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シーズン
第6−12話 北の三雄割拠
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もてなしとは、本来来訪者に対して遠路はるばる来てもらった事への感謝の思いや、会ってくれた事に対して感謝する行為である。
客人に対して礼節を尽くすというのは、当然の礼儀とも言える。
ましてや国家間ともなれば、それは盛大にもてなすのが常だ。
しかし遠路はるばるスタシアにまで、訪れた虎白と莉久に対してメアリーは簡易的な挨拶をすると客人へのもてなしに最も相応しくない戦場へと連れて行こうとしているではないか。
困惑と微かに怒りすら感じている二柱の神族は、颯爽と戦地へと駆けていく赤髪の美しいメアリーの背中を眺めながら無言を保っていた。
その間、三十分以上にもなる。
やがてスタシア国内の街を駆け抜けていくと、広大な平原を越えてさらにいくつもの街を抜けた。
次第に街の様子が変わってきている事に、二柱は気がついた。
「民の表情を見てみろ」
「恐怖ですか、疲労でしょうか」
「絶望だろう」
虎白が絶望だと話すスタシアの民の表情は暗く、活気という言葉からはかけ離れていた。
しかしメアリーは民らに声をかける事もなく、女性騎士達を引き連れてさらに馬足ばそくを速めさせた。
やがて街を抜けると再び広大な平原へと出たが、スタシア軍が大勢布陣している後方へと出た。
状況が把握できずに、虎白らはスタシア軍の陣地へと入っていった。
するとそこには赤き王、アルデン・フォン・ヒステリカが美しい顔を強張らせていた。
配下の将軍らと地図を眺めては、口論している様子に虎白が割って入る様に前へ出ると赤き王は盟友の到着に気がついた。
「どうか許してください・・・」
「随分なもてなしだったな」
「弁解の余地もありません・・・ティーノム帝国とルーシー大公国から宣戦布告されてしまい・・・」
ここに来てやっと敵国の名を聞いた虎白と莉久は、状況の説明すらなく連れてこられた事へ不快感をあわらにしていた。
アルデンの隣でメアリーも同様に表情を歪めて、弁解の余地はないといった様子だ。
仕方なく虎白が地図に目をやると、そこには赤い印と青や黄色という三色の印が描かれていた。
圧倒的に赤が少なく、青と黄色は地図を埋め尽くすほどに描かれている事に疑問を呈した虎白が尋ねると場の空気は、より張り詰めた。
「赤が我が軍です。 そして青がティーノムで黄色がルーシーです・・・」
「スタシアの一個軍団で敵の十個軍団と対峙しているのか?」
「ええ・・・本格的に戦闘が起きているのは、ここともう一つです」
それは虎白が予想していたよりも遥かに切迫した状況であった。
模擬演習もぎえんしゅうという天王ゼウスに認められた戦闘であり、武器には雷のオイルが施されて死ぬ事はない。
しかしこの模擬演習とは実戦とさほど変わらぬほど、危険な戦いなのだ。
負けた側は戦勝国の条件を飲まなくてはならない。
この模擬演習によって、天上界から姿を消した国は数知れないのだ。
そして今、スタシアは未曾有の危機を迎えているというわけだ。
北側領土に君臨する大国は現在、主に三カ国ある。
一つはツンドラであったが、今はスタシアとなった。
二つ目はティーノム帝国と呼ばれる、貴族政治によって統治される超大国だ。
そして三つ目のルーシー大公国。
かの国は天上界で最も危険な国として、有名であった。
ルーシーの民は戦闘民族として知られ、有事となれば我先に民間人まで武器を手に敵国へと殺到する。
非常に過激な戦闘意欲から他国も容易には手を出さずにいた。
ルーシーによって滅ぼされた天上界の国の数は、五十にも及ぶと言われている。
そして今、ツンドラを滅ぼして北側領土の覇者になりつつあったスタシアにかの二カ国が同時に宣戦布告をしてきたというわけだ。
腕を組んで表情を一気に曇らせた虎白は、アルデンの無礼なもてなしの全てを理解してうなずくと反撃の話し合いに加わった。
「こんな状況で悪かったなアルデン。 さてどう撃退するか」
「この御恩は必ず・・・でも今は反撃に集中させてください」
かの盟友らには壮大な夢がある。
天上界の全域から、模擬演習を含む全ての戦争を終わらせる事だ。
夢の一番の脅威である冥府軍が、衰退した今では虎白がアルデンを全面的に支援する事は夢の実現へと進んでいる事になる。
しかし現実は絶望的なまでの戦力差。
各方面にてスタシア軍五千名に対して、ティーノムもルーシーも五万名以上の戦力を持って対峙している。
現在虎白らが布陣している陣地にはティーノム帝国軍が対峙して、今にも総攻撃を仕掛けて来るのではと噂されていた。
「アルデン、俺達を好きに使え。 それと莉久、伝令を送って白陸軍を一個軍団送ってもらえ」
「御意!!」
もはやこれはスタシアが滅亡するかという戦いなのだ。
虎白は白陸本国から、将軍と軍団の派遣を要請した。
そして眼前には青い旗に葉が描かれている特徴的なティーノム帝国軍が、優雅に布陣しているのだ。
これは北側領土の覇者を決める決戦と言える。
だが当事者らはこの未曾有の危機を前に、表情を歪めたまま打開策を模索するのであった。
客人に対して礼節を尽くすというのは、当然の礼儀とも言える。
ましてや国家間ともなれば、それは盛大にもてなすのが常だ。
しかし遠路はるばるスタシアにまで、訪れた虎白と莉久に対してメアリーは簡易的な挨拶をすると客人へのもてなしに最も相応しくない戦場へと連れて行こうとしているではないか。
困惑と微かに怒りすら感じている二柱の神族は、颯爽と戦地へと駆けていく赤髪の美しいメアリーの背中を眺めながら無言を保っていた。
その間、三十分以上にもなる。
やがてスタシア国内の街を駆け抜けていくと、広大な平原を越えてさらにいくつもの街を抜けた。
次第に街の様子が変わってきている事に、二柱は気がついた。
「民の表情を見てみろ」
「恐怖ですか、疲労でしょうか」
「絶望だろう」
虎白が絶望だと話すスタシアの民の表情は暗く、活気という言葉からはかけ離れていた。
しかしメアリーは民らに声をかける事もなく、女性騎士達を引き連れてさらに馬足ばそくを速めさせた。
やがて街を抜けると再び広大な平原へと出たが、スタシア軍が大勢布陣している後方へと出た。
状況が把握できずに、虎白らはスタシア軍の陣地へと入っていった。
するとそこには赤き王、アルデン・フォン・ヒステリカが美しい顔を強張らせていた。
配下の将軍らと地図を眺めては、口論している様子に虎白が割って入る様に前へ出ると赤き王は盟友の到着に気がついた。
「どうか許してください・・・」
「随分なもてなしだったな」
「弁解の余地もありません・・・ティーノム帝国とルーシー大公国から宣戦布告されてしまい・・・」
ここに来てやっと敵国の名を聞いた虎白と莉久は、状況の説明すらなく連れてこられた事へ不快感をあわらにしていた。
アルデンの隣でメアリーも同様に表情を歪めて、弁解の余地はないといった様子だ。
仕方なく虎白が地図に目をやると、そこには赤い印と青や黄色という三色の印が描かれていた。
圧倒的に赤が少なく、青と黄色は地図を埋め尽くすほどに描かれている事に疑問を呈した虎白が尋ねると場の空気は、より張り詰めた。
「赤が我が軍です。 そして青がティーノムで黄色がルーシーです・・・」
「スタシアの一個軍団で敵の十個軍団と対峙しているのか?」
「ええ・・・本格的に戦闘が起きているのは、ここともう一つです」
それは虎白が予想していたよりも遥かに切迫した状況であった。
模擬演習もぎえんしゅうという天王ゼウスに認められた戦闘であり、武器には雷のオイルが施されて死ぬ事はない。
しかしこの模擬演習とは実戦とさほど変わらぬほど、危険な戦いなのだ。
負けた側は戦勝国の条件を飲まなくてはならない。
この模擬演習によって、天上界から姿を消した国は数知れないのだ。
そして今、スタシアは未曾有の危機を迎えているというわけだ。
北側領土に君臨する大国は現在、主に三カ国ある。
一つはツンドラであったが、今はスタシアとなった。
二つ目はティーノム帝国と呼ばれる、貴族政治によって統治される超大国だ。
そして三つ目のルーシー大公国。
かの国は天上界で最も危険な国として、有名であった。
ルーシーの民は戦闘民族として知られ、有事となれば我先に民間人まで武器を手に敵国へと殺到する。
非常に過激な戦闘意欲から他国も容易には手を出さずにいた。
ルーシーによって滅ぼされた天上界の国の数は、五十にも及ぶと言われている。
そして今、ツンドラを滅ぼして北側領土の覇者になりつつあったスタシアにかの二カ国が同時に宣戦布告をしてきたというわけだ。
腕を組んで表情を一気に曇らせた虎白は、アルデンの無礼なもてなしの全てを理解してうなずくと反撃の話し合いに加わった。
「こんな状況で悪かったなアルデン。 さてどう撃退するか」
「この御恩は必ず・・・でも今は反撃に集中させてください」
かの盟友らには壮大な夢がある。
天上界の全域から、模擬演習を含む全ての戦争を終わらせる事だ。
夢の一番の脅威である冥府軍が、衰退した今では虎白がアルデンを全面的に支援する事は夢の実現へと進んでいる事になる。
しかし現実は絶望的なまでの戦力差。
各方面にてスタシア軍五千名に対して、ティーノムもルーシーも五万名以上の戦力を持って対峙している。
現在虎白らが布陣している陣地にはティーノム帝国軍が対峙して、今にも総攻撃を仕掛けて来るのではと噂されていた。
「アルデン、俺達を好きに使え。 それと莉久、伝令を送って白陸軍を一個軍団送ってもらえ」
「御意!!」
もはやこれはスタシアが滅亡するかという戦いなのだ。
虎白は白陸本国から、将軍と軍団の派遣を要請した。
そして眼前には青い旗に葉が描かれている特徴的なティーノム帝国軍が、優雅に布陣しているのだ。
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