遠巻きに見てきた橋本だけど、今では結木さんとの会話にも割り込んで来て邪魔をする。それから二人は犬猿の仲になってしまったんだけど、実は二人って傍目はためには案外お似合いなんだけど。

 野球部員という立場上、坊主頭とまではいかないまでもスポーツ刈りと言われる短髪、黒髪でおバカキャラの橋本。その顔はちょっと間延びしてるけどそれを除けば今時のイケメンで、壱人やその他のモテるやつらのようにそれなりにお洒落な髪型にして馬鹿を言い出さなければ、間違いなくクラスで一番モテるだろう。
 結木さんは学校でも1、2を争う美少女なのに、その飾らない性格はどちらかと言えば男っぽくて取っ付きやすい。歯に衣を着せない話し方も同じで、

「友達がいないからって米倉にかまうなっ!」
「大きなお世話よ!」

 その性格と見た目からどうやら女友達が出来なかったらしく、結局はなんやかんや言いながらも俺たちとすぐに打ち解けた。
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