声を探して

かいな

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出会ったことも無い君と

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あぁ…眩しい…

群青色の空とキラキラと輝く海

そして私の隣で笑う君

「君は誰?」

つい口から出てしまった

慌てて口を塞ぐももう遅い

悲しそうな表情を浮かべこちらを見ている。

すると、だんだん視界が真っ白になってきた。




リ…リリ…ピリリ!ピリリ!!

気がつくと見覚えのある天井

そこで初めて夢だと自覚した

見覚えのないが綺麗な夢だった

「未夢~?起きなさい~!」

母親のうるさい声が頭の中で響く

軽く返事をし制服に着替え高校に行く

私は今年高校に入学したばかりでまだ友達も少ない

家からあまり出ず暇な時間は配信をしたりして時間を潰していた

そのせいか周りとあまり馴染めず仲のいい子2人といつも固まって話している。

「未夢~!!おはよ~!!」

笑顔でこっちに走ってくるのが季依

その横でのんびり歩いてるのが沙羅

2人とも高校で出来た友達だが、本当に大切にしてるし、されている。

「ねぇねぇ聞いて!昨日さ~憲哉くんからバイバイって言ってくれたの~!幸せ~」

季依はクラスにいる憲哉くんというこのことが大好きなようだ

学校に着いてもなお季依の惚気?は止まらずずっとあいずちを打っているだけの状態だ

沙羅はと言うとずっとスマホゲームに集中しており話など聞いてない模様

私は今日みた夢がすごく気掛かりだった

あの子は誰なんだ、そしてどんな関係なのか
なぜあんな悲しい目をしたのか

考えれば考えるだけ分からなくなってくる

ぼーっとしていたらいつの間にか昼休みになっていた

気分転換にスマホを触ると一通とある配信アプリから通知が来ていた

誰かからのダイレクトメッセージだろうか

名前は…Rock?あまり見覚えのない人からだなと思いつつメッセージを開く

(応援してます!頑張って下さい!!)

配信を見てくれた方だろうか、とても嬉しいコメントだ

今日もみんなのために楽しい配信を作らなきゃそう思いながら感謝のメッセージを返す

今日はどんな配信にしようか、そんなことを考えていると放課後になっていた

2人には先に帰るといい全力で家まで走った

足が疲れた、息が切れているそれでも私は待ってくれてる人のために走った

こんなに全力で走ったのは久しぶりだ

家に着いてすぐパソコンの前に行き配信を開始する

ゆっくりだが流れるコメント

最近見てくれてる人も多くなったなと自分でも思う

別に有名になりたい訳では無い

ただ、色んな人を楽しませたい、色んな人と関わりたい

それが理由で配信を始めた

やはりここが1番落ち着く

そう思いモニターの光に照らされながら一人語りをしている

すると今日ダイレクトメッセージを送ってくれたRockさんが配信に来てくれた

(配信頑張ってね)

その一言で今日の疲れが吹き飛ぶくらい嬉しかった

ちゃんと口で感謝を伝え配信を終了する

気が付かなかったが3時間も配信をしていたらしい

そろそろご飯の時間だが
気持ちは疲れていなくても身体が疲れていたせいかベッドに倒れ込むように寝てしまった
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