青春聖戦 24年の思い出

くらまゆうき

文字の大きさ
101 / 140

第101話 もう1人の気になるあの子

しおりを挟む
ミクに連れられて連絡先を交換したはいいが、要件が済むと走り去っていった事に不信感を覚えながら1人で仲間と帰るはずだった道を歩いていた。


これから3年間、毎日歩く帰り道だ。


仲間と歩くはずの道も1人だと静かでどこか寂しかった。


やがて最寄り駅に着くと電車を待った。


何気なく右を向いてみるとそこにはスタイルがとても良い、女子が同じ制服を着て立っていた。


入学して直ぐに見かけた彼女は同じ1年生だ。




(前もいたな。)




最寄り駅は小さな駅だった。


新宿方面と清瀬という街への方面に向かう列車しかなかった。


けんせーを含むほとんどの生徒が清瀬方面の電車に乗るために、駅に着くとそこで仲間と別れ新宿まで帰った。


新宿方面の電車では珍しい同じ制服を着る生徒という事や、スタイルが良く綺麗な雰囲気を出しているという事もあり、彼女は祐輝にとって印象的だった。


何か本を読みながら電車に乗る彼女を思わず凝視しているとふと顔を上げた彼女は祐輝と目が合った。


少し離れた距離にいるお互いは会話をする事はなかった。


だが少しだけ微笑んで会釈をする彼女を見て祐輝も会釈したが顔は強張っていた。




(こういう時はどんな表情するんだ・・・キモいとか思われたか・・・)




表情は硬いままだったが心の内で色々と考えていると彼女は新宿の手前で降りていった。


降りる時に彼女は祐輝を見なかった。


すると祐輝は「キモいか」と小声でつぶやいた。


思春期の男子ともなると女子の仕草に敏感なものだ。


何より、自分自身がイヤらしい事を考えてしまうものだから余計に女子の仕草が気になってしまう。


実際の所スタイルの良い彼女は何も気にしていなかっただろう。


だが、異性が気にある祐輝は家に帰っても鏡で自分の顔を見つめていた。





「どんな表情するべきだったんだ。 笑顔で会釈すれば、降りる時も会釈してくれたのかな。」





1人で鏡に向かってぶつぶつと話す祐輝は母の真美が冷ややかな視線で見ているが本人は気づいてもいない。


そして出された夕飯を大量に食べるとテレビゲームを始めた。


思春期の高校生がやるとは思えない歴史のゲームを真剣にプレイしている。


するとけんせーからメールが来ていた。




「今度みんなでFPSやろうぜ!」
「なにそれ?」
「戦争ゲームみたいなやつ!」
「おけ!」




今では世界的にプレイヤーが多いFPSゲームだが、高校生の彼らにはまだ新鮮なゲームだった。


祐輝は新しいゲームを買うために真美から貰っていたお小遣いを確認していた。


基本的に野球ばかりの人生だった祐輝はお年玉やお小遣いがたくさん貯まっていた。




「面白そうだなあ。」




携帯で調べると激しい銃撃戦を自分の操作で戦うゲームだった。


ボイスチャットで友達とも会話をしながらプレイできるこのゲームはまるで野球の様なチームプレイだ。


戦略を立てたり攻撃のタイミングを合わせたりと動画を見れば見るほど早くプレイしたくなった。


けんせーからのメールを更に見ると「俺についてこいな!」と偉そうな事を言っていた。




「違う俺が援護してやる!」
「イキるな!」
「それはお前だろ!」




部活に恋愛、そしてみんなでゲーム。


二度と帰らない青春はこれからだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...