天冥聖戦 外伝 帰らぬ英雄達

くらまゆうき

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第16章 継ぐ者

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メテオ海戦終結後。


天上軍の大勢の戦死者を弔う。


兵士達の遺品をためらいの丘に運び、埋葬する。


装備を外して礼服に着替えた白陸軍の将兵達。


虎白がサッと戦死者へ敬礼する。


全兵士が同じ様に敬礼する。


涙を流す者、優しく微笑む者。


表情はそれぞれ違った。


ハンナは無表情で敬礼している。


太吉の墓の前で。



「平蔵さんも太吉さんも・・・私を拾ってくれた恩師に何の恩返しもできなかった・・・もっともっと強くなって頑張ります。 どうかお元気で。」



ハンナの表情は変わらない。


泣くべきなのか。


それとも「お疲れ様でした」と笑って見送るべきなのか。


ハンナにはわからなかった。


わかるのは胸の奥で込み上げる悔しさだけだった。


英雄達は到達点で安息の日々を送る。


残された者は天上界のためにこれからも戦う。


誰だって死ぬのは怖い。


勇敢に戦い無念にも命を落とした者だけが行ける場所。


しかしその到達点が本当にあるのかは兵士達にはわからない。


一説では虎白の故郷の安良木皇国があると言われている。


それを見た者はいない。


確証のない伝説。


虎白自身も覚えていない。


側近の莉久は覚えている様だが虎白以外には何も話さない。


兵士達に到達点を知る術はなかった。




「これから頑張らなくっちゃ! 私も中隊長になったし!」




メテオ海戦で大勢の将兵が戦死した事でハンナの階級も軍曹から中尉に昇進した。


ハンナは仕方なく昇進した。


心のどこかではそれが引っかかっている。



「んー。 さすが中隊長!って言ってもらえたら問題ないよね。 実力もっとつけないと!」



追悼式は終わりハンナは白陸に戻り中隊長室に入る。


少尉以上の階級になると自分の部屋が設けられた。


部下の名簿の管理や訓練の日程などを行う事務室。


椅子に深く腰掛けて天井を見る。




「はあ・・・これって順番なのかな・・・偉くなって最後はお墓に行くって順番・・・平蔵さん、太吉さん・・・次は私って事なのかな・・・」




階級が上がろうとも命の危険は変わらない。


あの虎白でさえも。


ハンナはぼーっと天井を見つめている。


頭の中で蘇る日々。



「カインが冥府から戻らなかった事がショックで思わず入隊しちゃってさ。」



愛する彼氏が冥府で殺された。


その事実に怒り悲しみ、入隊した。



「平蔵さんに訓練してもらってー。 初めて出陣してわけがわからなくなってー。 太吉さんにも迷惑かけちゃったなー。」



誰もいない中隊長室。


天井に向かって独りでつぶやく。



「初めて部下ができてー。 キリス戦線緊張したなー。 そこで平蔵さんが死んじゃった・・・アスティノ平原でも大勢・・・そしてメテオ海戦で太吉さんが・・・」



脳内で蘇る日々。



「いつか偉くなって虎白様の横に立つんだ!ってみんなで話していたなー。」



死にゆく同期の顔。



「平蔵さんや太吉さんとお酒飲んだのも楽しかったなー。」



過酷な訓練。


夜になれば未来について語り合う。


永遠に続けばいいと思っていた。


ハンナにとって初めての仲間。


それが1人ずつ消えていく。


ハンナは気づいた。


寂しいと。




「うう・・・ねえ!! 平蔵さん!! 生き残ったよ? 褒めてくれないの!? 太吉さんはまた弱気な事言ってるのー!? みんなはどこ行ったのー!!! ねえ!! 誰か・・・応えてよ・・・独りにしないで・・・」



追悼式が終わり1人になってから来る痛み。


泣いても叫んでも怒っても。


消える事はない。


しかしハンナは泣かずにはいられなかった。



「あああああ!!!!!! 寂しいよ!!!!!! どうして平和な世界にならないのー!!!!!!!」



ハンナの声は部屋の外まで響いていた。

















「うう・・・」
「また後にするか。」
「うん・・・辛い・・・」
「ああ・・・」


涙を拭く。


そしてハンナの部屋のドアの前から去っていく2人。


背中をさすっている。



「太吉がね。 虎白に叶えてほしい夢があるんだって。」
「俺に? 竹子にじゃなくて?」
「うん。 私には最期に手を握っていてって頼んでいた。 そんな事・・・いくらでもするよ・・・うう・・・」



竹子は両手を顔に当てている。


それを虎白は優しくなでる。



「うう・・・太吉がね・・・戦のない天上界を作ってくれって虎白に頼んでいたよ・・・人間の私達には無理でも神族の虎白にならできるって・・・」
「そうか・・・」



虎白は何も応えなかった。


竹子をなでる純白の手に一滴の雫が落ちた。








「中隊長に敬礼!!」


ザッ!!


ハンナの前で敬礼する200人もの兵士。


白陸軍第1軍竹子軍団私兵隊。


白神隊第1中隊。


竹子の周りを守る私兵。


ハンナもその中隊長になった。


白陸軍の制服とは少し違う。


白いズボンと白いシャツに赤い模様が入っているのが白陸の一般兵の制服。


白神隊は上下純白の制服。


そして桜の花が背中に描かれた陣羽織を着ている。


肩には白陸の国旗と桜。


竹子の旗印。


限られた精鋭のみが白神隊に入る。


ハンナも気がつけば精鋭。


本人はそんな自覚はなく日々成長のために過酷な訓練を兵士達と共に行っていた。


その白神隊の隊長には平蔵、太吉ときたが両名が戦死した事により新たな隊長が任命された。



「ふふ。 これも何かの縁なのでしょうか。 一体いつから私の軍団にいらしたのか。」



白神隊の全兵士が整列する。


3000人からなる白神隊。


その隊長が竹子の横に立つ。


メテオ海戦で無名の兵士ながら不死隊10人を討ち取った。



「新たなに白神隊の隊長になった!!! 椎名又三郎と申す!!!」



この性に聞き覚えはあるだろうか。


頬に傷跡がある勇ましい表情。


この傷は生前にできた名誉の負傷。


虎白の妻、優奈の守護霊で赤備え隊の指揮官。


椎名厳三郎の実の兄。


彼は何も知らずに白陸軍に属していた。


竹子も又三郎が頭角を現すまで何も知らなかった。



「竹子様。 これより身命を賭してお仕え致す。」
「厳三郎とは似ても似つかないですね。 驚きました。 大抜擢ですがよろしくお願いします。」



先の戦いで竹子軍団の中で一番の手柄を上げた。


分隊長から一気に3000人の隊長。


階級は軍曹から少佐。


誰も異論はない。


不死隊をバタバタと倒したのは竹子以外には又三郎しかいなかった。


第六感まで使いこなしている。


兵士達の中で頭一つ飛び抜けていた。


新たな隊長も決まり白神隊は訓練を開始する。


竹子は事務作業等で忙しいのでまれにしか訓練に参加できない。


今回も竹子はいない。


又三郎の号令で訓練をする。


将軍を守る私兵。


白陸の一般兵より強くなくてはならない。


不死隊に怯えている場合ではない。


「わしだけ。 わしだけ不死隊を斬り倒した。 深刻な問題じゃな。」



又三郎は訓練する白神隊を見つめる。




「うーん。 練度が低いのお・・・これでは竹子様は守れぬ・・・」




顎を触り険しい顔をする。


ふと遠くを見る。


そして少し口角を上げる。



「こやつらは私兵という自覚が足りぬな。 竹子様にお付き合い願うとするか。 それと・・・」



又三郎はふらっと何処かへ消えた。




「あれー? 隊長どこ行ったのかな。 みんなちょっと休憩する?」



ハンナは汗を拭きその場に座る。



中隊長が休むものだから周囲の兵士も訓練を止めて座り込む。




「中隊長。 私達これからどうしますか? 他の訓練もするんですか?」
「そうね。 分隊長。 私達は竹子様の私兵。 接近戦も銃撃戦も強くなくてはダメよ。 次は射撃練習ね。 あなた名前は?」
「私はリト軍曹です。 よろしくお願いします。」



リトはユーリク達を失いしばらく精神疾患で入院していた。


しかし退院すると分隊長に昇格していた事に驚く。


そのまま分隊長として指揮しているが判断力がなくいつも他人の意見を求める。


ハンナは微笑みながらライフルを手にする。



「じゃあリト軍曹。 的を並べて分隊ごとに射撃訓練ね。」



リトはハンナに敬礼する。



「おーおー。 隊長がいないとお前が仕切るのか? 同じ中隊長のくせにな。 先代の隊長達と仲がよかったからっていい気になるなよ?」



ハンナに食って掛かる中隊長。


犬の半獣族。


彼の名はグリート。


歯茎をむき出しにしてハンナを睨む。



「じゃあどうするのー? このまま休んでいるの?」
「んなわけねーだろ。 お前馬鹿か? 俺達は竹子様を守る最後の砦だぞ。 射撃なんかより接近戦の訓練もっとやんぞ。」


ハンナは少しムッとしている。



「射撃してから乱戦に移行する方が敵の士気も下がるもん。」
「知ったような口を聞くなよ。 おめえはメテオ海戦で不死隊何人殺した?」
「2人。」
「俺は4人だ。 しかも全員斬った。 お前は?」
「仲間と取り押さえて殺した。」



鼻で笑い小馬鹿にした顔でハンナを見る。



「実力は俺の方が上だな。 又三郎様の次は俺が大隊長だな。」



ハンナとグリート。


性格の異なる2人の中隊長。


お互い睨み合い黙り込む。


小隊長や分隊長が困った顔で見守る。


喧嘩なんてしていないで早く指示を出してくれ。


周囲の兵士からはそんな雰囲気が出ている。



「じゃあ近接戦闘の訓練でいいよ。 ここで喧嘩してる時間もったいないから。」



ハンナが不機嫌そうな顔でそっぽを向く。


そして2人1組になって模擬演習用の剣で打ち合う。


カンカンッ!!



「全員注目っ!!!!」



突然の大声に驚く白神隊。


慌てて整列して声のする方を見る。


そこには又三郎と半獣族が立っている。



「こちらは獣王隊の隊長のタイロン殿だ。」



又三郎が紹介するタイロンという半獣族。


虎の半獣族だ。


見た目も虎白達の様に人間と獣が混ざった見た目というよりは虎が二足歩行で立っている。


噛み殺す様な物凄い眼力。


タイロンは女性だ。


白神隊を見下ろすその目は天敵から我が子を守るメスの虎の鋭い目だ。


そんなタイロンが率いる獣王隊。


これもある将軍の私兵だ。


白陸軍第4軍。


夜叉子将軍の私兵。


白陸の精鋭第4軍の中でも夜叉子に直接指名された選りすぐりの精鋭。


間違いなく現在の白陸軍で一番強い部隊だ。


ただ一つだけ獣王隊にも勝る精鋭がいる。


それはメテオ海戦後に虎白が到達点への途中にある故郷から連れてきた狐のみで構成されている白王隊。


この部隊だけは次元が違った。


たった3000の白王隊で5万の不死隊を壊滅させた。


全員が神族の狐。


別格だ。


しかしその白王隊を抜きにしたら獣王隊は紛れもない最強の部隊だ。



「いいかっ! 今日はこの獣王隊が模擬戦闘を行ってくれる! お前達の任務は竹子様を守る事だ! 命に変えても竹子様を守らなくてはならない! 獣王隊を退けてみろ!」



ぞろぞろと装備をつけた獣王隊が白神隊の基地へ入ってくる。


その面構え。


白神隊はその威圧感に飲まれる。


兵力は同じ3000。


ハンナはずらりと並ぶ獣王隊を見る。



「う、うん。 大丈夫。 同じ白陸軍だし。 私達だってずっと戦ってきたんだから。」



周囲で弱気な顔をする白神隊。


そこへ竹子がやってくる。


そして兵士を見てニコリと微笑む。



「今日は一緒に戦えませんが陣の中にはいますからね。 皆さん頑張ってくださいね。 よろしくお願いします。」



愛おしく思うその優しい笑み。


威圧感に飲まれる兵士達の表情から恐怖心が消える。



「竹子様には近寄らせない。」



愛する彼女を守る彼氏の様に。


我が子を守る母親の様に。


兵士達の顔つきは見違えていく。



「じゃあ始めるよ。」



獣王隊の背後に立つ黒髪の美女。


煙管を咥えて涼しい顔をする。



「あんたら。 死ぬ気で行ってきな。 白神隊を舐めてると痛い目にあうよ。 連中は強いよ。」



獣王隊の総帥にして第4軍の将軍。


夜叉子。



「確かに連戦続きで味方内でやり合う事なんてなかったものね。 あんたら。 私の前に白神隊が来たらわかってんだろうね?」



その鋭い眼差し。


獣王隊の兵士は背筋が凍るほどにゾクッとした。



「まあ。 自信は持っていきな。 あんたらは私が鍛えてやったんだからね。 ただ。 舐めてはかかるんじゃないよ?」



厳しくも愛情すら感じる夜叉子の兵士への振る舞い。


殺戮を楽しむ異常者と思うのは夜叉子をわかっていない。


彼女の人生に何があったか。


それでも周りの者へ気配りができる女性。


彼女の魅力の虜になった獣王隊の兵士の士気の高さ。



「夜叉子様の期待を裏切りたくない。」



獣王隊の兵士の面構えも先程とは比べ物にならない。


鎖で繋がれている猛獣の様に。


暴動を起こす直前の囚人の様に。


今にも白神隊に襲いかかりそうな物凄い気配。


両隊が並び睨み合う。


対象的に思えるこの両隊には共通点がある。


将軍の兵士への愛。


形は違えど竹子も夜叉子も兵士を大切に思っている。


攻めの獣王か。


守りの白神か。
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