ち○○で楽しむ異世界生活

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70 来客

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 女性が漫然と奥でイクだけならどうにでもなる。
 しかし女性が深くイクとなると技術だけではどうにもならない。男女の相性と女性側の才覚とこらえ性が必要になる。お互いに相手ときちんとコミュニケーションを取りつつ、失敗を重ねながらなんとか辿り着く境地だ。
 リザの中はだいぶ俺のかたちに戻ってきた。
 たっぷりと時間をかけて念入りに焦らし、どれほど欲しがっても絶頂を与えず、イキそうになったら動きも攻め場所も変えた。リザの目の輝き方が怪しくなってきた。今回はそろそろイカせないとこれ以上はリザが持たないな。 
 「リザ。もう好きな時にイってもいいから」
 長時間焦らされ続けたリザは返事すらしない。
 話しかけるまで俺が主導していた動きや速度をリザに委ねると、むさぼるようにリザの腰は動き始めた。
 よだれと涙で濡れた顔を隠そうともしないまま、動物の唸り声のようなものを口にしながら、リザは奥深く絶頂まで達した。
 今回は手ごたえあったな。
 四回目・・・いや五回目だっけ?よくもまぁここまで辛抱強くリザは耐えたと思う。俺の身体に倒れ込んできたリザの頭を、ゆっくりと撫でまわした。

 リザが浄化されたことを確認した数日後に、客が来たとの知らせを聞いた。
 「うちにお客さんとは珍しい。ユーリさんかな?」
 こんな雪の中をわざわざ訪ねて来てくれるとは。
 「いえ・・・オナー・ラドヴィッツ様です」
 誰だっけ?
 ああ・・・ペテルグ防衛戦の論功のときに居た、南の有力貴族だったな。顔を思い出したら思い出してハラが立ってきた。
 「・・・要件はなんだった?」
 「アラヒト様にしかお話しできないそうです」
 俺が王室の許可なく貴族に会っていいものなのか?
 「サーシャ。俺が名家の人間に会っても後々の問題になったりしないのか?」
 「分かりません。そもそも有力貴族の方が自分から訪ねてくるということ自体がありえません。アラヒト様と会いたいのでしたら、王家を通じてアラヒト様を招聘なさるはずです」
 なるほど。サーシャがイレギュラーを焦るくらい異例中の異例ということか。どうやら俺よりも貴族の方が人を呼びつけられる程度には立場が上らしい。こうやって訪ねて来られた以上は会わないという選択肢は無いわけだ。面倒なことにならなければいいが・・・
 「部屋に通してくれ。内密の話というのであればこの部屋の方がいい」

 豪奢な金髪に堂々たる風情。おそらく年の頃は30前後だろう。若き名家の当主とはこのようなものだという代表みたいな人間が目の前に居る。
 ペテルグ最大の名家にして、ペテルグの南を見事な手腕で統治しリーベリとの国境をなんとか維持している男。それでいてペテルグ王家にとって最大の内なる敵でもある男が、目の前に居る。
 「ラドヴィッツ家の御当主自らわざわざ訪ねていただけるとは光栄です」
 「うむ・・・やんごとなき理由があってな。酒が好きだと聞いている。我が家に伝わるワインをいくつかお持ちした」
 遠目からしか見たことは無いが、実際に相対するとなかなかの迫力だな。ムサエフ将軍と同格程度の風格を感じる。ふだんは客が来る部屋では無いので、サーシャが座る簡素な椅子を勧めると、少し気を悪くしたようだが椅子に座った。
 「王家を通さずに貴族の方が私を訪ねるのは異例のことだと聞いています。ご用件を先に伺ってもよろしいでしょうか?」
 「うむ・・・しかしな・・・彼女は外してはもらえないだろうか?」
 一対一で話したいということか?うーむ・・・貴族様の頼みとはいえ、俺が最も力を持った名家の当主と密室で会談したとなると、今後ややこしくなりそうだ。
 「彼女がなにかを漏らすことはありません。それに諜報部の人間が同席することは、王家に対して不利な話をしていないという証拠にもなります。私の立場を考えると、彼女が同席することは譲れません」
 「そうか・・・そうだな・・・あまりの大事につい無礼を働いてしまったようだ」
 そんな大事なのか。地方領主の抱えるややこしい問題に首を突っ込んだりしたくは無いな・・・

 「その・・・実はだな・・・うまくいかないのだ・・・」
 声も迫力もずいぶんと小さくしながら、ラドヴィッツは話し始めた。
 「アラヒト殿はその道に通じていると聞いている。どうか私を助けて欲しい」
 いろいろすっ飛ばされて用件が分からない。
 「なにがうまくいかないのですか?」
 「・・・妻だ。妻との床の営みがどうにもうまくいかないのだ・・・」
 サーシャが吹き出す。
 「サーシャ。笑うなら出ていけ。男にとっては大事な話だ」
 「・・・失礼しました、ラドヴィッツ様」
 「いや・・・笑われて当然だ。妻を満足させられない男など軽蔑されても仕方あるまい」

 たかがセックスの問題について考え込み過ぎ・・・だとも言い切れないか。
 リーベリとの関係が近くなってしまったあの領土の雰囲気。あの地域を絶妙なバランスでいまだペテルグ領と呼べる状態を保っているのは彼の手腕だ。
 ラドヴィッツ家のお家事情というか床の事情が安定することはペテルグの国益にもつながる話にも思える。性的な相性だけで人間関係が成立してしまう事と同様に、性的な問題だけで人間関係が破たんする事はいくらでもある。
 「アラヒト殿は二人も女性の浄化に成功していると聞いている。それほどの床の技術が簡単に身に付く話ではないことは百も承知だが、恥を忍んでお願いしたい。冬の床は私にとってうすら寒い針の筵になってしまうのだ」
 浄化の件については諜報部と預言者様、それに預言者様のお付きの人だけの機密事項のはずだ。なぜラドヴィッツが知っているんだ?
 「浄化というものが伝説的な話としてあるのは知っていますが、噂話に尾ひれがついただけですよ」
 「・・・浄化について広く知られては色々アラヒト殿に迷惑をかけるだろう。だがこれはただの噂話ではない。二人の人間が浄化されるということは、奇跡などではなくその方法がある程度確立されているということを意味する。看過できぬ話なのだよ、私のように切羽詰まった人間にとっては」
 ・・・ただの噂話としては誤魔化しきれないな。

 今はサーシャに目線を送ることすらできない。サーシャへの目くばせ自体が意味を持ってしまう。
 「浄化の方法を教えてくれという話ではない。私と妻の関係がうまくいく程度に、アラヒト殿に手ほどきをしていただきたいのだ」
 浄化についてバレていた時点で、俺が取れる行動は決まっているか。
 「床の技術についてしっかりと教えられる保証はありません。女性はみなひとりひとり違いますから。あくまで一般論しか伝えられませんが、それでもかまいませんか?」
 「おお!よろしく頼む」
 ・・・有力貴族がお忍びで持ってきた問題が、夫婦の床の話だったとはなぁ。
 色の問題というのはこの世界にもあるようだ。
 政略がらみのややこしい話を持ってこなかった分だけマシだと考えよう。
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