転生しました。僕は〈神に選ばれし者〉らしいです…

第1章 幼児〜少年期編

3.僕のお父様！

「そうなんだ…」



「あ、でもリュカ様がお目覚めになられたのでもうすく帰って来られると思いますよ？」



「やった！ねえ、フルール。僕のお父様のこととか色々教えてくれる？」



「かしこまりました。まず、ご主人様は宰相様で、ほぼ毎日王都で過ごされています。また、その敏腕さで先日侯爵に陞爵されました。国外でもその名は高く、国王様の右腕としてこの国を支えておられます。そして、ご主人様には3人の奥様がおられます。第一夫人様はアマリア・フォン・ソルシエ様といいまして、ハウト・フォン・ソルシエ様とカミュ・フォン・ソルシエ様というお子様がいらっしゃいます。今はお二人とも王都の学校に通っていらっしゃり、リュカ様の兄にあたります。そして、第二夫人様はイクシラ・フォン・ソルシエ様といい、リュカ様のお母様でございます。また、リュカ様にはフィリア・フォン・ソルシエ様という姉君がいらっしゃいます。また、第三夫人のエルピス・フォン・ソルシエ様にはお子様はいらっしゃいません。しかし、エルピス様はご主人様の補佐をしておられます。ので、必然的に王都暮らしをされております。」



「へ～。僕のお父様はすごいんだね！じゃあ、この国はどんな国なの？」




「えー、私もまだ詳しいことはわかりませんが、わかる範囲で話させていただきます。まず、この国の名前はヴォルグラーデ。国王様はゼーレン・トート・ヴォルグラーデといい、王妃様はイシス・トート・ヴォルグラーデといいます。王妃様には５人のお子様がおられます。そのうちの１人、ゼノア・トート・ヴォルグラーデ殿下はリュカ様と同い年でございます。そしてこの国は、ファフニエール大陸、通称人族大陸の東に位置しており、とても栄えております。治安は良い方で、軍事力、経済力、技術力全てが大陸で1.2を争うほどだと言われています。また、ご主人様の領土は王都から馬車で2日ほどの距離のところにあります。」



「この国には王様がいるの？」



「はい。この国は貴族制で、王族、大公、公爵、侯爵・辺境伯、伯爵、子爵、男爵、騎士爵に分類されており、大公は国王様の兄弟のみで、あとは伯爵以上が上級貴族、子爵以下が下級貴族となっております。また、騎士爵は当代限りとなっております。そして、貴族当主、つまりはご主人様の家族は準爵という扱いになっており、正式な貴族としては扱われません。しかし、王都の学園に行くと貴族の子息たちが権力を振りかざしているのが当たり前です。私も平民の出なので、貴族と平民の差はよくわかっております。ここまでで何か質問はありますか？」





「この国は戦争してるの…？」





「いえ、現在はしておりません。先々代の国王様の頃に帝国と戦い、お互い消耗し、近隣諸国も巻き込まれ、今は一時休戦の状態となっております。しかし、いつ始まるかわからないので、いま国内では、優秀な軍人を育てるため、魔法学校の難易度が上がっている、ということを以前ご主人様が言っておりました。リュカ様も将来は王都の学園にはいられるでしょう。5歳になればステータスを神様からいただく、洗礼の儀をします。この儀を終えると自分のステータスが表示されるようになります。そして、ほとんどの人は魔法が使えるようになります。イクシラ様は昔、神の愛し子といわれ、四属性もの魔法を操っておられたようですから、リュカ様もきっと良いステータスをいただけるでしょう。」