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第1章 幼児〜少年期編
1.プロローグ
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「晩飯、なににしよう…?」
俺は成瀬賢人。一応県内一の進学校に通っている。俺には五歳下の妹がいる。超絶美少女だ。身内贔屓なしでも…
両親は妹が生まれてすぐに事故で死んでしまった。親戚とは訳あって疎遠。今は妹と2人きりで暮らしている。
そして今日は妹の誕生日なのである。妹の好物は特にない、らしい…。だからこそ困っているんだが…。まあとりあえず、スーパーに行ってから決めよう。
……誰かに付けられているような気がする。ちなみに俺の勘はよく当たる。そして、心当たりは…1つだけある。麗花だ。麗花とは5歳下の妹のことだ。
透き通るような白い肌。黒曜石のような目に、絹糸のように艶のあるストレートの髪は腰あたりまで伸ばしていて、普段はクールだが、俺といるとなぜか甘えん坊になる。その時に見せる笑顔が“天使”なのだそう…
だがそれが問題なのだ…
知っている人はいいのだが、一度街に出ると、‘カレカノ,に見えるらしく、少なくない男共が嫉妬の視線を俺に突き刺してくる…
俺がイケメンであればまだマシだったのだろうが、残念ながら、俺は‘平凡’だ。過去に何度か脅されたこともある。まあ全て麗花が撃退したのだが…
そして今回は妹は家でお留守番。つまり、俺の攻撃力は0。相手が男だったら終わりだ。
そうこうしているうちにも、その気配はどんどん濃くなってきている。あぁ、これ、マジのやつだ…
今日の朝ぐらいに麗花が、
「なんか、ここ3日程あとをつけられてる気がするの。お兄ちゃんも気をつけてね?」
と言っていた気がする…
はぁ…なんで俺はこんな目にあわされてんだか…でもまあ、心残りは妹以外は特にないし、麗花も俺よりしっかりしている。俺が死んでも大丈夫だろう。俺には死んでも悲しんでくれる人なんて麗花ぐらいだろう。むしろ喜ばれるんじゃないか?世の中の男共に。
「麗花ちゃんの彼氏、それがお前の罪なんだよっ!死ねやぁーー!!!」
男は包丁を胸に突き刺した。
誰もいない夜道に血がばらまかれ、男は走って逃げていった。
ははっ、ホントに刺されちまった…案外痛くないものなんだな…
あー、頭が真っ白になっていく…
眠たい…。
これでやっと、父さんと母さんのところに行ける…
たった18年の人生だったが、後悔はないな。
次第に意識が薄れていく…
「キャーーーーーーッ!!!!」
遠くから女の人の悲鳴が聞こえてきた。
「誰かっ!早く救急車を呼んでくれっっ!!」
「呼吸は…まだあるっ!!急げ!!おい、成瀬の坊主!!妹さんがいるんだろう??死ぬなっ!誰が面倒を見るんだ!」
近所の藤久良さんが俺に声をかけてくれた。昔からよく面倒見てくれてたんだよなぁ。
「ーーーすみ…ま、せん…、ふじ、くらさ…ん。お、れ、もう…げ、んかい…で、す…。れ、いかの…こと、お…ねが…い、しますーーーーー。」
「ボウズーーーーーーー!!!!!」
麗花のことも心配がなくなり、安心した賢人はゆっくりと目を閉じ、意識が遠のいていった…
俺は成瀬賢人。一応県内一の進学校に通っている。俺には五歳下の妹がいる。超絶美少女だ。身内贔屓なしでも…
両親は妹が生まれてすぐに事故で死んでしまった。親戚とは訳あって疎遠。今は妹と2人きりで暮らしている。
そして今日は妹の誕生日なのである。妹の好物は特にない、らしい…。だからこそ困っているんだが…。まあとりあえず、スーパーに行ってから決めよう。
……誰かに付けられているような気がする。ちなみに俺の勘はよく当たる。そして、心当たりは…1つだけある。麗花だ。麗花とは5歳下の妹のことだ。
透き通るような白い肌。黒曜石のような目に、絹糸のように艶のあるストレートの髪は腰あたりまで伸ばしていて、普段はクールだが、俺といるとなぜか甘えん坊になる。その時に見せる笑顔が“天使”なのだそう…
だがそれが問題なのだ…
知っている人はいいのだが、一度街に出ると、‘カレカノ,に見えるらしく、少なくない男共が嫉妬の視線を俺に突き刺してくる…
俺がイケメンであればまだマシだったのだろうが、残念ながら、俺は‘平凡’だ。過去に何度か脅されたこともある。まあ全て麗花が撃退したのだが…
そして今回は妹は家でお留守番。つまり、俺の攻撃力は0。相手が男だったら終わりだ。
そうこうしているうちにも、その気配はどんどん濃くなってきている。あぁ、これ、マジのやつだ…
今日の朝ぐらいに麗花が、
「なんか、ここ3日程あとをつけられてる気がするの。お兄ちゃんも気をつけてね?」
と言っていた気がする…
はぁ…なんで俺はこんな目にあわされてんだか…でもまあ、心残りは妹以外は特にないし、麗花も俺よりしっかりしている。俺が死んでも大丈夫だろう。俺には死んでも悲しんでくれる人なんて麗花ぐらいだろう。むしろ喜ばれるんじゃないか?世の中の男共に。
「麗花ちゃんの彼氏、それがお前の罪なんだよっ!死ねやぁーー!!!」
男は包丁を胸に突き刺した。
誰もいない夜道に血がばらまかれ、男は走って逃げていった。
ははっ、ホントに刺されちまった…案外痛くないものなんだな…
あー、頭が真っ白になっていく…
眠たい…。
これでやっと、父さんと母さんのところに行ける…
たった18年の人生だったが、後悔はないな。
次第に意識が薄れていく…
「キャーーーーーーッ!!!!」
遠くから女の人の悲鳴が聞こえてきた。
「誰かっ!早く救急車を呼んでくれっっ!!」
「呼吸は…まだあるっ!!急げ!!おい、成瀬の坊主!!妹さんがいるんだろう??死ぬなっ!誰が面倒を見るんだ!」
近所の藤久良さんが俺に声をかけてくれた。昔からよく面倒見てくれてたんだよなぁ。
「ーーーすみ…ま、せん…、ふじ、くらさ…ん。お、れ、もう…げ、んかい…で、す…。れ、いかの…こと、お…ねが…い、しますーーーーー。」
「ボウズーーーーーーー!!!!!」
麗花のことも心配がなくなり、安心した賢人はゆっくりと目を閉じ、意識が遠のいていった…
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