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片想いの時間
カミングアウト6
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あまり喋ったことない子だったけれど
隣に座られお皿を渡すとありがとうと笑った顔は可愛く綺麗だった。
爪も綺麗に手入れされていてピンク色のマニュキュアに見惚れた。
「光はいいね」
「なんで?」
「拓にぃといつも一緒で…」
「いや…流石に年中一緒にいないし気が合うし?」
誰もがその言葉で察した。
が、
何か言えるわけもないため普段通りにするしかなかった。
救いなのは何も知らない友人達が入ってきて騒ぎ始めてくれたことだ。
その隙にオレは拓也の元に走って戻った。
拓也はまだそこにいてタバコをふかしている。
「拓也~!」
叫びながら緩やかな斜面を下ると
その声に気づいた拓也が振り返って手を挙げた。
「おー…どした?」
「いや、いなくなったからさ」
「ん、話してただけ
何?肝試しの時間になった?」
「まだ、でも拓也飯まだだろ?」
「多少食ったからいいよ」
片方の手に持つポケット灰皿に灰を落とす拓也の手の動作を見て
さっきのピンク色の指が並んだらお似合いだなと純粋に思った。
「肝試しって言ったって
キャンプ場の脇にある小さな社行くだけだからなぁ」
「定番はやっとかないとって張り切ってる奴がいるよ」
「懐中電灯少ないのに足りるかね?」
「自由参加だからいいんじゃない?」
「二人で参加しないでコンビニ行っちまおうか…」
「流石に遠いから一言言ってこなきゃ…」
「だなぁ…」
「……告られてたんだろ?」
「言いたかっただけらしいけどな」
「やっぱその後って意識する?」
「意識はするなぁ変に期待もたせないようにしなきゃとか…
期待させる様なことしてきたクセにってよく言われたし
彼女からは特別扱いされた気がしないとか言われて振られたし…」
確かに拓也は誰構わず優しいしスキンシップが多いから彼女たちの気持ちがよく分かる。
オレもその一人で異性だったら彼女達と同じように両思いを思って告白をしてしまっていただろう。
「拓也が好きだから嫉妬で言っちゃうんだよ…
男のオレがだぜ?
一番の友達か聞いちゃうくらい良い奴なんだから
好きになった子はもっと特別欲しくなるって」
拓也が告白されたことより
自分で言った男、友達のワードにダメージを受けていて笑えた。
拓也を見上げながらしゃがむと
いつのまにか吸い終わっていたタバコを灰皿に捨てポケットにしまいながら拓也もしゃがんできた。
「俺はそんな良い奴じゃないんだって…」
「いや真面目に思ってんだよ?」
「違うって…」
「だって優し
「違うんだよ!!!!」
拓也がいきなり怒鳴った。
本当に前触れなくいきなり…
オレの話を遮るほどなんて
初めてで怖いよりびっくりした。
「…わりぃ…違う…
頼むから良い奴とか優しいとか
お前が言うな…
あー…違くて…お前に言われると…」
「ごめん…分かってる」
拓也が戸惑って言葉が出ないなんて初めてだ。
頭を片手で抱えて顔背ける拓也は自分でも怒鳴ったことに驚いて焦ってる。
お前に言われたくないって意味で言ったわけじゃないのは重々分かってるのに
それすら気にして言い直そうとして戸惑ってるのも分かる。
「拓…」
よく分からないけど
拓也もきっとオレと一緒で何か抱えてるんだ。
良い奴って言葉が拓也を傷つけてたんだね。
だらんと垂れ下がっていた拓也の片手をオレが黙って握ると拓也が強く握り返してきた。
待ってくれてたみたいでなんだか嬉しかった。
拓也も怒鳴るほど怒ることがあるだって惚れた弱みだけど嬉しい。
あの時、拓也がしてくれたみたいに
オレから拓也を抱きしめてあげれる身体はないから
ちょっと拓也にすり寄って空いてる手で背中をさすってみた。
広くてガッチリしててオレとは違い過ぎて少しビビったけど
この身体に守られる子は安心するだろうなぁとも思えた。
「本当ごめん……
お前は大丈夫?驚いただろ?」
「全然?大丈夫だよ…」
「……」
「……」
「…ごめん…手…離したく…ない…」
「……」
「ごめん…」
隣に座られお皿を渡すとありがとうと笑った顔は可愛く綺麗だった。
爪も綺麗に手入れされていてピンク色のマニュキュアに見惚れた。
「光はいいね」
「なんで?」
「拓にぃといつも一緒で…」
「いや…流石に年中一緒にいないし気が合うし?」
誰もがその言葉で察した。
が、
何か言えるわけもないため普段通りにするしかなかった。
救いなのは何も知らない友人達が入ってきて騒ぎ始めてくれたことだ。
その隙にオレは拓也の元に走って戻った。
拓也はまだそこにいてタバコをふかしている。
「拓也~!」
叫びながら緩やかな斜面を下ると
その声に気づいた拓也が振り返って手を挙げた。
「おー…どした?」
「いや、いなくなったからさ」
「ん、話してただけ
何?肝試しの時間になった?」
「まだ、でも拓也飯まだだろ?」
「多少食ったからいいよ」
片方の手に持つポケット灰皿に灰を落とす拓也の手の動作を見て
さっきのピンク色の指が並んだらお似合いだなと純粋に思った。
「肝試しって言ったって
キャンプ場の脇にある小さな社行くだけだからなぁ」
「定番はやっとかないとって張り切ってる奴がいるよ」
「懐中電灯少ないのに足りるかね?」
「自由参加だからいいんじゃない?」
「二人で参加しないでコンビニ行っちまおうか…」
「流石に遠いから一言言ってこなきゃ…」
「だなぁ…」
「……告られてたんだろ?」
「言いたかっただけらしいけどな」
「やっぱその後って意識する?」
「意識はするなぁ変に期待もたせないようにしなきゃとか…
期待させる様なことしてきたクセにってよく言われたし
彼女からは特別扱いされた気がしないとか言われて振られたし…」
確かに拓也は誰構わず優しいしスキンシップが多いから彼女たちの気持ちがよく分かる。
オレもその一人で異性だったら彼女達と同じように両思いを思って告白をしてしまっていただろう。
「拓也が好きだから嫉妬で言っちゃうんだよ…
男のオレがだぜ?
一番の友達か聞いちゃうくらい良い奴なんだから
好きになった子はもっと特別欲しくなるって」
拓也が告白されたことより
自分で言った男、友達のワードにダメージを受けていて笑えた。
拓也を見上げながらしゃがむと
いつのまにか吸い終わっていたタバコを灰皿に捨てポケットにしまいながら拓也もしゃがんできた。
「俺はそんな良い奴じゃないんだって…」
「いや真面目に思ってんだよ?」
「違うって…」
「だって優し
「違うんだよ!!!!」
拓也がいきなり怒鳴った。
本当に前触れなくいきなり…
オレの話を遮るほどなんて
初めてで怖いよりびっくりした。
「…わりぃ…違う…
頼むから良い奴とか優しいとか
お前が言うな…
あー…違くて…お前に言われると…」
「ごめん…分かってる」
拓也が戸惑って言葉が出ないなんて初めてだ。
頭を片手で抱えて顔背ける拓也は自分でも怒鳴ったことに驚いて焦ってる。
お前に言われたくないって意味で言ったわけじゃないのは重々分かってるのに
それすら気にして言い直そうとして戸惑ってるのも分かる。
「拓…」
よく分からないけど
拓也もきっとオレと一緒で何か抱えてるんだ。
良い奴って言葉が拓也を傷つけてたんだね。
だらんと垂れ下がっていた拓也の片手をオレが黙って握ると拓也が強く握り返してきた。
待ってくれてたみたいでなんだか嬉しかった。
拓也も怒鳴るほど怒ることがあるだって惚れた弱みだけど嬉しい。
あの時、拓也がしてくれたみたいに
オレから拓也を抱きしめてあげれる身体はないから
ちょっと拓也にすり寄って空いてる手で背中をさすってみた。
広くてガッチリしててオレとは違い過ぎて少しビビったけど
この身体に守られる子は安心するだろうなぁとも思えた。
「本当ごめん……
お前は大丈夫?驚いただろ?」
「全然?大丈夫だよ…」
「……」
「……」
「…ごめん…手…離したく…ない…」
「……」
「ごめん…」
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