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思い出す
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帰り道 。
僕は偶然、君と再開した 。
「 ……雪枝 ? 」
「 ん、……あっ 太郎 ?!」
「何、買い物?」
「うん、そんな所。」
高校時代の彼女 だった 、雪枝 。
高校生の時、
お互い幼くて、
好きだったけど、
……別れてしまった 。
「太郎と話すの、すっごい久しぶりだよね。笑」
彼女は、耳に髪の毛をかけた 。
その時、彼女の指がキラっと光った 。
「 雪枝、指輪 。」
「えっ、あっうん 。」
「 結婚 ?」
「 …… 来月、式あげる予定なんだ 。」
「 そっか 。」
「 うん 。」
何だか気まずくなって、
俺と彼女はすぐさま分かれ道になって離れた 。
( 何にも変わってねぇーな、俺 。)
君と別れてから、別に彼女が居なかった訳じゃないけど、
いつも何処かで雪枝の事を想っていた 。
「 結婚かぁ 。」
独り言は、
星空に吸い込まれていく 。
久しぶりに見た君は、
とても綺麗になっていた 。
会わない方が良かったのに 。
どうせなら、もう家庭を築いている彼女に会う方が良かった 。
俺はきっとまだ、雪枝の事が好きなんだと想った 。
それからも、
帰り道、
ちょくちょく雪枝と会って、
気がつけばメアドも番号も交換していて、
普通に連絡も取り合っていて、
時間が合えば、
普通に会うようになっていた 。
( 高校生の時の事、思い出すなぁ 。)
俺は彼女居ないのに、
君には、彼氏じゃなくて婚約者が居る 。
君も彼氏が居なきゃ、
俺はあの再会を心から喜べていたのに 。
夕方の喫茶店。
雪枝からメールが来て、
俺は脚を運んだ 。
「 太郎、ごめんねいきなり呼び出したりなんかして 。」
「別に大丈夫だよ。」
その日の君は、
何処か淋しそうに見えた 。
俺は珈琲を頼んで、
君は紅茶を飲んでいる 。
「で、今日はどーかしたの?」
「 私ね 。」
「 うん。」
「 明日、結婚式なんだ 。」
「 。」
「 だから、もう 。」
「何で?」
「 えっ?」
「何で結婚したら、もう俺とは会わないなんて言うの?」
「別に私は会いたいけど、引っ越すんだ 。」
「は?」
「結婚したら、彼の所に引っ越すの 。
付き合ってる時に彼が転勤して、その転勤の時にプロポーズされて 。
今ちょっと仕事が落ち着いてるから、結婚して私も彼の所に行く んだ 。」
「 良かったじゃん 。」
「太郎。」
「幸せになりなよ 。
もしかして、今日呼び出したのって俺とバイバイするためだった?」
「 ごめ、何にも言ってなくて 。」
「 別に俺は雪枝にとってはそーいう存在だったって事でしょ?」
「 違う よ 。」
彼女は、涙を流していた 。
(何で泣いてんだよ、泣きたいのはこっちの方だって 。)
「 私、太郎にあの日声かけてもらって、本当に嬉しかった。
高校を卒業して、もう会えないって想ってたから 。
太郎とまた、昔みたいに一緒に過ごせて本当に幸せだった 。
この事もちゃんと話そうと想ったんだけど、太郎には何か言いたくなくて 。」
「 雪枝 ?」
( 何言ってるの?
そんな事言って、俺自惚れちゃうよ ?)
「 私、本当は高校の時からずっと太郎の事だけが本当に好きだった 。
別れた後だって、ずっとずっと太郎の事想ってた 。
この結婚だって、もう太郎には想いが届かないって無理やり決めたの 。
私は今だって、太郎の事が好きだよ 。
ありがとう、楽しかった 。
ごめんね、色々 。
じゃぁ、さよなら 。」
彼女はゆっくりと俺に言葉を伝えた後、
最後に泣きながらニコって笑って、
店を出ていった 。
「 俺だって 。」
(どうして、素直になれないんだろう 。
正直に言っていれば、君とまた一緒に過ごせる事が出来たの?
君と俺はずっと同じ気持ちだったのに 。
何で、高校生の時から俺らはこうなんだろうね?)
君と出会い、別れた高校時代 。
君と再会した、2009年の9月 。
君が結婚してしまった、2009年の10月 。
11月 。
俺はずっと、
後悔してる 。
電話もメールも、通じなくなった 。
10月の最後の週に電話を掛けたけれど、もう通じなくて 。
メールも送っても、自分に返ってくるだけ 。
当たり前だけど、
君と帰り道に会う事も無い 。
雪枝は完全に俺の前から、
また消えてしまったんだ 。
(同じ事繰り返すって、どんだけ馬鹿なんだろう 。)
君と再会した、帰り道 。
何故か、目の前に君が居る 。
「 ……雪枝 ? 」
「 太郎、遅い 。」
「えっ 。」
「私絶対1時間は太郎の事待ったもん 。」
君が嬉しそうに笑っている 。
「 何で ?」
「 私、やっぱり太郎の事が好きなの 。
あれから家に帰って携帯も全部解約して、荷物もって彼の所に行ったんだ 。
けどね、前もそんなに彼には失礼かもだけどドキドキも何にもなかったんだけど、
彼と会う度、太郎と過ごした事が頭の中一杯になって 。
指輪もウエディングドレスも、全然綺麗じゃなくて 。
彼との未来を想像してみたんだけど、私は笑ってたけど幸せじゃなかった 。」
彼女の指には、
指輪が無かった 。
「 冷静になって考えてみたの 。
私は、太郎のとなりじゃなきゃ駄目なんだって、想った 。
高校生の時は別れて、何にも出来なくったけど 。
私はもう、そんな想いはしたくなくて 。
だから、結婚止めて色々後処理して、
また、太郎に会いに来たの 。」
「 雪枝 。」
俺は、
彼女の事を抱きしめていた 。
「 太郎、好きだよ 。」
「俺も、好きだよ 。
愛してる 、雪枝 。」
もう、絶対に泣かさない。
離さないし、誰にも渡さないって誓った 。
「 今日、太郎の誕生日でしょ?
どっかに食べに行こう?笑」
「 そーだねっ。」
★君を守ると決めたんだ、この星空に僕は誓うよ 。★
(太郎、私たちって運命の紅い糸で結ばれてるよね?w)(うん、絶対切れない糸でね笑)
僕は偶然、君と再開した 。
「 ……雪枝 ? 」
「 ん、……あっ 太郎 ?!」
「何、買い物?」
「うん、そんな所。」
高校時代の彼女 だった 、雪枝 。
高校生の時、
お互い幼くて、
好きだったけど、
……別れてしまった 。
「太郎と話すの、すっごい久しぶりだよね。笑」
彼女は、耳に髪の毛をかけた 。
その時、彼女の指がキラっと光った 。
「 雪枝、指輪 。」
「えっ、あっうん 。」
「 結婚 ?」
「 …… 来月、式あげる予定なんだ 。」
「 そっか 。」
「 うん 。」
何だか気まずくなって、
俺と彼女はすぐさま分かれ道になって離れた 。
( 何にも変わってねぇーな、俺 。)
君と別れてから、別に彼女が居なかった訳じゃないけど、
いつも何処かで雪枝の事を想っていた 。
「 結婚かぁ 。」
独り言は、
星空に吸い込まれていく 。
久しぶりに見た君は、
とても綺麗になっていた 。
会わない方が良かったのに 。
どうせなら、もう家庭を築いている彼女に会う方が良かった 。
俺はきっとまだ、雪枝の事が好きなんだと想った 。
それからも、
帰り道、
ちょくちょく雪枝と会って、
気がつけばメアドも番号も交換していて、
普通に連絡も取り合っていて、
時間が合えば、
普通に会うようになっていた 。
( 高校生の時の事、思い出すなぁ 。)
俺は彼女居ないのに、
君には、彼氏じゃなくて婚約者が居る 。
君も彼氏が居なきゃ、
俺はあの再会を心から喜べていたのに 。
夕方の喫茶店。
雪枝からメールが来て、
俺は脚を運んだ 。
「 太郎、ごめんねいきなり呼び出したりなんかして 。」
「別に大丈夫だよ。」
その日の君は、
何処か淋しそうに見えた 。
俺は珈琲を頼んで、
君は紅茶を飲んでいる 。
「で、今日はどーかしたの?」
「 私ね 。」
「 うん。」
「 明日、結婚式なんだ 。」
「 。」
「 だから、もう 。」
「何で?」
「 えっ?」
「何で結婚したら、もう俺とは会わないなんて言うの?」
「別に私は会いたいけど、引っ越すんだ 。」
「は?」
「結婚したら、彼の所に引っ越すの 。
付き合ってる時に彼が転勤して、その転勤の時にプロポーズされて 。
今ちょっと仕事が落ち着いてるから、結婚して私も彼の所に行く んだ 。」
「 良かったじゃん 。」
「太郎。」
「幸せになりなよ 。
もしかして、今日呼び出したのって俺とバイバイするためだった?」
「 ごめ、何にも言ってなくて 。」
「 別に俺は雪枝にとってはそーいう存在だったって事でしょ?」
「 違う よ 。」
彼女は、涙を流していた 。
(何で泣いてんだよ、泣きたいのはこっちの方だって 。)
「 私、太郎にあの日声かけてもらって、本当に嬉しかった。
高校を卒業して、もう会えないって想ってたから 。
太郎とまた、昔みたいに一緒に過ごせて本当に幸せだった 。
この事もちゃんと話そうと想ったんだけど、太郎には何か言いたくなくて 。」
「 雪枝 ?」
( 何言ってるの?
そんな事言って、俺自惚れちゃうよ ?)
「 私、本当は高校の時からずっと太郎の事だけが本当に好きだった 。
別れた後だって、ずっとずっと太郎の事想ってた 。
この結婚だって、もう太郎には想いが届かないって無理やり決めたの 。
私は今だって、太郎の事が好きだよ 。
ありがとう、楽しかった 。
ごめんね、色々 。
じゃぁ、さよなら 。」
彼女はゆっくりと俺に言葉を伝えた後、
最後に泣きながらニコって笑って、
店を出ていった 。
「 俺だって 。」
(どうして、素直になれないんだろう 。
正直に言っていれば、君とまた一緒に過ごせる事が出来たの?
君と俺はずっと同じ気持ちだったのに 。
何で、高校生の時から俺らはこうなんだろうね?)
君と出会い、別れた高校時代 。
君と再会した、2009年の9月 。
君が結婚してしまった、2009年の10月 。
11月 。
俺はずっと、
後悔してる 。
電話もメールも、通じなくなった 。
10月の最後の週に電話を掛けたけれど、もう通じなくて 。
メールも送っても、自分に返ってくるだけ 。
当たり前だけど、
君と帰り道に会う事も無い 。
雪枝は完全に俺の前から、
また消えてしまったんだ 。
(同じ事繰り返すって、どんだけ馬鹿なんだろう 。)
君と再会した、帰り道 。
何故か、目の前に君が居る 。
「 ……雪枝 ? 」
「 太郎、遅い 。」
「えっ 。」
「私絶対1時間は太郎の事待ったもん 。」
君が嬉しそうに笑っている 。
「 何で ?」
「 私、やっぱり太郎の事が好きなの 。
あれから家に帰って携帯も全部解約して、荷物もって彼の所に行ったんだ 。
けどね、前もそんなに彼には失礼かもだけどドキドキも何にもなかったんだけど、
彼と会う度、太郎と過ごした事が頭の中一杯になって 。
指輪もウエディングドレスも、全然綺麗じゃなくて 。
彼との未来を想像してみたんだけど、私は笑ってたけど幸せじゃなかった 。」
彼女の指には、
指輪が無かった 。
「 冷静になって考えてみたの 。
私は、太郎のとなりじゃなきゃ駄目なんだって、想った 。
高校生の時は別れて、何にも出来なくったけど 。
私はもう、そんな想いはしたくなくて 。
だから、結婚止めて色々後処理して、
また、太郎に会いに来たの 。」
「 雪枝 。」
俺は、
彼女の事を抱きしめていた 。
「 太郎、好きだよ 。」
「俺も、好きだよ 。
愛してる 、雪枝 。」
もう、絶対に泣かさない。
離さないし、誰にも渡さないって誓った 。
「 今日、太郎の誕生日でしょ?
どっかに食べに行こう?笑」
「 そーだねっ。」
★君を守ると決めたんだ、この星空に僕は誓うよ 。★
(太郎、私たちって運命の紅い糸で結ばれてるよね?w)(うん、絶対切れない糸でね笑)
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