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第2章
第37話 これでご主人様は両手に花ですね
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ジュニアスさんたちを見送った後、僕とリナは冒険者ギルドへ顔を出した。アルディンさんが増援を連れてくるまでの段取りを決めておかなければならないからだ。
冒険者ギルドに入ると昨日救助したソーニャがクエストボードを眺めていたので声を掛けてみた。
「おはよう、ソーニャ。疲れは取れた?」
「あ、マサトさんにリナさん。昨日はありがとうございました。あれから直ぐに寝て今朝までグッスリでした」
昨日は大変だっただろうに、にこやかに笑いかけてきた。
「おはようございます、足はもう平気ですか?」
「はい!昨日リナさんに治してもらったお陰で何ともありません」
「そうでしたか、それは良かったです」
ソーニャに挨拶した後、僕らはエディスさんのいる受付へ向かった。
「おはようございます、エディスさん」
「おや、おはよう二人とも」
「おはようございます」
僕らはどう行動したら良いかエディさんに相談してみた。
「今この村に居る冒険者はあんたたちを除いて把握してるだけで13人、そしてこの13人の殆どが赤や橙ランクの初心者だ。あんたらみたいにランクと実力がかけ離れた奴は居ないからそのつもりでね」
僕はそう言われて苦笑しながら頷いた。貴族や騎士など身分は高いが後を継げない三男坊などは元々戦闘技術や魔法などある程度教育されてから冒険者になることがあり、赤ランクスタートでも全くの素人よりは使い物になる。
だけど、それでも橙、もしくは黄ランク相当が精々で飛び抜けて上位に食い込む実力は当然ながら早々居ない。居たらその人は天才か僕みたいにズルをすることが出来た人だけだろう。
「この村のクエストの大半は薬草採取や獣の狩猟が主になっていてね、ウォーグ辺りの魔獣狩りもたまにある程度はあるよ。だけどこの辺りにはそれほど魔獣が現れることがないからね。ヘタすりゃ魔獣をまだ見たことも無い奴もこの中に混ざっているだろうさ」
昨日助けた3人はその中でも何度か魔獣を討伐したことがある冒険者たちなんだろう。とても初見であの対応は出来ないだろうし、生き延びる術を身につけているだけでも既に初心者を脱していると思う。
「実力だけじゃ無く人数的にも森の魔獣討伐はとても無理だから、この13人を3班に分けて交代で村の守備を任せるつもりだよ。そしてあんたたちは森の調査と討伐、村へ襲撃があった場合は遊撃をお願いしたいと思っているんだけど、いけるかい?」
「ちょ、ちょっと待って下さ~い!」
僕が返事をしようとしたところで、さっき別れたソーニャが会話に割り込んできた。
「何だい?あんたもこの人らの実力にケチ付けに来たのかい?」
「いえいえいえ、まさか! マサトさんたちに助けられたのにケチなんて付けませんよ!」
「それじゃあ何のようだい?」
そうエディスさんに言われてソーニャは深呼吸をした後、僕に向かってこう言い出した。
「マサトさんたちのパーティにわたしも入れて下さい!」
「え? ソーニャ、僕たちのパーティに入りたいの?」
「はい!昨日のお二人を見てわたしももっと強くなりたいと思いました。我が儘だしご迷惑をかけるのは分かっています。だけどお願いします!」
迷惑というか足手まといになるかと言われたら、まぁそうなるだろうけど僕としては頼られて悪い気はしないのでパーティに入れても良いかなと思った。
あ、そうだ。もしも今後もというのであれば彼女の人生に関わることになるかもしれないので、イリーナさんみたいに禊ぎ中か確認することにした。
僕はリナに確認してからトゥルーサイトのスキルを発動してソーニャを見てみた。しかしいつまで経っても別の人物が浮かんでくる様子はなかった。僕がジーッと見ていたせいかソーニャは段々涙目になりながらも僕の目を逸らさず見つめ返していた。
「うん、僕は良いと思う。リナはどう思う?」
「ご主人様の判断にお任せしますが、私も問題は無いと思います」
「そ、それじゃあ!」
「あぁ、ソーニャ。その前にちょっと待ってね」
僕はエディスさんにもう一度向き直った。
「ソーニャを僕らのパーティに入れても大丈夫ですかね?」
「まぁ、13人だったから丁度4人ずつ3交代になるから、こちらは構わないけどね。それよりそっちこそ良いのかい?」
「ランクで言えば似たり寄ったり・・・というか僕らの方が下のはずですからね。あ、ソーニャ。僕とリナは赤ランクだけどそれでも良いの?」
「え?!」
僕らが赤ランクだと告げると心底ビックリという風にソーニャは驚いて固まった。
「あぁ、言ってなかったっけ。僕とリナは昨日冒険者ギルドに加入したばかりなんだ」
「で、でも!昨日お二人とも滅茶苦茶強かったじゃないですか!」
「まぁ、色々事情があってギルドに入る機会が中々無かったんだよ」
「な、なるほど。だけど問題ありません!冒険者ギルドのランクが赤でもマサトさんたちが実力者だってわたし知ってますから!」
そこまで僕たちを認めてくれるなら否定することなんて何も無い。僕はソーニャに手を伸ばして言った。
「じゃあ、これからよろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
その後ソーニャはリナとも握手をしていた。エディスさんにとりあえず森の巡回に言ってくることを告げたら、夕刻までには一度戻るようにと言われたので了承してから冒険者ギルドを後にした。
3人で携帯食料や道具などを買出しした後、一度宿屋へ戻り各自装備類を整えてから宿屋のロビーに集まることにした。
「これでご主人様は両手に花ですね」
「ぶっ」
部屋にリナと戻った途端弄られた。そんなつもりは特になかったのに。
「というかリナ、自分で花っていうんだね」
「新しく手に入れた花ばかりに水をあげられては悲しくなりますからね。少し自己アピールをしてみました」
「まぁ、ソーニャはそういう目で僕を見ていないんじゃないかな。気にしすぎだと思うけど」
「そうですか。ですが、もしもソーニャさんが懸想なさっていてご主人様が受け入れたいのであれば、ハナ様が仰っていたように思うがままに判断して下さい」
ん? つまり僕に二股をしろってことだろうか。でもソーニャを受け入れてリナが天界に帰ると言い出すのなら、僕はリナ以外は選ばない。それ位リナのことを好きになっている自覚はある。僕は今思ったことをありのままリナに伝えた。
「ありがとうございます。ですがご主人様が他の娘に手を出そうとも私は離れるつもりはありませんよ。そして独占するつもりもありません」
例え沢山の女性に囲まれても、ちゃんと私も愛して下さいねと呟いた後、僕の頬にキスをしてくれた。
冒険者ギルドに入ると昨日救助したソーニャがクエストボードを眺めていたので声を掛けてみた。
「おはよう、ソーニャ。疲れは取れた?」
「あ、マサトさんにリナさん。昨日はありがとうございました。あれから直ぐに寝て今朝までグッスリでした」
昨日は大変だっただろうに、にこやかに笑いかけてきた。
「おはようございます、足はもう平気ですか?」
「はい!昨日リナさんに治してもらったお陰で何ともありません」
「そうでしたか、それは良かったです」
ソーニャに挨拶した後、僕らはエディスさんのいる受付へ向かった。
「おはようございます、エディスさん」
「おや、おはよう二人とも」
「おはようございます」
僕らはどう行動したら良いかエディさんに相談してみた。
「今この村に居る冒険者はあんたたちを除いて把握してるだけで13人、そしてこの13人の殆どが赤や橙ランクの初心者だ。あんたらみたいにランクと実力がかけ離れた奴は居ないからそのつもりでね」
僕はそう言われて苦笑しながら頷いた。貴族や騎士など身分は高いが後を継げない三男坊などは元々戦闘技術や魔法などある程度教育されてから冒険者になることがあり、赤ランクスタートでも全くの素人よりは使い物になる。
だけど、それでも橙、もしくは黄ランク相当が精々で飛び抜けて上位に食い込む実力は当然ながら早々居ない。居たらその人は天才か僕みたいにズルをすることが出来た人だけだろう。
「この村のクエストの大半は薬草採取や獣の狩猟が主になっていてね、ウォーグ辺りの魔獣狩りもたまにある程度はあるよ。だけどこの辺りにはそれほど魔獣が現れることがないからね。ヘタすりゃ魔獣をまだ見たことも無い奴もこの中に混ざっているだろうさ」
昨日助けた3人はその中でも何度か魔獣を討伐したことがある冒険者たちなんだろう。とても初見であの対応は出来ないだろうし、生き延びる術を身につけているだけでも既に初心者を脱していると思う。
「実力だけじゃ無く人数的にも森の魔獣討伐はとても無理だから、この13人を3班に分けて交代で村の守備を任せるつもりだよ。そしてあんたたちは森の調査と討伐、村へ襲撃があった場合は遊撃をお願いしたいと思っているんだけど、いけるかい?」
「ちょ、ちょっと待って下さ~い!」
僕が返事をしようとしたところで、さっき別れたソーニャが会話に割り込んできた。
「何だい?あんたもこの人らの実力にケチ付けに来たのかい?」
「いえいえいえ、まさか! マサトさんたちに助けられたのにケチなんて付けませんよ!」
「それじゃあ何のようだい?」
そうエディスさんに言われてソーニャは深呼吸をした後、僕に向かってこう言い出した。
「マサトさんたちのパーティにわたしも入れて下さい!」
「え? ソーニャ、僕たちのパーティに入りたいの?」
「はい!昨日のお二人を見てわたしももっと強くなりたいと思いました。我が儘だしご迷惑をかけるのは分かっています。だけどお願いします!」
迷惑というか足手まといになるかと言われたら、まぁそうなるだろうけど僕としては頼られて悪い気はしないのでパーティに入れても良いかなと思った。
あ、そうだ。もしも今後もというのであれば彼女の人生に関わることになるかもしれないので、イリーナさんみたいに禊ぎ中か確認することにした。
僕はリナに確認してからトゥルーサイトのスキルを発動してソーニャを見てみた。しかしいつまで経っても別の人物が浮かんでくる様子はなかった。僕がジーッと見ていたせいかソーニャは段々涙目になりながらも僕の目を逸らさず見つめ返していた。
「うん、僕は良いと思う。リナはどう思う?」
「ご主人様の判断にお任せしますが、私も問題は無いと思います」
「そ、それじゃあ!」
「あぁ、ソーニャ。その前にちょっと待ってね」
僕はエディスさんにもう一度向き直った。
「ソーニャを僕らのパーティに入れても大丈夫ですかね?」
「まぁ、13人だったから丁度4人ずつ3交代になるから、こちらは構わないけどね。それよりそっちこそ良いのかい?」
「ランクで言えば似たり寄ったり・・・というか僕らの方が下のはずですからね。あ、ソーニャ。僕とリナは赤ランクだけどそれでも良いの?」
「え?!」
僕らが赤ランクだと告げると心底ビックリという風にソーニャは驚いて固まった。
「あぁ、言ってなかったっけ。僕とリナは昨日冒険者ギルドに加入したばかりなんだ」
「で、でも!昨日お二人とも滅茶苦茶強かったじゃないですか!」
「まぁ、色々事情があってギルドに入る機会が中々無かったんだよ」
「な、なるほど。だけど問題ありません!冒険者ギルドのランクが赤でもマサトさんたちが実力者だってわたし知ってますから!」
そこまで僕たちを認めてくれるなら否定することなんて何も無い。僕はソーニャに手を伸ばして言った。
「じゃあ、これからよろしく」
「はい!よろしくお願いします!」
その後ソーニャはリナとも握手をしていた。エディスさんにとりあえず森の巡回に言ってくることを告げたら、夕刻までには一度戻るようにと言われたので了承してから冒険者ギルドを後にした。
3人で携帯食料や道具などを買出しした後、一度宿屋へ戻り各自装備類を整えてから宿屋のロビーに集まることにした。
「これでご主人様は両手に花ですね」
「ぶっ」
部屋にリナと戻った途端弄られた。そんなつもりは特になかったのに。
「というかリナ、自分で花っていうんだね」
「新しく手に入れた花ばかりに水をあげられては悲しくなりますからね。少し自己アピールをしてみました」
「まぁ、ソーニャはそういう目で僕を見ていないんじゃないかな。気にしすぎだと思うけど」
「そうですか。ですが、もしもソーニャさんが懸想なさっていてご主人様が受け入れたいのであれば、ハナ様が仰っていたように思うがままに判断して下さい」
ん? つまり僕に二股をしろってことだろうか。でもソーニャを受け入れてリナが天界に帰ると言い出すのなら、僕はリナ以外は選ばない。それ位リナのことを好きになっている自覚はある。僕は今思ったことをありのままリナに伝えた。
「ありがとうございます。ですがご主人様が他の娘に手を出そうとも私は離れるつもりはありませんよ。そして独占するつもりもありません」
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一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
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さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
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