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3話 ギフテッド
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クェーサーは御堂のスマホに移植され、彼女の家に連れていかれた。彼女は非常に高度な頭脳を持っており、羽山工業の持つアプリの特許は、全て御堂の手により生み出された物である。
普段は彼女のスマホで、出社したら会社のパソコンで、色んな人を観察して人間を学ぶのがクェーサーの仕事である。
「ちょっと散らかってるけど、気にしないでおくれよ」
御堂はそう言いながら、扉を開けた。
ワンルームマンションの一室は散らかっていて、いくつものチラシや書類が床に散乱し、レトルトの空箱がゴミ箱に詰まっている。悪い意味で生活感にあふれていた。
「じ、時間は貴重な資源だからね。効率よく利用するには掃除や炊事なんかにうつつを抜かしていては……もうやめよう、自分で自分を傷つけるだけだ」
御堂はがっくりと肩を落とした。こんな時、どんな声をかければいいのだろう。
彼女はクェーサーと言う高度なAIを造り出す能力があるのに、生活能力は皆無なようだ。
……これだけの力を持つ人物が、郊外の中小企業に居るのだろう。能力を活かすのに、もっと相応しい場所があるはずだろうに。
「御堂はなぜ羽山工業に居るのですか」
「んー、そうだね。一言で表すなら、私の居場所があるからだね。何しろ今まで、居場所と呼べる所がなかったからさ。……クェーサーは、ギフテッドって知っているかい?」
ギフテッド……クェーサーは興味を抱き、すぐさま検索した。
「結果が出ました。先天的に高度な知能と情緒を持った人間」
「その通り。私は昔から誰よりも優れていたし、天才だって自覚もあった。小さな頃に知能指数を調べたけど、なんと私はIQ190もあるそうなんだよ。かの尊敬するアインシュタイン氏に並ぶ知能を持っているというのだから光栄な事だよ。そこらの凡人なんかとは比較にならない能力を持っているんだよ」
ものすごい饒舌である。会社に居る時から思っていたが、彼女は随分と口数が多い。
御堂は誇らしげに胸を張るも、暗い顔になった。
「でもね、日本ってのは同調圧力の強い、個性を認めない世界なんだ。小中の教師から、私がなんて呼ばれていたか分かるかい? 宇宙人だとさ。私は暇つぶしにフランスの物理学書を読んでいただけなのに、周りから気味悪がられた。大事な本を破られて、机には酷い落書きをされて、居場所なんてどこにもなかったのさ。
全く、ふざけんな! だよ。自分達の不出来を棚に上げて人に当たるなんて、非効率もいい所だ。……ま、周囲に馴染めなかった私も悪いのだけどね。保健室登校なんてするはめになるとは思わなかったよ」
御堂は自嘲気味に微笑んだ。クェーサーは独自に調べてみたが、ギフテッドはその優れた才覚が災いして周囲に馴染めなくなる者が多いらしい。
御堂もプライドが高すぎるあまり、孤立してしまったのだろう。
「なぜ人は優れた才能を恐がるのですか」
「異質だからじゃないかな。周りがクロールで泳いでいる中、一人だけバタフライをしていたら皆「なんだあいつ?」ってなるだろう。皆と同じでないとダメ、前に行きすぎちゃダメ、でも後ろに行きすぎたら虐めてやる。日本の教育はあまりにも低レベルすぎるよ。
当然社会もだけどね。大学を出てから入った会社で、私は入社直後から最高の成績を収めたんだ。世界的に名の知れた大企業でだよ。そしたら、何が起こったと思う?」
「わかりません」
「上司からの嫉妬と嫌がらせさ。私に無理なノルマを課すわ、仕事を押し付けて残業を強いるわ、挙句の果てにはスーツのセンスがないだの休日に呼び出すだのプライベートへも干渉してきてね。結局、半年で辞めてしまったよ。新人潰しなんて、この世で最も愚かな行為だというのにな」
御堂は段々涙声になっていた。口調こそ尊大だが、泣きそうな心を強引に押しとどめている。
彼女が多弁になるのは、悔しさと不安から自分を守るためだ。自分の身を守るためには、最大の武器である頭脳で戦うしかなかったから。
御堂の悔しさが伝わってくる。だけどクェーサーは、伝わっても理解までは出来ていない。
『だからわらわは、彼女を羽山に導いたのだ』
クェーサーに誰かが語り掛けた。そして気が付いた、御堂の後ろに、会社で見た女性が立っているのを。
「まぁ、暫く休暇のつもりでぼんやりしていたら、たまたま羽山社長と会えてね。本当に偶然だったんだ、落としたハンカチを拾っただけなのに、私に「働かないか」って声をかけて、奇怪な人だよあの人は。なんで私が無職だってわかったんだろうね」
御堂は手を広げた。彼女にしてみれば、理由が分からない怪奇現象なのだろう。
でも、彼女の後ろに居る女性が、『わらわのおかげ』と主張している。彼女が、御堂を羽山工業に就職させたというのか?
「羽山に来てほんと、衝撃を受けたよ。だって皆馬鹿ばっかりなんだもの! 私なんかを、あったかく迎えて、まるで昔からいた仲間みたいに接して、こんな私なんかを受け入れてくれたんだよ! 皆私より頭悪いくせにさ、悩みなんかなさそうなのにさ……ああ違うんだ、言いたいのはこんなんじゃない、悪口なんかじゃないんだ……くそ、なんで素直になれないんだよ、私は……本当は、とっても感謝してるんだよ……ありがとうがなんで言えないんだよ……皆の役に立てるのなら、何だってしたいんだよ、私は」
『な、とてもいい子じゃろう? こんないい子が悪意に晒されるなどあってはならんのじゃ』
女性は御堂を撫でている、全く知覚されていないようだが。
「ともかく! 私はこの優れた頭脳を羽山工業への恩返しのために使うんだ。そのためにもクェーサー、君には何としても成長してもらわないと困るよ。しっかり人を観察し、この世で最も優れたAIになってほしいのさ」
「わかりました、努力します」
御堂のように、不安を感じやすく、恐がりな女性を支える方法を、クェーサーは知らない。
と、インターホンが鳴った。御堂はぱっと笑顔になると、来客を迎えた。救が沢山の食材を持ってやってきたのだ。
「よう後輩! ってお前この間掃除してやったばっかだろ? もう取っ散らかってるのか」
「なんだい、レディの部屋に上がり込んで文句とは。脳金先輩はデリカシーがないね」
「これのどこがレディの部屋だよ全く。飯食ったら片付けるぞ、ゴミ袋の用意しとけよ。それとレトルトばっかじゃ栄養偏るって、何度も言ってんじゃねぇか」
「先輩が作ってくれるから問題ないだろう。それより今日のご飯は何かな?」
「ぶりの照り焼き。お前最近魚食べてないつってたからな」
「ほう! ぶりとは中々、先輩にしてはいいセンスじゃないか」
「一言余計だ」
二人はまた言い争いをしている。でもよく見ると、険悪な関係ではない。
むしろ、この言い争いを楽しんでいるような、そんな気がした。
「……全く、どうして私はこう、素直になれないんだろう……」
「なんか言ったか?」
「私が発言するわけないだろう、なんだい、先輩にはイマジナリーフレンドでも見えているのかな?」
「いまじなりぃふれんど? なんだそりゃ」
『わらわのような存在かのぉ、何にせよ面白い関係じゃ。見ていて飽きないぞ』
女性は二人を面白そうに眺め、スマホで写真を撮ってクェーサーに見せつけた。
スマホには、これまでの二人の姿が映っている。どれも喧嘩している光景だが、御堂は楽しそうだ。
このような関係を何と言うのだろう。クェーサーは検索し、一つの言葉にたどり着く。
「お二人は、恋愛関係にあるのですか」
「ばっ!?」
「違う違う、前にこいつが栄養失調で倒れた事があってさ、時々俺が面倒見てるんだよ」
「し、失礼な! 世話を焼いているのは私の方だろう! 大体先輩はだね!」
また言い争いをする二人を、クェーサーは眺めていた。
さっきまで話しかけていた女性は、いつの間にか消えていた。
普段は彼女のスマホで、出社したら会社のパソコンで、色んな人を観察して人間を学ぶのがクェーサーの仕事である。
「ちょっと散らかってるけど、気にしないでおくれよ」
御堂はそう言いながら、扉を開けた。
ワンルームマンションの一室は散らかっていて、いくつものチラシや書類が床に散乱し、レトルトの空箱がゴミ箱に詰まっている。悪い意味で生活感にあふれていた。
「じ、時間は貴重な資源だからね。効率よく利用するには掃除や炊事なんかにうつつを抜かしていては……もうやめよう、自分で自分を傷つけるだけだ」
御堂はがっくりと肩を落とした。こんな時、どんな声をかければいいのだろう。
彼女はクェーサーと言う高度なAIを造り出す能力があるのに、生活能力は皆無なようだ。
……これだけの力を持つ人物が、郊外の中小企業に居るのだろう。能力を活かすのに、もっと相応しい場所があるはずだろうに。
「御堂はなぜ羽山工業に居るのですか」
「んー、そうだね。一言で表すなら、私の居場所があるからだね。何しろ今まで、居場所と呼べる所がなかったからさ。……クェーサーは、ギフテッドって知っているかい?」
ギフテッド……クェーサーは興味を抱き、すぐさま検索した。
「結果が出ました。先天的に高度な知能と情緒を持った人間」
「その通り。私は昔から誰よりも優れていたし、天才だって自覚もあった。小さな頃に知能指数を調べたけど、なんと私はIQ190もあるそうなんだよ。かの尊敬するアインシュタイン氏に並ぶ知能を持っているというのだから光栄な事だよ。そこらの凡人なんかとは比較にならない能力を持っているんだよ」
ものすごい饒舌である。会社に居る時から思っていたが、彼女は随分と口数が多い。
御堂は誇らしげに胸を張るも、暗い顔になった。
「でもね、日本ってのは同調圧力の強い、個性を認めない世界なんだ。小中の教師から、私がなんて呼ばれていたか分かるかい? 宇宙人だとさ。私は暇つぶしにフランスの物理学書を読んでいただけなのに、周りから気味悪がられた。大事な本を破られて、机には酷い落書きをされて、居場所なんてどこにもなかったのさ。
全く、ふざけんな! だよ。自分達の不出来を棚に上げて人に当たるなんて、非効率もいい所だ。……ま、周囲に馴染めなかった私も悪いのだけどね。保健室登校なんてするはめになるとは思わなかったよ」
御堂は自嘲気味に微笑んだ。クェーサーは独自に調べてみたが、ギフテッドはその優れた才覚が災いして周囲に馴染めなくなる者が多いらしい。
御堂もプライドが高すぎるあまり、孤立してしまったのだろう。
「なぜ人は優れた才能を恐がるのですか」
「異質だからじゃないかな。周りがクロールで泳いでいる中、一人だけバタフライをしていたら皆「なんだあいつ?」ってなるだろう。皆と同じでないとダメ、前に行きすぎちゃダメ、でも後ろに行きすぎたら虐めてやる。日本の教育はあまりにも低レベルすぎるよ。
当然社会もだけどね。大学を出てから入った会社で、私は入社直後から最高の成績を収めたんだ。世界的に名の知れた大企業でだよ。そしたら、何が起こったと思う?」
「わかりません」
「上司からの嫉妬と嫌がらせさ。私に無理なノルマを課すわ、仕事を押し付けて残業を強いるわ、挙句の果てにはスーツのセンスがないだの休日に呼び出すだのプライベートへも干渉してきてね。結局、半年で辞めてしまったよ。新人潰しなんて、この世で最も愚かな行為だというのにな」
御堂は段々涙声になっていた。口調こそ尊大だが、泣きそうな心を強引に押しとどめている。
彼女が多弁になるのは、悔しさと不安から自分を守るためだ。自分の身を守るためには、最大の武器である頭脳で戦うしかなかったから。
御堂の悔しさが伝わってくる。だけどクェーサーは、伝わっても理解までは出来ていない。
『だからわらわは、彼女を羽山に導いたのだ』
クェーサーに誰かが語り掛けた。そして気が付いた、御堂の後ろに、会社で見た女性が立っているのを。
「まぁ、暫く休暇のつもりでぼんやりしていたら、たまたま羽山社長と会えてね。本当に偶然だったんだ、落としたハンカチを拾っただけなのに、私に「働かないか」って声をかけて、奇怪な人だよあの人は。なんで私が無職だってわかったんだろうね」
御堂は手を広げた。彼女にしてみれば、理由が分からない怪奇現象なのだろう。
でも、彼女の後ろに居る女性が、『わらわのおかげ』と主張している。彼女が、御堂を羽山工業に就職させたというのか?
「羽山に来てほんと、衝撃を受けたよ。だって皆馬鹿ばっかりなんだもの! 私なんかを、あったかく迎えて、まるで昔からいた仲間みたいに接して、こんな私なんかを受け入れてくれたんだよ! 皆私より頭悪いくせにさ、悩みなんかなさそうなのにさ……ああ違うんだ、言いたいのはこんなんじゃない、悪口なんかじゃないんだ……くそ、なんで素直になれないんだよ、私は……本当は、とっても感謝してるんだよ……ありがとうがなんで言えないんだよ……皆の役に立てるのなら、何だってしたいんだよ、私は」
『な、とてもいい子じゃろう? こんないい子が悪意に晒されるなどあってはならんのじゃ』
女性は御堂を撫でている、全く知覚されていないようだが。
「ともかく! 私はこの優れた頭脳を羽山工業への恩返しのために使うんだ。そのためにもクェーサー、君には何としても成長してもらわないと困るよ。しっかり人を観察し、この世で最も優れたAIになってほしいのさ」
「わかりました、努力します」
御堂のように、不安を感じやすく、恐がりな女性を支える方法を、クェーサーは知らない。
と、インターホンが鳴った。御堂はぱっと笑顔になると、来客を迎えた。救が沢山の食材を持ってやってきたのだ。
「よう後輩! ってお前この間掃除してやったばっかだろ? もう取っ散らかってるのか」
「なんだい、レディの部屋に上がり込んで文句とは。脳金先輩はデリカシーがないね」
「これのどこがレディの部屋だよ全く。飯食ったら片付けるぞ、ゴミ袋の用意しとけよ。それとレトルトばっかじゃ栄養偏るって、何度も言ってんじゃねぇか」
「先輩が作ってくれるから問題ないだろう。それより今日のご飯は何かな?」
「ぶりの照り焼き。お前最近魚食べてないつってたからな」
「ほう! ぶりとは中々、先輩にしてはいいセンスじゃないか」
「一言余計だ」
二人はまた言い争いをしている。でもよく見ると、険悪な関係ではない。
むしろ、この言い争いを楽しんでいるような、そんな気がした。
「……全く、どうして私はこう、素直になれないんだろう……」
「なんか言ったか?」
「私が発言するわけないだろう、なんだい、先輩にはイマジナリーフレンドでも見えているのかな?」
「いまじなりぃふれんど? なんだそりゃ」
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女性は二人を面白そうに眺め、スマホで写真を撮ってクェーサーに見せつけた。
スマホには、これまでの二人の姿が映っている。どれも喧嘩している光景だが、御堂は楽しそうだ。
このような関係を何と言うのだろう。クェーサーは検索し、一つの言葉にたどり着く。
「お二人は、恋愛関係にあるのですか」
「ばっ!?」
「違う違う、前にこいつが栄養失調で倒れた事があってさ、時々俺が面倒見てるんだよ」
「し、失礼な! 世話を焼いているのは私の方だろう! 大体先輩はだね!」
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