ち○○で楽しむ異世界生活

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53 共犯

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 よくもまぁこの短期間にアンナの開発ができたもんだと、我ながら思う。
 ・・・まぁ運とかマグレみたいなものにも助けられたな。
 この冬いっぱいかかっていたら、アンナの色香に俺の方がやられてしまっていたかもしれない。これもまた人体の神秘なんだろうけれど、どういうわけか女性が何度も絶頂を味わうところを見ると男はその女性の色香に惑わされなくなる。いつでも欲しくなる女性、ではなく、なぜか定期的に欲しいと思える女性へと男側の意識が変わる。
 二人の関係が本物の秘め事へと変わった、というところかな。不思議なもので、犯罪の片棒を担いだ共犯のような感覚に陥る。こういう感覚は俺だけかもしれないが、もし技術を持った男すべてがこうだとしたら、人間がそういう作りだという言い方しかできないな。

 しかし・・・俺にハーレムが必要なのかなぁ?
 ぶっちゃけサーシャとアンナが居て、リタとリザが戻ってくれば十二分に事足りる気がしてきた。
 女性を絶頂に導くのが好きとは言っても、ちんこは一本しかないからなぁ。
 仮に女性が増えたとしても女性同士のもめ事一切はサーシャに任せられるだろう。でも俺の方が持つのかなぁ?リザとリタが結果を出したら、諜報部から教導目的の女性が少しずつ入って来るだろうし。人が増えて俺が名前を呼び間違えたりでもしたら、また女性に刺されるかもしれないし。
 断れる女性は、全部断った方がいいかな。
 勿体ないけれど。すげー勿体ないけれど。金髪碧眼の美女・・・

 サーシャが紅茶と火を持ってきてくれた。俺は座るように促して、タバコに火を点けた。
 できればセックス終わりに一服したいんだけれど、女性の身体をほったらかして一服するってのも敬意に欠けている気がしてやりづらいんだよな。汗が凄かった時だけはちょっとだけ風呂に行かせてもらうけれど。
 「アンナの教導が終わったみたいですね」
 「うん。君にも苦労をかけたね。アンナの様子は?」
 「昨日は凄かったとずっと喋っていますよ。ただ・・・あまりに変わり過ぎている気もします」
 ああ・・・ちょっと躁状態に入ったのか。たまにあるんだよな、ハイになり過ぎちゃうやつ。
 「突然アンナが落ち込んだり暴れたりするかもしれない。クレアにもアンナの言動に気を付けるように話しておいてくれ」
 「承知しました。アンナの教導が終わったのでしたら、少しずつでも溜まっているお仕事をお持ちしましょうか?」
 「急ぎのものだけ頼む。まだ疲れが取れてない」
 肉体的にも精神的にも、マジで大変だった。
 アンナが俺のものになった、という実感があるから報われる。
 「アンナの体調のほうはどう見える?」
 「・・・今日もアンナを抱くという意味でしょうか?」
 「いや。どこか痛いところがあるとか、疲労感があるかとか」
 「ああ・・・少し高揚しすぎていて、アンナ自身も分かっていないかもしれませんね」
 いきなりドカっと疲労が来たりすると危ないな。どうしよう。
 「戦場でもああいう風になる人間を見ています。私とクレアで適切に処理します」
 クレアと、という所にサーシャの落ち着きが見えるな。丸投げでいいか。

 サーシャが手紙やメモの類を持ってきてくれた。まるまる一月以上働いてなければ、そりゃ仕事が貯まるわな。
 ん?なんだこれ。
 「預言者様から俺とサーシャに来るようにという手紙が来ているんだけれど、間違いないか?」
 「ええ。できるだけ早く来るようにとのお話でした。私も気になったので預言者様に確認済みです」
 なんだろうなぁ?作付計画と植樹計画の概要は出したけれども、他に心当たりも無いな。俺が呼ばれるのも不思議な話だけれど、サーシャが呼ばれているのが気になる。

 あれ?
 「いつから制服が変わったんだ?」
 「一昨日くらいからです。外に出る仕事が少ないので、アンナを中心として機織りと針仕事をしていたんです。気づきませんでしたか?」
 ぜんぜん気づかなかった。それだけアンナに集中していた・・・という事にしておこう。
 以前は紺に近かったが、今回はスカイブルーと藍色の中間のような綺麗な青だな。
 「サーシャ。ちょっと背中の方を見せてくれ」
 「これでよろしいでしょうか?」
 絹のような細く長い髪をふわりと漂わせるように、サーシャはくるりと回った。
 金髪と制服の青のコントラストが、余計に髪を美しく見せるようにしてある。白い肌の透明感が増して見える。
 「うん、綺麗だ。いい色だね。髪の美しさが際立つ青だ」
 「ありがとうございます。ガリプナと呼ばれる花の色で染め上げています。アンナが髪色に合うような制服が似合うと言いだしまして」
 へぇー。
 「聞いたことが無い花だ。いつ咲くのかな?」
 「春に咲く花です。私も好きな花ですよ」
 「冬が終わったら、みんなで見に行こうか。食事も作って」
 「春になったらそのように手配します」
 花を愛でる趣味は無いけれど、こういう色の花の中に金髪碧眼の女性がいたら映えるだろうなぁ。
 着ているもののせいか、今日は妙にサーシャが綺麗に見えるな。
 「今夜は君が俺の相手をしてくれるか?」
 「そう言われるのをお待ちしていました。順番待ちをして一人寝をする夜は寂しいものでしたよ」
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