幼なじみプレイ

夏目とろ

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【第5話】腐男子プレイ

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「なに、泉ちん。どうしたの」
「うわっ!」
「え、きゃっ!」

 覚えがあるっつか。これって、結木さんが最近立ち上げたサイトのURLだ。

「な、びっくりしたあ」
「びっくりしたのはこっちよ。なによ、LINE?」
「な、なんでもない」

 慌ててフォルダを閉じて、携帯をポケットに仕舞う。結木さんからは何やらぶつぶつ文句を言われたけど、幸い深くは追求されなかった。

「どうでもいいけど……」

 確か結木さんは女子大生だと年齢を偽って、創作活動をしているはずだ。今まではイベント参加が主な活動のオフ活動しかしてなかったらしいけど、最近、その一人サークルで発表した小説を集めてサイトを立ち上げた。
 そのサイトは当たり前のように18禁サイトで、本来なら俺たちは年齢制限に引っ掛かって見られないサイトだ。水上は水上で腐女子と偽ってサイトの管理人と仲良くなるのが趣味だし、一瞬、このことを水上に言うべきかどうだか迷った俺だった。


 正直、俺も姉ちゃんが隠し持ってる同人誌をこっそり読ませてもらってて、そのなかにはいわゆる成人向けのものも多い。そもそも書店で売ってるものは年齢制限がないものが大半で、購入時にちょっとばかり恥ずかしい思いをすることを覗けば、俺たちでも簡単にその手の漫画や小説を買うことができる。

 んで、水上の目的はすばりエロだろう。マックで話し込んだ時、オメガやDom/Subについて熱弁してたから。
 ちなみに水上は女の子と後ろでした経験があるらしいが、それと同じに考えたら生々しすぎて萌えないといらない情報まで教えてくれた。それについては全くの同感で、ファンタジーな世界の綺麗なエッチだからこそ萌えるんだよな。

 初めてできた腐男子の友達、水上はイケメンだけど面白いやつだった。連絡先を交換してから水上とは近くにいながらメル友みたいになって、言ってみればオンライン上での友達のような存在になっている。

「メール送信……、と」

 俺も長文メッセージを送るため、D組の前でLINEじゃなく、メールを送信して教室をちら見する。水上は机の下に携帯を隠し、いそいそと何やらやっていた。

 そんなこんなで、身近に腐男子な友達ができたわけだけど、このすぐ後に男の娘な友達もできたりする。

 それは、また次の機会に。

2011/10/12/第5話完結
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