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[第3章]リコール
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その週の土曜日。俺は朝から槙村を朝稽古に送り出した後、クローゼットの前で頭を抱えていた。
「やばい。なに着て行こ」
そんなまるでデート前の女の子のような悩みで。
なんせ二年生になってからは生徒会室にこもりきりで、外に出掛ける暇がなかった。ご存知の通り一張羅のシャツはテディベアに変わったし、去年までの服は心なしか全部袖や裾が短いような気がする。
この一年間で俺の身長は10センチ以上伸び、制服は先月新調したばかりだ。部屋着のラフなシャツやパンツはフリーサイズのもので、こっちはなんとか今でも着られるんだけど。
問題は外出する時用の所謂余所行きで、二年生になる前に新調したものはもれなくテディベアやクッションカバーに変わってしまった。部屋着で外出出来ないわけではないが、さすがに部屋着で外出はまずい気がする。
槙村とは街で待ち合わせをすることになった。槙村に服の買い物や散髪に付き合って貰う前に、行きつけの手芸店にも寄っておきたかったからだ。因みに街とは繁華街のことで、うちの生徒は学校と学生寮以外の場所を外と呼び、繁華街のことは街と呼んでいる。うんうん頭を悩ませること小一時間、俺は結局一週間ぶりに制服に腕を通したのだった。
週末ともなると外出している生徒も多く、久しぶりに部屋を出たが、殆ど人と擦れ違わなかった。学生寮を出て学校以外の場所に行くのも久しぶりのことで、この春休みに数日間帰省して以来だ。
ゆっくり寝て、十分に睡眠も食事もとっているからか体調はすこぶるいい。今朝もびっくりするくらい大きなウン○が出たし……、とと。これは置いといて。久しぶりに太陽光線も浴びて体調は万全だ。
寮から一番近い繁華街は電車で20分の場所にあり、久しぶりに電車にも乗った。どうやらうちの制服は目立つようで、こんな俺でも注目を浴びているような気がする。
……って、そういや俺、今マリモだった。確かに槙村が言うように前髪が邪魔だし、制服以外にそのことでも注目を浴びているんだろう。
「あ、あれいいな。あ! これも」
結局行きつけの手芸店には午前中まるまるいて、買い過ぎた手芸品の数々は学生寮に郵送して貰うことにした。
ATMに行き、少し纏まったお金を下ろす。未成年の俺じゃクレジットカードは持てないし、エリート組のようにツケで買い物が出来る行きつけの店もない。
残念ながら腕時計の決済は学園内と一部の店にしか対応しておらず、ガラケー持ちでスマホ決済も出来ない俺は現金に頼るしかなかったり。槙村は稽古終わりに部員達とお昼を済ますと言っていたから、まずはファミレスで腹ごしらえをした。
「ごちそうさま」
その店は普通のチェーン店で、これまたエリート組のような高級店ではない。生徒会長になってからエリート組と比べる癖がついてしまったようで、いかんいかんと独りごちながら待ち合わせ場所へと向かう。
何故だか胸がドキドキして来た。もしかして、もしかしなくても誰かと待ち合わせするのは初めてのことだ。今までの外で待ち合わせするような友達はいなかったし、よく考えてみればこれってまるでデートみたいだ。当たり前だけどデートなんかしたことないし、だから悪戯に胸がドキドキしてるんだろう。
「ごめんごめん、待った?」
「……」
待ち合わせ場所に向かうと槙村は既に待っていて、制服姿の俺を見て微妙な顔をした。
「やばい。なに着て行こ」
そんなまるでデート前の女の子のような悩みで。
なんせ二年生になってからは生徒会室にこもりきりで、外に出掛ける暇がなかった。ご存知の通り一張羅のシャツはテディベアに変わったし、去年までの服は心なしか全部袖や裾が短いような気がする。
この一年間で俺の身長は10センチ以上伸び、制服は先月新調したばかりだ。部屋着のラフなシャツやパンツはフリーサイズのもので、こっちはなんとか今でも着られるんだけど。
問題は外出する時用の所謂余所行きで、二年生になる前に新調したものはもれなくテディベアやクッションカバーに変わってしまった。部屋着で外出出来ないわけではないが、さすがに部屋着で外出はまずい気がする。
槙村とは街で待ち合わせをすることになった。槙村に服の買い物や散髪に付き合って貰う前に、行きつけの手芸店にも寄っておきたかったからだ。因みに街とは繁華街のことで、うちの生徒は学校と学生寮以外の場所を外と呼び、繁華街のことは街と呼んでいる。うんうん頭を悩ませること小一時間、俺は結局一週間ぶりに制服に腕を通したのだった。
週末ともなると外出している生徒も多く、久しぶりに部屋を出たが、殆ど人と擦れ違わなかった。学生寮を出て学校以外の場所に行くのも久しぶりのことで、この春休みに数日間帰省して以来だ。
ゆっくり寝て、十分に睡眠も食事もとっているからか体調はすこぶるいい。今朝もびっくりするくらい大きなウン○が出たし……、とと。これは置いといて。久しぶりに太陽光線も浴びて体調は万全だ。
寮から一番近い繁華街は電車で20分の場所にあり、久しぶりに電車にも乗った。どうやらうちの制服は目立つようで、こんな俺でも注目を浴びているような気がする。
……って、そういや俺、今マリモだった。確かに槙村が言うように前髪が邪魔だし、制服以外にそのことでも注目を浴びているんだろう。
「あ、あれいいな。あ! これも」
結局行きつけの手芸店には午前中まるまるいて、買い過ぎた手芸品の数々は学生寮に郵送して貰うことにした。
ATMに行き、少し纏まったお金を下ろす。未成年の俺じゃクレジットカードは持てないし、エリート組のようにツケで買い物が出来る行きつけの店もない。
残念ながら腕時計の決済は学園内と一部の店にしか対応しておらず、ガラケー持ちでスマホ決済も出来ない俺は現金に頼るしかなかったり。槙村は稽古終わりに部員達とお昼を済ますと言っていたから、まずはファミレスで腹ごしらえをした。
「ごちそうさま」
その店は普通のチェーン店で、これまたエリート組のような高級店ではない。生徒会長になってからエリート組と比べる癖がついてしまったようで、いかんいかんと独りごちながら待ち合わせ場所へと向かう。
何故だか胸がドキドキして来た。もしかして、もしかしなくても誰かと待ち合わせするのは初めてのことだ。今までの外で待ち合わせするような友達はいなかったし、よく考えてみればこれってまるでデートみたいだ。当たり前だけどデートなんかしたことないし、だから悪戯に胸がドキドキしてるんだろう。
「ごめんごめん、待った?」
「……」
待ち合わせ場所に向かうと槙村は既に待っていて、制服姿の俺を見て微妙な顔をした。
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