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第一話 〜種子集め〜
第十三幕 山小屋の娘 その三 ※十八色
狸と娘の淫らな情景が、寧々の意識に再び広がった。それは一瞬のうちに、ばさり、とめくれる。
「ふぇえ……やっぱり……」
寧々の嫌な予感は見事に的中した。やはりここで出てくる景色であれば、こうなるに違いなかった。
好色な三匹の狸と一緒に、別の四匹目の獣がいた。もちろん狸ではない。犬だ。
一体どこからやってきたのか、一匹のみすぼらしい犬が、先ほどの娘に後ろからのしかかっていた。
その腰から生え出た立派な男根は、娘の若い女陰にずっぷりとはまり込んでいる。
よほど気持ちが良いのだろう。犬は、平たい舌をだらんと垂らして、発情のにじむ顔つきで、娘の体を貪るようにしきりに腰を使っている。
のしかかられた娘の顔からは、以前の楽しげな表情がすっかり消え失せていた。うらめしそうに背後の犬を見やりながら、白い額にじっとり汗をにじませて、口唇を震わせている。何度も昇りつめたあとの、官能的な女の顔だ。
寧々の脳裏に、淫らな獣交の記憶が蘇った。獣の匂いを思い出す。荒い息遣いを思い出す。
寧々には、発情《さかり》のついた犬の硬い勃起がその美しい娘の柔らかい内側をどのように埋め尽くしているかがわかった。どのようにかき混ぜているかもわかる。
寧々はいつの間にか自分の姿を情景の娘に重ねていた。娘が犯されるのと一緒に寧々も犬に犯された。情景の中の犬が腰を動かすと、寧々の体に娘の快感が染み入ってくる。だがそれは虚しい快感だった。満たされない体の疼きが、ずくん、ずくん、と大きくなる。
情景が、ふっ、と閉じた。
意識が現実に戻ったとき、寧々はまた四つん這いになり、持ち上げた尻をうち震わせていた。くちゃり、と淫らな音がする。溢れた汁が内ももを濡らしていた。
「おおっ、垂れてきたど」
背後から男たちの声が聞こえた。さらけ出した下半身を後ろから覗き込まれている。
「ああ……いやっ……」
寧々は羞恥でたまらず布団に顔を押し付けた。
寧々は、犬との一夜を思い出して、したたるほどに濡らしていた。
あの夜、犬と番になったのは二度や三度ではない。いかされたのは数え切れない。切れ目なくいかされ続けたのだから、数えようもない。
考えないようにすればするほど、そのはげしい交尾の快感が色鮮やかに蘇り、余計に溢れてくる。
「いやいや、これは、なんともなまめかしい汁の垂れ具合」
「きっとまた、犬としたいんだど」
「拙者どもには都合が良いことではござりますが、姫君殿、そこまで獣姦に興じられるとは、ちと淫奔が過ぎますぞ」
そう言う男たちの声に混ざって、犬の弾む息もすぐ後ろまで来ていた。
「この犬も、また姫君の高貴な体を貪りたいと言ってるど」
「野良犬のくせに、獣の魔羅でこんなに美しい姫君殿を……。なんとうまいことやったものだ」
男たちがうらやましそうに言う。
「姫君殿、いやならいやと言ってくだされてよいのですぞ。なにせ犬の汚く下品な太魔羅で、そのいやらしく濡れそぼった美しい女陰を、ずぶりずぶりとやられるのですからな」
店主の声だ。寧々が拒むことはないと思って、あえて卑猥な言葉を使っているのだ。
寧々の耳元に犬の吐息が近づいた。湿った鼻がすんすんと首筋をなぞる。強くなった獣の匂いで、さらに体が熱くなる。
寧々は、ずるい、と思った。あの快感を味わった体に、この息づかいを聞かされて、この匂いをかがされて、もう拒めるはずがない。
顔を伏せたまま無言の寧々の耳元で、店主が囁いた。
「それでは、姫君殿、またお相手くださいますかな?」
犬のハッ、ハッ、ハッと弾む吐息に、店主の声が重なった。まるで犬がそう言った気がした。
いや、実際に、犬もそう言っていたに違いない。
寧々は、布団につっぷしたまま、こくりと頷いた。
内ももを温かいものがまた垂れていった。
相変わらず犬の手際は良かった。
寧々がうなずくのと同時に、犬はすぐに寧々の腰にのしかかり、その首と胴と四つの肢を巧みに使って、寧々の体をあっという間に絡め取った。交尾を執り行う雄の構えで勝ち誇ったように、ハッ、ハッ、ハッと息を荒げる。
寧々は、その獣の胴の下に組み敷かれた。四つんばいで尻を上げたまま、すっかり身動きができない。もう逃げられない。
――ああ……また、この格好で……
「憧れの体位」だったこの格好は、交尾を許した雌の姿なのだと寧々は思った。しかしそれが、寧々をいっそう淫らな気分にさせた。
寧々の口から諦めと興奮が入り混じったため息が漏れた。
たぬき顔の男たちがごくりと喉を鳴らすのが聞こえた。淫らな交尾が始まるのを、息をも忘れて待っているのだ。
寧々は、期待と興奮が満ちた空気を肌に感じた。
初めて芝居小屋に行ったときのようだと思った。
ざわついていた周囲が静まり、観客の視線が徐々に舞台のほうに向き始める。寧々も、まだ幕が上がらない舞台の上へと視線を向ける。閉ざされた小屋の中に期待と興奮が満ちる。気づけば寧々は両手を握りしめていた。
その雰囲気と似ていると思った。
ただ、今は自分が見られる側にいる。披露するのは、オス犬を連れ伴っての淫らな舞。しかも、演技ではなく、ただひたすらに本気で感じる姿だ。さかった犬ともつれ合い、腰を震わせ、喘ぐ姿を晒のだ。
――ばうっ
頭の後ろから聞こえたその声が、艶舞幕開けの合図となった。
野良犬が、づいづいづい、と腰を振る。その股ぐらが寧々の尻に押しあたる。交尾を求める獣の動きだ。
毛に覆われた股間の鞘が、寧々の肌に擦りつく。犬は、鞘の中に隠れたオスの身を剥き出そうと、器用に腰を動かしていた。まるで寧々のからだの細部に至るまで、その使い方をすっかり心得ているかのようだ。
徐々に剥き出た赤い肉身が、寧々の白い絹肌に擦りついた。
「ああ……」
ぬらりとしたその感触にオスの生殖本能を感じて、寧々は思わず身震いした。
寧々のことを孕ませようとしているのだ。
また存分に突きたくり、昇りつめた隙を狙って、気の済むまで吐精するつもりなのだ。
体の中に勢いよく放出される滾るような精を思い出して、寧々はもう一度、身震いした。
今度は怖気のせいではない。
体がそれをを欲しがっていた。
勝手にその本能を受け入れようとしていた。
気づけば寧々は、犬の方へ尻を突き出していた。
剥き出しになったオスの器官が、突き出された尻の肌をすべるようにその狭間へと向かってきた。
すぐに、生々しい犬の体温が寧々の秘肉に触れる。
「はあんっ」
寧々は思わず声を上げた。
気持ち悪いのに、気持ちがいい。
二つの体温が触れあうたびに、ぬちゅりぬちゃり、と恥ずかしいほど淫らな音がする。
寧々が望む熱いものは、疼く秘口の上を何度も何度も通り過ぎる。
入りそうで入らないのが焦れったい。
背後で犬が、わうっ、と吠えた。
「次の一手はお前の番だ、早くしろ」
そう言って寧々を急かしているように聞こえた。
「……わ、わかったから……んっ……」
寧々は、小さく呟いて、身をよじりながら右手を股の間に差し入れた。
寧々も、あの一夜の長い交わりで、心ならずも、犬との交尾のやりかたを、多少なりとも覚えてしまっていた。
「はあっ……」
伸ばした指先がぬらりと熱い肉塊に触れた。その感触に、からだの奥が、ずくんっ、と疼く。
「なんと、姫君、お手ずから……」
ふいに声が聞こえた。
「いや……っ」
寧々はすっかり夢中になって男たちの視線を忘れてしまっていた。
犬の男根を誘う姿を見られた。その恥ずかしさで、更に強く顔を布団に押し付けた。
「いやぁ……お願い、見ないで……」
寧々は消え入るような声で言った。もちろんそんなことを言ったとしても男たちが見続けるのはわかっている。寧々自身が淫らに差し伸ばした指を戻せないのと同じように……。
その伸ばした指の全体を、熱くて硬い肉塊がなぞるように擦りあげる。
「あああ……」
自分の指が花蕊の内の柔肉の一部になったような気がした。声が漏れる。
男たちの視線が自分に注がれているのはわかっている。
でも、もう我慢できなかった。
寧々は大きく息を吸い込むと、男根に添えたみずからの指に力を込めて、その切っ先を潤んだ花蕊の中心に向けた。
次の瞬間、犬の熱い体温がからだの内側に滑り込んできた。
「あああっ」
寧々の疼きが硬い肉塊で満たされていく。
また犬に犯された――いや、犯させた。
あのとき以来、ずっとこうしたくて、たまらなかったのだ。
犬も、待たせてくれたお仕置きだ、と言わんばかりに、激しく腰を振りたくる。寧々の体を貪るようなその動きには容赦がない。少し膨らみかけた根元のほうまで、寧々の膣内に押し込もうとしてくる。
「いやあっ」
口ではそう言いながら、寧々も尻を後ろに突き出す。
寧々の花蕊の秘肉は、男根を押し付けられるまま、その太い根元を頬張るように広がっていき――
――ずぬりっ
「はぁああっ」
焼けるような塊が寧々のからだに捩じ込まれた。
満たされた花蕊の奥から熱い陶酔が全身に広がる。
犬の体温と寧々の体温が触れて交わり、擦れて高まる。
「もうだめっ……あああっ……いくっ……」
寧々は尻を高く上げたまま、その体を快感に震わせた。
「ひ、姫君っ、犬の太魔羅で、まさか、もう気を遣られて……」
店主が興奮して叫んだ。
「ああ、なんとも淫らで美しい、まさに夢にまで見た艶景色……」
「この色めき、この艶めかしさ……なんとも筆舌に尽くしがたい」
「力が及ばずとも、おいらは画で……」
獣姦で絶頂を迎えた寧々の姿に感動した男たちの声は、寧々の耳には半分も届かない。その大半は、すぐ後ろで吐き出される犬の弾む吐息の音でかき消されている。
それにすべての言葉が届いたとしても、寧々はそれに構ってなどいられなかった。
まだ獣姦の艶舞はようやく始まったばかりなのだ。
「ひぃあっ、ああっ、あんっ……」
オスの器官の激しい抜き差しに、寧々の喘ぎは止まらない。
陰茎の根元の瘤は、寧々の秘肉を荒々しく広げながら、ずるりと膣内へと押し入り、寧々の快感の芯を粗雑にかき乱し、また、荒々しく秘肉を広げて抜けていく。
瘤も幹も、寧々のからだに入ってくるたび、少しずつ大きさを増していく。
寧々は必死にその快感に抗うが、瘤を巧みに使った犬独特の淫らな艶技は、またすぐに寧々を喜悦の高みに押し上げた。
「ああっ、だめッ……あ、あっ、またっ……ああっ……」
寧々は尻を高く上げた姿勢で背中をくうっと弓なりした。そしてすぐに腰を、びくくんっ、と震わせる。続けて、二度、三度……。
絶頂に悶える体の奥で、瘤がさらに膨らんだ。
犬は、その瘤で寧々を離れられなくして、そのままたっぷりと精を吐き出そうとしているのだ。
もちろん、寧々を孕ませるために……。
その犬の狙いはわかっている。それでも、いや、それだからこそ、寧々は右手を後ろに回し、その瘤が抜けてしまわないように犬の腰を押さえつけた。
「姫君殿は、犬とのまぐわいにすっかり慣れておられるな」
「きっと、犬にたっぷり出されたいんだど」
「犬もすっかり慣れておる。姫君殿が獣姦のために手なずけられたに違いない」
男たちの言葉に寧々は力なく首を振った。だが、後ろに回した手には力を込めた。犬の腰を引き寄せて、自分の腰も押し付ける。
犬の下っ腹が寧々の尻にぴったりつくほど、ふたつの体は密着した。
激しく動いていた犬の腰が次第に緩やかになった。
犬の陰茎の瘤は膨らんで。寧々の膣内を埋めつくしていた。
大きくなったのは根元の瘤だけではない。そこから伸びる幹の部分も太さと長さを増していて、その先端は奥までしっかり届いていた。
「ああっ、いいっ……」
犬が腰を震わすたびに寧々の膣内は揺さぶられ、づんっづんっと思い快感が響く。
からだの奥から沸き起こる快感の波で、寧々の意識がふわりと浮いて、腰が淫らに動いてしまう。
「ああっ、いっ……っ……く……」
寧々は昇りつめながら、犬の陰茎を締め付けた。
人間のものとは全く違う、その歪な形がよくわかる。
――だめっ、これ気持ちよすぎる……
また、腰ががくがくと震えた。無意味に足先をばたつかせてしまう。
「ああっ、いくっ……っく……」
寧々の歓喜の声がさらに深くなった。
「あああっ……」
絶頂に喘ぎ続ける寧々の背中に、犬が体を預けてきた。背中の襦袢越しに犬の腹部の短い毛を感じた。体の熱と早打つ鼓動も伝わってくる。
背後から回されている前足も、さらに強く腰に抱きついてきた。寧々は、その抱擁を受け止めるように、両脇にその前足を抱え込む。腰が自然と高く上がり、上からのしかかる犬の重さがそこに集中する。
それがそのまま二つの体の結び合った部分に伝わる。
犬の痩せた体であってもその重さは十分な力となって、犬の男根をさらに深く押し込んだ。瘤は押し込まれながらさらに膨らむ。
「ああっ……だめっ、大きいっ」
まるでその言葉を聞き届けたかように、瘤の膨張が止まった。あとちょっとでも膨らめば苦しく感じる、その直前の絶妙な大きさで留まっている。
押し込まれた先端も、寧々の体を知り尽くしたかのような絶妙な力具合で擦りついている。
「ああっ、すごいっ……いいっ……またいくっ……ああっ……」
寧々と野良犬は、完全に交尾の形で重なった。
丸々と膨らんだ瘤が楔になって、もう離れたくても離れられない。雄の欲望が尽きるまで従うしかない雌の格好だ。
埋め込まれた陰茎が寧々の膣内で跳ねた。
「ああっ……いやっ、動かさないで…………」
今度の言葉は聞き届けられなかった。
野良犬の陰茎が何度も上下に動く。精を放つ場所を確認しているかのように、寧々の最奥を擦り続ける。
いびつな性器の先端は憎らしいほど的確に、寧々の奥の一点を仕留めていた。もしもいま人間の精がそんなところで放たれたら間違いなく孕んでしまう、そんな一点に犬の剥き出しの性器がぴったりくっつき、こねほぐすように抉ってくる。獣の性欲を満たそうとするそのひと抉りひと抉りが、意識が飛んでしまうほど気持ちがいい。
「あああっ、だめっ、ああっ……」
快感で白く濁る意識の端で、犬のくせに、と思いながら、寧々はきゅっと陰茎を締めつけた。
――そこに出していいから……そこがいいから……
犬の体が気持ち良さそうに、ぶるっ、と震えた。
次の瞬間、滾ぎるような熱い奔流が、寧々の最奥にぶつかった。
「ああっ……いくッ……」
満たされた寧々の体が震えた。
わななく花蕊の内側が、放たれた精をさらに奥へと誘い込んだ。
「あああっ……もうっ……ああっ、いいっ……いくっ……」
犬の太く長い陰茎は、寧々の膣内の快感の芯に隙間なく密着し、まるで別の生き物のようにのたくっていた。
傍から見ると野良犬の体の動きは止まっているにも関わらず、寧々は激しく喘ぎ続けている。
獣姦の艶舞は、「静の中の動」に変わっていた。
交わっているふたりだけにしか分からない快感のやりとりが行われている。
膨れた瘤は、犬の鼓動で揺れながら、入り口付近の快感の芯を押しつぶし、硬い先端は、奥の芯を抉りながら、力強く放精を繰り返す。
寧々は、その身を何度も何度も震わせながら、犬の陰茎を締め付ける。犬が気持ち良さそうに、また熱い滾りを吐き出す。
「あああっ、もう……いく、いっちゃうからっ……ああっ……いくッ……」
絶頂の中で寧々の体が、硬直と弛緩を何度も繰り返した。尻を高く上げた格好で、腰が前後にびくくんっと痙攣する。
「……あぉう」
喉の奥から絞り出すような品のない喘ぎが漏れてしまう。恥ずかしくて口を押さえた。
もうそんな声は出すまいと必死に喘ぎを我慢する。
「はぅ……ひッ……ぃ……く……っ」
寧々の白い尻が幾度となくと震えた。寧々の口からは声にならない喘ぎが漏れ続けていた。
「いやああっ」
寧々の膣内の熱い塊が、ぬりっ、とねじれた。たまらず寧々の口から悲鳴のような喘ぎが漏れる。
犬は体をゆすって、寧々の背中から降りようとしていた。もちろん、その男根を深く埋め込んだままだ。
それは艶舞の後半に入る合図だった。獣姦がもたらす裏の快感が始まろうとしていた。
犬がまた動いた。
「あああっ、ちょっとっ、待ってッ……」
みっちりと膣内を塞ぐ巨大な異物が向きを変える。身体の奥がねじれそうになる。
「ああっ、お願い、もっと……ゆっくり――」
――ぬりっ
寧々の言葉を遮るように、犬はさらに体をひねった。寧々の体を後ろ足でまたぐような格好だ。
「いやああっ、あああっ」
ひねりに合わせて瘤がねじれ、膣壁が無理矢理に押し広がる。
「あああっ、だめっ……」
犬の尻に引っ張られて、寧々のからだの重心が乱れた。瘤の位置がゆがみ、寧々の膣壁が違う方向に引っ張られる。
痛みに変わるぎりぎり手前の圧迫感が快感の芯を襲う。
「ひぐぅっ……だめえええっ……いくッ……ああぅ…」
――ぷしうっ
広がった結合部分のわずかにできた隙間から、寧々のなかで行き場を失っていた液体が勢い良く押し出された。水気の多い犬の精液が、どろりと白濁した寧々の汁と絡まり垂れて、布団に染みを作っていく。
――ぬりりっ
「いやあああああっ……」
最後に大きく瘤がねじれ、ようやく犬の姿勢が落ち着いた。
寧々は野良犬と尻あわせの格好になってしまった。
表向きはお互い興味がないようにそっぽを向いておきながら、その陰で雄と雌の秘められた蕊は密かに睦まじく交わっている。そんな淫ら極まりない姿勢だ。
当然、姿勢が落ち着いたとて、快感が落ち着くことはない。落ち着くどころか、新たな快感が沸き起こる。
「ああっ……すごい、いいっ……」
犬の男根のいびつな凹凸が、その上下をぐるっとひっくり返して、また違ったふうにかき混ぜてくる。
瘤の天地は裏返り、さっきと違う凹凸で寧々の浅い芯を押し広げ、また小刻みに揺らしてくる。
幹の天地も裏返る。下から上への跳ね上げを、上から下への掻きおろすような動きに変えて、またその硬い先端で寧々の感じる最奥の芯を抉りだす。
ただ、天地はぐるりと変わっても、激しい射精は止まらない。
犬はうれしそうに息を弾ませながら、ふたたび瘤で結合部分をみっちり塞いで、寧々の奥に放精する。陰茎の先の吐精の口を、寧々の最奥の一点に、直に押しあて抉りながら、びゅうっ、びゅうっと放ってくる。その勢いは、全く弱まる気配がない。滾る精は容赦なく、何度も何度も奥にぶつかる。
「ああっ……これだめっ、こんなのずるいっ、ああっ……いいっ……」
寧々は、目眩く快感になす術なく布団にうずくまって、高く上げた尻を震わすことしかできなかった。
「ああ、だめだめっ、またいくっ……ああっ、ゆるして……おねがい……もういってるから……あああ……」
新たな快感の連続に、寧々のからだはまた喜悦に震えていた。
犬に許しを請いながら、その精を受け続ける。
花蕊の奥は、もう犬の精にまみれて溺れていた。
布団に伏せた顔は、涙や涎や鼻汁でぐしゃぐしゃになっている。
それでも獣姦の艶舞は終わらない。
寧々は、うずくまって尻だけ犬に差し出したまま、布団の敷布をぎゅっと握りしめる。
「ああっ……い……くッ……あぁ……また……いくッ……あぉうッ……」
また昇りつめた。
高く上げた尻が、びくくんっ、と淫らに痙攣する。その腰のくねりで寧々はみずから奥の芯に、陰茎の先端を強く擦りつけてしまう。同時に、太い瘤を締め付ける。膣内の快感の芯が擦れて体が歓喜する。
みずからの動きが途切れなく快感を生み出してしまう。
こうなったらもう止まらない。絶頂が無限に連鎖して、寧々はまた昇りつめたままになる。
「ああっ、もう、いってるっ……まだ、いってるってばっ……ああっ」
人間が相手のときとは全く逆だ。寧々のほうが、いってもいっても、いかされ続ける。体が勝手にいき続ける。
こんな快楽は人間からは味わえない。
「ごめんなさいっ、もうゆるしてッ……ああっ……ああっ、ぃくっ……」
寧々は喜悦の高みで震え続けた。
恥ずかしいほど激しく淫らに。
何度も、何度も、何度も……。
「もう、むり、む……ひぃ……ああっ」
寧々は絶頂の波にさらわれ続けていた。もうどこが絶頂の切れ目かすら分からないほど、快感の高みにとどまっている。
自分がどれだけ体を震わせたのか分からなかった。どれだけ注ぎ込まれたかも分からない。ただ体の中は、もうオス犬の精でいっぱいだった。
それでも熱い滾りは体の中に放たれ続けた。
「ひぃ……っくッ……」
寧々の意識は、快感の渦の中で白く続けた。
気がつけば、射精の勢いがやや弱まっていた。
背後の犬が満足そうに小さく唸り、寧々から遠ざかるように歩を進めた。艶舞の終わりの合図だった。
そこで最後の羞恥と快感が訪れる。
「これ、いやあっ……ああっ」
からだの内側から瘤に引っ張られた。後ろに引きずられそうになる。後ろ向きで犬に従うような恥ずかしい姿だ。
引っ張られて窪みの縁が広がる。萎みつつあるとはいえまだ十分に大きい瘤が、体を内側からこじ開けてくる。
たまらず寧々も尻を突き出すが、間に合わない。
瘤が、ずずっ、とにじり出る。
「ああああっ、いやああっ……」
――ずるりっ
瘤が抜けると同時に、寧々がまた達した。どぷりっと卑猥な音がして、寧々の膣内から大量の精液が流れ出る。
肉の楔から解き放たれた寧々の体は、そのままうつ伏せに崩れた。
花蕊からだらりだらりと垂れ続ける犬の精液が、太ももの内側をつたって布団に新たな染みを作っていた。
寧々は、疲れ切って動けなかった。もう獣姦の艶舞の幕は下りた。
そのはずだった。
ぐったりする寧々の隣に犬が歩み寄ってきた。体の下に鼻先をいれて押し上げようとする。
まさかこの前みたいに、また求めてきたかと思ってしまうが、どうやら違う。うつ伏せの寧々に、仰向けになるよう急かしているようだ。
この犬のことだ、なにかみだりがわしい企みがあるに決まっている。
「……ちょっとは休ませてよ……」
寧々はそう言いながらも、促されるまま仰向けになった。
犬が寧々の頭のまたぐように覆いかぶさり、寧々の股間にその鼻先をすり寄せた。太ももに舌の感触を感じたそのとき――。
ぬろんっ、と目の前にいびつな影が飛び出してきた。
「いやああぁっ……」
股間への刺激よりも、目の前に突きつけられた、そのおぞましいものに悲鳴を上げた。
寧々は、それを目にするのは初めてだった。
肉の色をした、太い長茄子のような薩摩芋のような、いびつなかたちの肉塊だ。根元には柘榴のような丸い瘤がある。
それが、まだ大きいまま、重たそうに垂れ下がり、その切っ先を寧々に向け、力強く、びくんびくんと脈打っていた。
初めて見る犬の性器は、なんともおぞましく、そしてなんともいやらしい。
――こ、こんなものが……私の膣内に……
その凶悪な色と形の異物が根元まで深く体内に入っていたのかと愕然とした。
だが寧々は、その異形の男根から目が離せない。先端から根元まで何度も何度も視線を這わす。
そのいびつかたちが、下腹に残る感覚と次第に重なる。さっきまでの快感がじわりじわりと蘇る。
最初に感じたおぞましさはいつのまにか消えていた。
「こんなの……」
寧々は小さく呟いた。続く言葉は熱い吐息にかわってしまう。
――こんなの、ずるい……気持ちよくなるに決まっているから……
そのとき寧々の頬に、ぽたり、と熱い滴が落ちた。
「いやっ……」
反射的に寧々は顔を逸らした。
目の前でびくんびくんと脈打つ陰茎の切っ先から、精のしずくが垂れてきたのだ。頬に垂れた精が肌を伝って流れる。その感触が、妖しいほどにくすぐったい。
今度は寧々の内ももを、犬が、べろり、と舐め上げた。敏感な肌の上を平べったい舌の感触がが這いまわる。
寧々の薄く整った口唇から熱い吐息が漏れ始める。
同時に、またぽたりと雫が垂れた。喘ぐ寧々の口元が、犬の精で濡れた。
「ああっ……」
寧々は白い太ももを広げた。両手の指を秘唇に添えて花蕊の襞を広げた。犬の舌が寧々の望む場所をを的確に舐めてきた。
寧々の口唇が、切なく震えて少し広がった。
そのわずかな隙間に、熱い雫が、ぽたり、ぽたりと垂れ続けていた。
~ 第十三幕 了 ~
「ふぇえ……やっぱり……」
寧々の嫌な予感は見事に的中した。やはりここで出てくる景色であれば、こうなるに違いなかった。
好色な三匹の狸と一緒に、別の四匹目の獣がいた。もちろん狸ではない。犬だ。
一体どこからやってきたのか、一匹のみすぼらしい犬が、先ほどの娘に後ろからのしかかっていた。
その腰から生え出た立派な男根は、娘の若い女陰にずっぷりとはまり込んでいる。
よほど気持ちが良いのだろう。犬は、平たい舌をだらんと垂らして、発情のにじむ顔つきで、娘の体を貪るようにしきりに腰を使っている。
のしかかられた娘の顔からは、以前の楽しげな表情がすっかり消え失せていた。うらめしそうに背後の犬を見やりながら、白い額にじっとり汗をにじませて、口唇を震わせている。何度も昇りつめたあとの、官能的な女の顔だ。
寧々の脳裏に、淫らな獣交の記憶が蘇った。獣の匂いを思い出す。荒い息遣いを思い出す。
寧々には、発情《さかり》のついた犬の硬い勃起がその美しい娘の柔らかい内側をどのように埋め尽くしているかがわかった。どのようにかき混ぜているかもわかる。
寧々はいつの間にか自分の姿を情景の娘に重ねていた。娘が犯されるのと一緒に寧々も犬に犯された。情景の中の犬が腰を動かすと、寧々の体に娘の快感が染み入ってくる。だがそれは虚しい快感だった。満たされない体の疼きが、ずくん、ずくん、と大きくなる。
情景が、ふっ、と閉じた。
意識が現実に戻ったとき、寧々はまた四つん這いになり、持ち上げた尻をうち震わせていた。くちゃり、と淫らな音がする。溢れた汁が内ももを濡らしていた。
「おおっ、垂れてきたど」
背後から男たちの声が聞こえた。さらけ出した下半身を後ろから覗き込まれている。
「ああ……いやっ……」
寧々は羞恥でたまらず布団に顔を押し付けた。
寧々は、犬との一夜を思い出して、したたるほどに濡らしていた。
あの夜、犬と番になったのは二度や三度ではない。いかされたのは数え切れない。切れ目なくいかされ続けたのだから、数えようもない。
考えないようにすればするほど、そのはげしい交尾の快感が色鮮やかに蘇り、余計に溢れてくる。
「いやいや、これは、なんともなまめかしい汁の垂れ具合」
「きっとまた、犬としたいんだど」
「拙者どもには都合が良いことではござりますが、姫君殿、そこまで獣姦に興じられるとは、ちと淫奔が過ぎますぞ」
そう言う男たちの声に混ざって、犬の弾む息もすぐ後ろまで来ていた。
「この犬も、また姫君の高貴な体を貪りたいと言ってるど」
「野良犬のくせに、獣の魔羅でこんなに美しい姫君殿を……。なんとうまいことやったものだ」
男たちがうらやましそうに言う。
「姫君殿、いやならいやと言ってくだされてよいのですぞ。なにせ犬の汚く下品な太魔羅で、そのいやらしく濡れそぼった美しい女陰を、ずぶりずぶりとやられるのですからな」
店主の声だ。寧々が拒むことはないと思って、あえて卑猥な言葉を使っているのだ。
寧々の耳元に犬の吐息が近づいた。湿った鼻がすんすんと首筋をなぞる。強くなった獣の匂いで、さらに体が熱くなる。
寧々は、ずるい、と思った。あの快感を味わった体に、この息づかいを聞かされて、この匂いをかがされて、もう拒めるはずがない。
顔を伏せたまま無言の寧々の耳元で、店主が囁いた。
「それでは、姫君殿、またお相手くださいますかな?」
犬のハッ、ハッ、ハッと弾む吐息に、店主の声が重なった。まるで犬がそう言った気がした。
いや、実際に、犬もそう言っていたに違いない。
寧々は、布団につっぷしたまま、こくりと頷いた。
内ももを温かいものがまた垂れていった。
相変わらず犬の手際は良かった。
寧々がうなずくのと同時に、犬はすぐに寧々の腰にのしかかり、その首と胴と四つの肢を巧みに使って、寧々の体をあっという間に絡め取った。交尾を執り行う雄の構えで勝ち誇ったように、ハッ、ハッ、ハッと息を荒げる。
寧々は、その獣の胴の下に組み敷かれた。四つんばいで尻を上げたまま、すっかり身動きができない。もう逃げられない。
――ああ……また、この格好で……
「憧れの体位」だったこの格好は、交尾を許した雌の姿なのだと寧々は思った。しかしそれが、寧々をいっそう淫らな気分にさせた。
寧々の口から諦めと興奮が入り混じったため息が漏れた。
たぬき顔の男たちがごくりと喉を鳴らすのが聞こえた。淫らな交尾が始まるのを、息をも忘れて待っているのだ。
寧々は、期待と興奮が満ちた空気を肌に感じた。
初めて芝居小屋に行ったときのようだと思った。
ざわついていた周囲が静まり、観客の視線が徐々に舞台のほうに向き始める。寧々も、まだ幕が上がらない舞台の上へと視線を向ける。閉ざされた小屋の中に期待と興奮が満ちる。気づけば寧々は両手を握りしめていた。
その雰囲気と似ていると思った。
ただ、今は自分が見られる側にいる。披露するのは、オス犬を連れ伴っての淫らな舞。しかも、演技ではなく、ただひたすらに本気で感じる姿だ。さかった犬ともつれ合い、腰を震わせ、喘ぐ姿を晒のだ。
――ばうっ
頭の後ろから聞こえたその声が、艶舞幕開けの合図となった。
野良犬が、づいづいづい、と腰を振る。その股ぐらが寧々の尻に押しあたる。交尾を求める獣の動きだ。
毛に覆われた股間の鞘が、寧々の肌に擦りつく。犬は、鞘の中に隠れたオスの身を剥き出そうと、器用に腰を動かしていた。まるで寧々のからだの細部に至るまで、その使い方をすっかり心得ているかのようだ。
徐々に剥き出た赤い肉身が、寧々の白い絹肌に擦りついた。
「ああ……」
ぬらりとしたその感触にオスの生殖本能を感じて、寧々は思わず身震いした。
寧々のことを孕ませようとしているのだ。
また存分に突きたくり、昇りつめた隙を狙って、気の済むまで吐精するつもりなのだ。
体の中に勢いよく放出される滾るような精を思い出して、寧々はもう一度、身震いした。
今度は怖気のせいではない。
体がそれをを欲しがっていた。
勝手にその本能を受け入れようとしていた。
気づけば寧々は、犬の方へ尻を突き出していた。
剥き出しになったオスの器官が、突き出された尻の肌をすべるようにその狭間へと向かってきた。
すぐに、生々しい犬の体温が寧々の秘肉に触れる。
「はあんっ」
寧々は思わず声を上げた。
気持ち悪いのに、気持ちがいい。
二つの体温が触れあうたびに、ぬちゅりぬちゃり、と恥ずかしいほど淫らな音がする。
寧々が望む熱いものは、疼く秘口の上を何度も何度も通り過ぎる。
入りそうで入らないのが焦れったい。
背後で犬が、わうっ、と吠えた。
「次の一手はお前の番だ、早くしろ」
そう言って寧々を急かしているように聞こえた。
「……わ、わかったから……んっ……」
寧々は、小さく呟いて、身をよじりながら右手を股の間に差し入れた。
寧々も、あの一夜の長い交わりで、心ならずも、犬との交尾のやりかたを、多少なりとも覚えてしまっていた。
「はあっ……」
伸ばした指先がぬらりと熱い肉塊に触れた。その感触に、からだの奥が、ずくんっ、と疼く。
「なんと、姫君、お手ずから……」
ふいに声が聞こえた。
「いや……っ」
寧々はすっかり夢中になって男たちの視線を忘れてしまっていた。
犬の男根を誘う姿を見られた。その恥ずかしさで、更に強く顔を布団に押し付けた。
「いやぁ……お願い、見ないで……」
寧々は消え入るような声で言った。もちろんそんなことを言ったとしても男たちが見続けるのはわかっている。寧々自身が淫らに差し伸ばした指を戻せないのと同じように……。
その伸ばした指の全体を、熱くて硬い肉塊がなぞるように擦りあげる。
「あああ……」
自分の指が花蕊の内の柔肉の一部になったような気がした。声が漏れる。
男たちの視線が自分に注がれているのはわかっている。
でも、もう我慢できなかった。
寧々は大きく息を吸い込むと、男根に添えたみずからの指に力を込めて、その切っ先を潤んだ花蕊の中心に向けた。
次の瞬間、犬の熱い体温がからだの内側に滑り込んできた。
「あああっ」
寧々の疼きが硬い肉塊で満たされていく。
また犬に犯された――いや、犯させた。
あのとき以来、ずっとこうしたくて、たまらなかったのだ。
犬も、待たせてくれたお仕置きだ、と言わんばかりに、激しく腰を振りたくる。寧々の体を貪るようなその動きには容赦がない。少し膨らみかけた根元のほうまで、寧々の膣内に押し込もうとしてくる。
「いやあっ」
口ではそう言いながら、寧々も尻を後ろに突き出す。
寧々の花蕊の秘肉は、男根を押し付けられるまま、その太い根元を頬張るように広がっていき――
――ずぬりっ
「はぁああっ」
焼けるような塊が寧々のからだに捩じ込まれた。
満たされた花蕊の奥から熱い陶酔が全身に広がる。
犬の体温と寧々の体温が触れて交わり、擦れて高まる。
「もうだめっ……あああっ……いくっ……」
寧々は尻を高く上げたまま、その体を快感に震わせた。
「ひ、姫君っ、犬の太魔羅で、まさか、もう気を遣られて……」
店主が興奮して叫んだ。
「ああ、なんとも淫らで美しい、まさに夢にまで見た艶景色……」
「この色めき、この艶めかしさ……なんとも筆舌に尽くしがたい」
「力が及ばずとも、おいらは画で……」
獣姦で絶頂を迎えた寧々の姿に感動した男たちの声は、寧々の耳には半分も届かない。その大半は、すぐ後ろで吐き出される犬の弾む吐息の音でかき消されている。
それにすべての言葉が届いたとしても、寧々はそれに構ってなどいられなかった。
まだ獣姦の艶舞はようやく始まったばかりなのだ。
「ひぃあっ、ああっ、あんっ……」
オスの器官の激しい抜き差しに、寧々の喘ぎは止まらない。
陰茎の根元の瘤は、寧々の秘肉を荒々しく広げながら、ずるりと膣内へと押し入り、寧々の快感の芯を粗雑にかき乱し、また、荒々しく秘肉を広げて抜けていく。
瘤も幹も、寧々のからだに入ってくるたび、少しずつ大きさを増していく。
寧々は必死にその快感に抗うが、瘤を巧みに使った犬独特の淫らな艶技は、またすぐに寧々を喜悦の高みに押し上げた。
「ああっ、だめッ……あ、あっ、またっ……ああっ……」
寧々は尻を高く上げた姿勢で背中をくうっと弓なりした。そしてすぐに腰を、びくくんっ、と震わせる。続けて、二度、三度……。
絶頂に悶える体の奥で、瘤がさらに膨らんだ。
犬は、その瘤で寧々を離れられなくして、そのままたっぷりと精を吐き出そうとしているのだ。
もちろん、寧々を孕ませるために……。
その犬の狙いはわかっている。それでも、いや、それだからこそ、寧々は右手を後ろに回し、その瘤が抜けてしまわないように犬の腰を押さえつけた。
「姫君殿は、犬とのまぐわいにすっかり慣れておられるな」
「きっと、犬にたっぷり出されたいんだど」
「犬もすっかり慣れておる。姫君殿が獣姦のために手なずけられたに違いない」
男たちの言葉に寧々は力なく首を振った。だが、後ろに回した手には力を込めた。犬の腰を引き寄せて、自分の腰も押し付ける。
犬の下っ腹が寧々の尻にぴったりつくほど、ふたつの体は密着した。
激しく動いていた犬の腰が次第に緩やかになった。
犬の陰茎の瘤は膨らんで。寧々の膣内を埋めつくしていた。
大きくなったのは根元の瘤だけではない。そこから伸びる幹の部分も太さと長さを増していて、その先端は奥までしっかり届いていた。
「ああっ、いいっ……」
犬が腰を震わすたびに寧々の膣内は揺さぶられ、づんっづんっと思い快感が響く。
からだの奥から沸き起こる快感の波で、寧々の意識がふわりと浮いて、腰が淫らに動いてしまう。
「ああっ、いっ……っ……く……」
寧々は昇りつめながら、犬の陰茎を締め付けた。
人間のものとは全く違う、その歪な形がよくわかる。
――だめっ、これ気持ちよすぎる……
また、腰ががくがくと震えた。無意味に足先をばたつかせてしまう。
「ああっ、いくっ……っく……」
寧々の歓喜の声がさらに深くなった。
「あああっ……」
絶頂に喘ぎ続ける寧々の背中に、犬が体を預けてきた。背中の襦袢越しに犬の腹部の短い毛を感じた。体の熱と早打つ鼓動も伝わってくる。
背後から回されている前足も、さらに強く腰に抱きついてきた。寧々は、その抱擁を受け止めるように、両脇にその前足を抱え込む。腰が自然と高く上がり、上からのしかかる犬の重さがそこに集中する。
それがそのまま二つの体の結び合った部分に伝わる。
犬の痩せた体であってもその重さは十分な力となって、犬の男根をさらに深く押し込んだ。瘤は押し込まれながらさらに膨らむ。
「ああっ……だめっ、大きいっ」
まるでその言葉を聞き届けたかように、瘤の膨張が止まった。あとちょっとでも膨らめば苦しく感じる、その直前の絶妙な大きさで留まっている。
押し込まれた先端も、寧々の体を知り尽くしたかのような絶妙な力具合で擦りついている。
「ああっ、すごいっ……いいっ……またいくっ……ああっ……」
寧々と野良犬は、完全に交尾の形で重なった。
丸々と膨らんだ瘤が楔になって、もう離れたくても離れられない。雄の欲望が尽きるまで従うしかない雌の格好だ。
埋め込まれた陰茎が寧々の膣内で跳ねた。
「ああっ……いやっ、動かさないで…………」
今度の言葉は聞き届けられなかった。
野良犬の陰茎が何度も上下に動く。精を放つ場所を確認しているかのように、寧々の最奥を擦り続ける。
いびつな性器の先端は憎らしいほど的確に、寧々の奥の一点を仕留めていた。もしもいま人間の精がそんなところで放たれたら間違いなく孕んでしまう、そんな一点に犬の剥き出しの性器がぴったりくっつき、こねほぐすように抉ってくる。獣の性欲を満たそうとするそのひと抉りひと抉りが、意識が飛んでしまうほど気持ちがいい。
「あああっ、だめっ、ああっ……」
快感で白く濁る意識の端で、犬のくせに、と思いながら、寧々はきゅっと陰茎を締めつけた。
――そこに出していいから……そこがいいから……
犬の体が気持ち良さそうに、ぶるっ、と震えた。
次の瞬間、滾ぎるような熱い奔流が、寧々の最奥にぶつかった。
「ああっ……いくッ……」
満たされた寧々の体が震えた。
わななく花蕊の内側が、放たれた精をさらに奥へと誘い込んだ。
「あああっ……もうっ……ああっ、いいっ……いくっ……」
犬の太く長い陰茎は、寧々の膣内の快感の芯に隙間なく密着し、まるで別の生き物のようにのたくっていた。
傍から見ると野良犬の体の動きは止まっているにも関わらず、寧々は激しく喘ぎ続けている。
獣姦の艶舞は、「静の中の動」に変わっていた。
交わっているふたりだけにしか分からない快感のやりとりが行われている。
膨れた瘤は、犬の鼓動で揺れながら、入り口付近の快感の芯を押しつぶし、硬い先端は、奥の芯を抉りながら、力強く放精を繰り返す。
寧々は、その身を何度も何度も震わせながら、犬の陰茎を締め付ける。犬が気持ち良さそうに、また熱い滾りを吐き出す。
「あああっ、もう……いく、いっちゃうからっ……ああっ……いくッ……」
絶頂の中で寧々の体が、硬直と弛緩を何度も繰り返した。尻を高く上げた格好で、腰が前後にびくくんっと痙攣する。
「……あぉう」
喉の奥から絞り出すような品のない喘ぎが漏れてしまう。恥ずかしくて口を押さえた。
もうそんな声は出すまいと必死に喘ぎを我慢する。
「はぅ……ひッ……ぃ……く……っ」
寧々の白い尻が幾度となくと震えた。寧々の口からは声にならない喘ぎが漏れ続けていた。
「いやああっ」
寧々の膣内の熱い塊が、ぬりっ、とねじれた。たまらず寧々の口から悲鳴のような喘ぎが漏れる。
犬は体をゆすって、寧々の背中から降りようとしていた。もちろん、その男根を深く埋め込んだままだ。
それは艶舞の後半に入る合図だった。獣姦がもたらす裏の快感が始まろうとしていた。
犬がまた動いた。
「あああっ、ちょっとっ、待ってッ……」
みっちりと膣内を塞ぐ巨大な異物が向きを変える。身体の奥がねじれそうになる。
「ああっ、お願い、もっと……ゆっくり――」
――ぬりっ
寧々の言葉を遮るように、犬はさらに体をひねった。寧々の体を後ろ足でまたぐような格好だ。
「いやああっ、あああっ」
ひねりに合わせて瘤がねじれ、膣壁が無理矢理に押し広がる。
「あああっ、だめっ……」
犬の尻に引っ張られて、寧々のからだの重心が乱れた。瘤の位置がゆがみ、寧々の膣壁が違う方向に引っ張られる。
痛みに変わるぎりぎり手前の圧迫感が快感の芯を襲う。
「ひぐぅっ……だめえええっ……いくッ……ああぅ…」
――ぷしうっ
広がった結合部分のわずかにできた隙間から、寧々のなかで行き場を失っていた液体が勢い良く押し出された。水気の多い犬の精液が、どろりと白濁した寧々の汁と絡まり垂れて、布団に染みを作っていく。
――ぬりりっ
「いやあああああっ……」
最後に大きく瘤がねじれ、ようやく犬の姿勢が落ち着いた。
寧々は野良犬と尻あわせの格好になってしまった。
表向きはお互い興味がないようにそっぽを向いておきながら、その陰で雄と雌の秘められた蕊は密かに睦まじく交わっている。そんな淫ら極まりない姿勢だ。
当然、姿勢が落ち着いたとて、快感が落ち着くことはない。落ち着くどころか、新たな快感が沸き起こる。
「ああっ……すごい、いいっ……」
犬の男根のいびつな凹凸が、その上下をぐるっとひっくり返して、また違ったふうにかき混ぜてくる。
瘤の天地は裏返り、さっきと違う凹凸で寧々の浅い芯を押し広げ、また小刻みに揺らしてくる。
幹の天地も裏返る。下から上への跳ね上げを、上から下への掻きおろすような動きに変えて、またその硬い先端で寧々の感じる最奥の芯を抉りだす。
ただ、天地はぐるりと変わっても、激しい射精は止まらない。
犬はうれしそうに息を弾ませながら、ふたたび瘤で結合部分をみっちり塞いで、寧々の奥に放精する。陰茎の先の吐精の口を、寧々の最奥の一点に、直に押しあて抉りながら、びゅうっ、びゅうっと放ってくる。その勢いは、全く弱まる気配がない。滾る精は容赦なく、何度も何度も奥にぶつかる。
「ああっ……これだめっ、こんなのずるいっ、ああっ……いいっ……」
寧々は、目眩く快感になす術なく布団にうずくまって、高く上げた尻を震わすことしかできなかった。
「ああ、だめだめっ、またいくっ……ああっ、ゆるして……おねがい……もういってるから……あああ……」
新たな快感の連続に、寧々のからだはまた喜悦に震えていた。
犬に許しを請いながら、その精を受け続ける。
花蕊の奥は、もう犬の精にまみれて溺れていた。
布団に伏せた顔は、涙や涎や鼻汁でぐしゃぐしゃになっている。
それでも獣姦の艶舞は終わらない。
寧々は、うずくまって尻だけ犬に差し出したまま、布団の敷布をぎゅっと握りしめる。
「ああっ……い……くッ……あぁ……また……いくッ……あぉうッ……」
また昇りつめた。
高く上げた尻が、びくくんっ、と淫らに痙攣する。その腰のくねりで寧々はみずから奥の芯に、陰茎の先端を強く擦りつけてしまう。同時に、太い瘤を締め付ける。膣内の快感の芯が擦れて体が歓喜する。
みずからの動きが途切れなく快感を生み出してしまう。
こうなったらもう止まらない。絶頂が無限に連鎖して、寧々はまた昇りつめたままになる。
「ああっ、もう、いってるっ……まだ、いってるってばっ……ああっ」
人間が相手のときとは全く逆だ。寧々のほうが、いってもいっても、いかされ続ける。体が勝手にいき続ける。
こんな快楽は人間からは味わえない。
「ごめんなさいっ、もうゆるしてッ……ああっ……ああっ、ぃくっ……」
寧々は喜悦の高みで震え続けた。
恥ずかしいほど激しく淫らに。
何度も、何度も、何度も……。
「もう、むり、む……ひぃ……ああっ」
寧々は絶頂の波にさらわれ続けていた。もうどこが絶頂の切れ目かすら分からないほど、快感の高みにとどまっている。
自分がどれだけ体を震わせたのか分からなかった。どれだけ注ぎ込まれたかも分からない。ただ体の中は、もうオス犬の精でいっぱいだった。
それでも熱い滾りは体の中に放たれ続けた。
「ひぃ……っくッ……」
寧々の意識は、快感の渦の中で白く続けた。
気がつけば、射精の勢いがやや弱まっていた。
背後の犬が満足そうに小さく唸り、寧々から遠ざかるように歩を進めた。艶舞の終わりの合図だった。
そこで最後の羞恥と快感が訪れる。
「これ、いやあっ……ああっ」
からだの内側から瘤に引っ張られた。後ろに引きずられそうになる。後ろ向きで犬に従うような恥ずかしい姿だ。
引っ張られて窪みの縁が広がる。萎みつつあるとはいえまだ十分に大きい瘤が、体を内側からこじ開けてくる。
たまらず寧々も尻を突き出すが、間に合わない。
瘤が、ずずっ、とにじり出る。
「ああああっ、いやああっ……」
――ずるりっ
瘤が抜けると同時に、寧々がまた達した。どぷりっと卑猥な音がして、寧々の膣内から大量の精液が流れ出る。
肉の楔から解き放たれた寧々の体は、そのままうつ伏せに崩れた。
花蕊からだらりだらりと垂れ続ける犬の精液が、太ももの内側をつたって布団に新たな染みを作っていた。
寧々は、疲れ切って動けなかった。もう獣姦の艶舞の幕は下りた。
そのはずだった。
ぐったりする寧々の隣に犬が歩み寄ってきた。体の下に鼻先をいれて押し上げようとする。
まさかこの前みたいに、また求めてきたかと思ってしまうが、どうやら違う。うつ伏せの寧々に、仰向けになるよう急かしているようだ。
この犬のことだ、なにかみだりがわしい企みがあるに決まっている。
「……ちょっとは休ませてよ……」
寧々はそう言いながらも、促されるまま仰向けになった。
犬が寧々の頭のまたぐように覆いかぶさり、寧々の股間にその鼻先をすり寄せた。太ももに舌の感触を感じたそのとき――。
ぬろんっ、と目の前にいびつな影が飛び出してきた。
「いやああぁっ……」
股間への刺激よりも、目の前に突きつけられた、そのおぞましいものに悲鳴を上げた。
寧々は、それを目にするのは初めてだった。
肉の色をした、太い長茄子のような薩摩芋のような、いびつなかたちの肉塊だ。根元には柘榴のような丸い瘤がある。
それが、まだ大きいまま、重たそうに垂れ下がり、その切っ先を寧々に向け、力強く、びくんびくんと脈打っていた。
初めて見る犬の性器は、なんともおぞましく、そしてなんともいやらしい。
――こ、こんなものが……私の膣内に……
その凶悪な色と形の異物が根元まで深く体内に入っていたのかと愕然とした。
だが寧々は、その異形の男根から目が離せない。先端から根元まで何度も何度も視線を這わす。
そのいびつかたちが、下腹に残る感覚と次第に重なる。さっきまでの快感がじわりじわりと蘇る。
最初に感じたおぞましさはいつのまにか消えていた。
「こんなの……」
寧々は小さく呟いた。続く言葉は熱い吐息にかわってしまう。
――こんなの、ずるい……気持ちよくなるに決まっているから……
そのとき寧々の頬に、ぽたり、と熱い滴が落ちた。
「いやっ……」
反射的に寧々は顔を逸らした。
目の前でびくんびくんと脈打つ陰茎の切っ先から、精のしずくが垂れてきたのだ。頬に垂れた精が肌を伝って流れる。その感触が、妖しいほどにくすぐったい。
今度は寧々の内ももを、犬が、べろり、と舐め上げた。敏感な肌の上を平べったい舌の感触がが這いまわる。
寧々の薄く整った口唇から熱い吐息が漏れ始める。
同時に、またぽたりと雫が垂れた。喘ぐ寧々の口元が、犬の精で濡れた。
「ああっ……」
寧々は白い太ももを広げた。両手の指を秘唇に添えて花蕊の襞を広げた。犬の舌が寧々の望む場所をを的確に舐めてきた。
寧々の口唇が、切なく震えて少し広がった。
そのわずかな隙間に、熱い雫が、ぽたり、ぽたりと垂れ続けていた。
~ 第十三幕 了 ~
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