Deep Heart

輝拓

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片想いの時間

近くて遠い

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片付けが終われば寝るだけになった頃。
BBQの片付けをしている俺は
放置され大分時間がたった網を一心不乱にタワシで擦っていた。


まずった…やらかした…

ほっっっとにまずい…

 
光の手の感触を消すために名残惜しくもなく 
タワシを思いっきり握る。


軽く本能に負けて…
変なことしてなかったよな?
奈緒が来て本当に良かったと冷や汗が出たくらいだ。


あの雰囲気でいたら完全に自分は告白をしていた。
よく考えてみろよ。
成人した男が学生に手握っててくれって光が俺に言うとはわけが違う。
そんな状態で告白だぜ?
精神的トラウマだろ…
本当に危なかった。

花火まで誘っちゃって
馬鹿過ぎだろ自分…


「拓にぃ…洗い過ぎ…網曲がるよ?」

「あ?あー…だな…次は?」

「洗い組は終わりだからテントの中で遊ぼうぜ?」

「俺、一服したら行く…んで、直ぐ寝る…」



まだテントに入っていない奴らの中にゴミを片付けている光がいた。


結局、光を探してしまう
ほかの友人と大笑いしている様子を見て安心する


思わず誘ってしまった手持ち花火…
断るか…いやー…それは無理だろう

とりあえず解散して、夜また会う…にしよう
で、送りとどけて終わりにすればいい

誘っておいて失礼過ぎる適当っぷり…


でも、失態をした今日はもう何も考えたくない本音

その場でそのままボーっとその様子をタバコに火を着けながら見ていた。

相変わらず光は皆から小突かれたり頭を軽く叩いたりイジられて楽しそうだった
時々、目線を皆から外して周囲を見るように頭を動かしている。

何か探してんのか?
無くしもんか?

に、しては下を見てるわけじゃない


俺だったりして…


直ぐに光はどこか目で追ってしまう変態な俺らしい願望みたいな考えが通じたのか
また目線を周囲に向けた光と目が合う

眉をハの字にして笑い手を小さく振ってくる光に
思わず同じように手を振った。
ゴミ袋を下げて小走りこちらに来る光に心臓が鳴る。


マジで…?
本当に探してた?
本当に?



「やっぱりテント戻ってなかったんだ」

「あー一服して寝るけどな…」

「帰ったら花火してくれるって言ったけどそのまま拓の家に行っていい?」

「…部屋汚ねぇよ?」

「全然いいよ?」

「じゃぁ夜まで飯食ったりして時間潰そう」

「やった!」

一瞬躊躇った。
いや、口が勝手に言っていった。


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