10 / 19
10
しおりを挟む
それって…
「めちゃくちゃギリギリじゃん!?」
「本当に奇跡でした。間に合って良かったです!」
今ここにいたという世界線はここだけ。
全ての世界線の中で、彼女が唯一僕に気づいてくれた世界線。
無駄にはしてはいけない。
僕は彼女の手を取り、そして握る。
「ありがとうリリィ。こうやって僕がこうして姫神を助けられる機会が出来たのも全て君のおかげだ。だから…だからもう絶対に自分から命を捨てる事はしない。この二度とない奇跡を未来につなぎ止めてみせる。」
すると彼女は微笑んだ。
「約束ですよ?」
「約束する。」
僕もそうして微笑む。
(それでいいのです。生きる希望をどうか忘れないで。)
「よし、それで僕は過去に戻ったらまず何をすればいい?」
失敗は出来ない。僕はそれから、一つ一つの手順を細かくリリィに聞いた。
「…という手順です。かなり複雑ですが、貴方様の目を通して私もそれを見ています。それをリアルタイムで私が貴方様の脳内に直接次の指示をしますので、その点はご安心下さい!」
かなり大変だが、リリィが指示してくれるなら概ね大丈夫だろう。
「わかった、なら安心できる。頼りにしてるよ。」
彼女はポンと胸に手を当て主張する。
「任せてください!それにしても貴方様、凄いやる気ですね!」
「もう吹っ切れたよ。姫神を助けて、僕はまた日常に戻る。姫神と2人でまた何気ない会話をしたり、一緒に出かけたり、そして僕は…想いを今度こそ…今度こそ彼女に伝えてみせる!」
「その意気です!それでは準備致しますので、今しがたお待ちください」
絶対に失敗は許されない。
待ってろ姫神。今助けに行くから。
リリィは見慣れない手つきで宙を叩いた。すると僕の周りに螺旋状の光のようなものが渦巻く。その光はどんどん強くなっていき、景色が光に満たされてくる。
その奥から聞こえてくるリリィの声。
「転送準備完了致しました。準備は宜しいですか? -如月疾様-?」
「バッチリだ。」
「わかりました。疾様、どうかお気をつけて…」
光の向こうで彼女は笑っている気がした。
「リリィ。ありがとう。」
僕を導いてくれた恩人。この戦いが終わったら色んな事を話したい。聞いてもらいたい。この人に。
「時間跳躍開始。」
彼を送り終えた彼女は、再び訪れた静寂と暗闇に包まれたいつもの光景にため息をつく。
(こうして誰かの温もりが無くなると、当たり前だったこの場所も寂しく感じますね。)
「めちゃくちゃギリギリじゃん!?」
「本当に奇跡でした。間に合って良かったです!」
今ここにいたという世界線はここだけ。
全ての世界線の中で、彼女が唯一僕に気づいてくれた世界線。
無駄にはしてはいけない。
僕は彼女の手を取り、そして握る。
「ありがとうリリィ。こうやって僕がこうして姫神を助けられる機会が出来たのも全て君のおかげだ。だから…だからもう絶対に自分から命を捨てる事はしない。この二度とない奇跡を未来につなぎ止めてみせる。」
すると彼女は微笑んだ。
「約束ですよ?」
「約束する。」
僕もそうして微笑む。
(それでいいのです。生きる希望をどうか忘れないで。)
「よし、それで僕は過去に戻ったらまず何をすればいい?」
失敗は出来ない。僕はそれから、一つ一つの手順を細かくリリィに聞いた。
「…という手順です。かなり複雑ですが、貴方様の目を通して私もそれを見ています。それをリアルタイムで私が貴方様の脳内に直接次の指示をしますので、その点はご安心下さい!」
かなり大変だが、リリィが指示してくれるなら概ね大丈夫だろう。
「わかった、なら安心できる。頼りにしてるよ。」
彼女はポンと胸に手を当て主張する。
「任せてください!それにしても貴方様、凄いやる気ですね!」
「もう吹っ切れたよ。姫神を助けて、僕はまた日常に戻る。姫神と2人でまた何気ない会話をしたり、一緒に出かけたり、そして僕は…想いを今度こそ…今度こそ彼女に伝えてみせる!」
「その意気です!それでは準備致しますので、今しがたお待ちください」
絶対に失敗は許されない。
待ってろ姫神。今助けに行くから。
リリィは見慣れない手つきで宙を叩いた。すると僕の周りに螺旋状の光のようなものが渦巻く。その光はどんどん強くなっていき、景色が光に満たされてくる。
その奥から聞こえてくるリリィの声。
「転送準備完了致しました。準備は宜しいですか? -如月疾様-?」
「バッチリだ。」
「わかりました。疾様、どうかお気をつけて…」
光の向こうで彼女は笑っている気がした。
「リリィ。ありがとう。」
僕を導いてくれた恩人。この戦いが終わったら色んな事を話したい。聞いてもらいたい。この人に。
「時間跳躍開始。」
彼を送り終えた彼女は、再び訪れた静寂と暗闇に包まれたいつもの光景にため息をつく。
(こうして誰かの温もりが無くなると、当たり前だったこの場所も寂しく感じますね。)
0
あなたにおすすめの小説
どうぞ添い遂げてください
あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。
ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
遊鷹太
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる