私と彼はまだ友達のまま

神奈川雪枝

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まだまだ

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4月1日。
私の隣の席の男子の誕生日。
私はその男子のことが好きなんだけど、所謂ふざけ友達で 。
しかも、その男子は私じゃない女の子に片思い中だったりして ! ←
しかも、その女の子は彼と同じ誕生日 。

「ねぇー、英語の訳わかんない!」

「 宿題ぐらい、自分でしろよ。」

「私の英語のテストの平均、何だと思ってるの?
 万年赤点なの!」

「知らねぇーよ、なおさら自分でやれよ!」

「うわぁー、何て冷酷。」

「はぁ?」


「神奈川さんと有田くんは、仲いいよねぇ~。」

いきなり、綺麗な声。

「 長谷川さんっ!」

となりのあいつを見ると、顔真っ赤 。

「何、どうしたの?」

「えっとねぇ私、神奈川さんのいとこの爽くんのことが好きなんだ 。」

「 えっ 、爽のことが?!」

「 うん、だから今日の放課後告白しようと思ってるんだけど、
 呼び出して欲しいなぁって 。」

「 えっ、あっうん、いいけど 。」

「本当にっ?ありがとう!
  じゃぁまた休み時間にね^^」

彼を見ると、想いっきり傷ついていた 。




放課後。
爽は委員会があって、委員会終わりなら会えると言った。

「本当にありがとう、神奈川さん。
 じゃぁ私、図書室で待ってるね。」

「爽にメールしとくね、長谷川さんが図書室で待ってるって 。
 頑張ってね!」

「うん、本当にありがとう。」

彼女は嬉しそうに図書室に向った。
そんな彼女の後姿を見ている、私の好きな人。

「ねぇー、告白しないの ?」

「 はっ ?」

「今日、長谷川さんの誕生日だよね 。」

「 へぇー  。」

「男でしょ、恋の終わりぐらい自分で決着つけなよ 。」


「 そうだよな 。」

彼は、走って彼女を追いかけた。
携帯にメールが届く。

(やば、委員会あと少しで終わるの?
 ……迎えに行くか、告白聞くの嫌だけど 。)

私も図書室に向った。


「……ごめんね、気持ちに答えられないよ 。」


「生まれてきてくれてありがとう。」

「えっ。」

「今日、誕生日でしょ 。」

「 ありがとう 。」

「じゃぁ、長谷川さんも告白頑張ってね 。」

「 本当にごめんね 。」

彼は泣かずに図書室から出てきた 。
彼は一人で静かに教室に戻っていく。

(迎えに来たのに、何か隠れちゃった><)

教室。
彼は、涙を流した 。


「……生まれてきてくれてありがとうっ 。」

私はそう言った。

「何で神奈川 ?」

「今日、あんたも誕生日でしょ 。」

「 そぅだったね 。」

「何かごめんね、私が無理やり告白しに行かせたみたいで 。」

「いいよ、神奈川のおかけで気持ちに決着ついたし 。」

彼はそう言って、笑った 。

「帰ろう、何か奢るよ!」

「いいよ、別に 。」

「遠慮すんな、失恋男。」

「お前なぁ 。」

二人で初めて一緒に帰った。
私は彼と違って、告白は出来なかったけど 。
ちなみに、長谷川さんと爽は付き合うことになった 。

私と彼は、まだ友達のまま。

(私はずっとあんたのことが好きだから、告白できるようになるまで待っててね!)


とりあえず愛しい彼の誕生日、祝っとこ⌒☆
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