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君が居なければ
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「太郎~。」
いつもいつも、人懐こい犬みたいに俺に寄って来てたのに。
出合った時はウザイとさえも思ってたのに。
気がつけば、君の事を必要としてる俺が居た 。
高校で出合った彼女は、かなりのアホで。(テストでもほとんど1桁で。←)
遅刻するし、さぼるし。(常に進級危ないから、いつも学年末に焦ってた。)
軽くて、適当だし 。(それは恋愛においてもで 。自分で別に遊ぶのが何が悪いって言ってた。←)
だから正直、俺の中でこいつは絶対にないって思ってた。
なのに、いつからだろ 。
君はよく笑顔で俺に言っていた。
『あの高3の春の日。
委員会が一緒になって、私はどんどん太郎~に惹かれていったんだよ?』
ちょっと照れながら、でも嬉しそうに喋る彼女。
『太郎~の事はねずっと前から知ってたんだけどね~。笑
でも、太郎~は私の事嫌いだったでしょ?』
「 おん 。」
『ちょっとは否定してよ~。笑
だってね、いつも目が合うと冷たく睨まれてそっけなく目離されたもん~。』
「 そ~やった ?」
『そ~だよ。私、あ~この人に嫌われてるんだなぁ~って思ってちょっと哀しかったもん~。笑
だからねぇ~委員会一緒になった時、ほんとど~しよって思っちゃったもん 。』
「 あほやな 。笑」
『だからねぇ~委員会が怖くて遅刻も欠席も無くなったんだよ~。笑』
「 俺、すごいなぁ~っ。笑」
『うん~そ~だよ~。
だからね、太郎~と出会えてほんと良かった~。』
俺に抱きついてきて。
『太郎~ってね、不器用で無愛想なんだけどね~。
すっごい優しくて~笑った顔とかほんとキュンって来るんだよ~。』って言って、
俺にキスをしてきた 。
「 ど~しよ、もうほんと好き過ぎて怖いかもっ。笑」
ん~って俺に深いキスをしてくる君。
(俺だって、君の事がほんとに好きやったのに 。)
委員会で一緒になってから、どんどん君に惹かれていった。
(ちゃんと責任持って仕事できるんやなぁ~とか、真面目にできるんだぁ~とか。
笑った顔がそりゃもう可愛くて。
俺に好き好きって言ってくれて、最初は冗談だと思ってたけど、
ほんとに俺だけを見てくれるようになって 。)
「 俺も 好き やで 。」
言葉を囁けば君の顔は真っ赤になった。
そのまま君を押し倒して、俺と君はさらに愛し合う 。
こんな日々が何時までも続くと思っていた。
ずっと一緒に居れると思っていた 。
俺は大学、君は就職。
進路は違えど、俺と君は一緒に住んでいた。
「太郎~。」
夜遅くに帰ってくる彼女はいつも疲れていた。
夜にのみ遊んでいる俺とは全然違う。、
「 今日も飲んできたの?」
布団に入り込んでくる彼女。
「 ねぇ~?」
後ろから俺の抱きついてくる彼女。
「 今、何時?」
俺の口から出てきたの言葉はそれだった 。
嫌いじゃない、だけど最近どうも彼女に構ってあげる事ができない 。
「 今ねぇ~2時だよ~。」
なのに彼女はいつでも、俺に笑いかけてくれるんだ 。
「太郎~。」
彼女の甘ったるい声。
彼女の方に向き返れば、彼女は嬉しそうに笑った。
「 ヤろ 。」
なのに俺は言葉よりも、専ら最近彼女の事を求める事しかしなかった。
女の子とお酒を呑んでも、身体は重ねてない。
浮気はしてないのに、彼女の事をちゃんと愛してあげることができない。
気付いてたのに俺は、変わる事はなかった。
彼女は何時でも俺の我侭をしょうがなしに聞いてくれて。
「 別にいいよ~。笑」
もしかすると彼女はずっと、ずっと俺が変わる事を待っていてくれていたのかもしれない。
(あぁ~これじゃ、昔の彼女と今の俺は一緒じゃないかぁ 。)
そんな生活がだらだらと続いていって 。
彼女は会社に泊まる事も多くなった 。
俺は相変わらず飲み遊んでいて 。
家に女の子をお持ち帰りすることも増えていた 。
最初こそはばれたらどーしよ?!なんて思っていたものの。
今じゃ身体だけの女の子とばかりだ 。
彼女とは、言葉もなければ行為も少なくなってしまった 。
だからかな、久しぶりに彼女の顔を見るといつも切なそうな表情だった 。
マンションの前。
「太郎~ちゃん。また今度も誘ってね?」
にっこり笑顔で帰っていく、女の子。
(名前なんやったけかな?←)
部屋に戻ろうと玄関の前には、人影 。
( 誰 ?)
「 太郎~ 。」
酔っているのか、べろんべろんの彼女 。
「 ちょ、なにしてるんっ?」
「久しぶりにお酒たくさん飲んだ~。」
なのにやっぱり彼女の顔は切なそうだ 。
「太郎~こそこんな時間になんで外に居るん?」
「えっ 。」
「 別れよう か 。」
真っ直ぐに俺を見て、そう言い放った彼女。
「 なんて ?」
「だから、別れようって 。笑」
笑いながら、彼女は泣いていた。
「太郎~、変わったよね 。
何かだんだん冷たくなって、身体ばっかりで 。
なのに急にちょっとづつよそよそしくなって 。
私のこと、嫌いになっちゃったの ?」
一人で泣きながら喋る彼女に、俺はなんて答えればよかったのだろう?
「 浮気っていうのかな?
太郎~、女の子と遊んでるんでしょ?」
彼女の言葉だけが空間に響く。
「 私は今でも太郎の事好きだけどね 。」
立ち上がる彼女。
「 もう、家賃とかほとんど私しか払ってないし 。
明日の夜までには、この部屋から出て行ってちょうだい 。
じゃぁね、ばいばい 。」
俺にそういい捨てる彼女。
(いつから君はそんなに強くなってしまったの?)
「 昔のお前やって、十分男と遊んでたやん 。」
彼女を引き止めたくて出た、この言葉。
バチン 。
頬に痛み 。
「 確かに昔は遊んでたよ 。
でもね、太郎~と会ってからは好きになってからは、
私はずっとずっと、太郎~の事しか見てなかったよ 。」
彼女の強い視線。
( あぁ~そ~だ 。彼女を裏切ったのは俺だ 。)
暗やみに響く、彼女の靴の音。
彼女が俺から遠ざかっていく 。
もうどんなに足掻いたって彼女はきっと俺の所には戻ってきてはくれない 。
灰 色 生 活 の 幕 開 け だ 。
いつもいつも、人懐こい犬みたいに俺に寄って来てたのに。
出合った時はウザイとさえも思ってたのに。
気がつけば、君の事を必要としてる俺が居た 。
高校で出合った彼女は、かなりのアホで。(テストでもほとんど1桁で。←)
遅刻するし、さぼるし。(常に進級危ないから、いつも学年末に焦ってた。)
軽くて、適当だし 。(それは恋愛においてもで 。自分で別に遊ぶのが何が悪いって言ってた。←)
だから正直、俺の中でこいつは絶対にないって思ってた。
なのに、いつからだろ 。
君はよく笑顔で俺に言っていた。
『あの高3の春の日。
委員会が一緒になって、私はどんどん太郎~に惹かれていったんだよ?』
ちょっと照れながら、でも嬉しそうに喋る彼女。
『太郎~の事はねずっと前から知ってたんだけどね~。笑
でも、太郎~は私の事嫌いだったでしょ?』
「 おん 。」
『ちょっとは否定してよ~。笑
だってね、いつも目が合うと冷たく睨まれてそっけなく目離されたもん~。』
「 そ~やった ?」
『そ~だよ。私、あ~この人に嫌われてるんだなぁ~って思ってちょっと哀しかったもん~。笑
だからねぇ~委員会一緒になった時、ほんとど~しよって思っちゃったもん 。』
「 あほやな 。笑」
『だからねぇ~委員会が怖くて遅刻も欠席も無くなったんだよ~。笑』
「 俺、すごいなぁ~っ。笑」
『うん~そ~だよ~。
だからね、太郎~と出会えてほんと良かった~。』
俺に抱きついてきて。
『太郎~ってね、不器用で無愛想なんだけどね~。
すっごい優しくて~笑った顔とかほんとキュンって来るんだよ~。』って言って、
俺にキスをしてきた 。
「 ど~しよ、もうほんと好き過ぎて怖いかもっ。笑」
ん~って俺に深いキスをしてくる君。
(俺だって、君の事がほんとに好きやったのに 。)
委員会で一緒になってから、どんどん君に惹かれていった。
(ちゃんと責任持って仕事できるんやなぁ~とか、真面目にできるんだぁ~とか。
笑った顔がそりゃもう可愛くて。
俺に好き好きって言ってくれて、最初は冗談だと思ってたけど、
ほんとに俺だけを見てくれるようになって 。)
「 俺も 好き やで 。」
言葉を囁けば君の顔は真っ赤になった。
そのまま君を押し倒して、俺と君はさらに愛し合う 。
こんな日々が何時までも続くと思っていた。
ずっと一緒に居れると思っていた 。
俺は大学、君は就職。
進路は違えど、俺と君は一緒に住んでいた。
「太郎~。」
夜遅くに帰ってくる彼女はいつも疲れていた。
夜にのみ遊んでいる俺とは全然違う。、
「 今日も飲んできたの?」
布団に入り込んでくる彼女。
「 ねぇ~?」
後ろから俺の抱きついてくる彼女。
「 今、何時?」
俺の口から出てきたの言葉はそれだった 。
嫌いじゃない、だけど最近どうも彼女に構ってあげる事ができない 。
「 今ねぇ~2時だよ~。」
なのに彼女はいつでも、俺に笑いかけてくれるんだ 。
「太郎~。」
彼女の甘ったるい声。
彼女の方に向き返れば、彼女は嬉しそうに笑った。
「 ヤろ 。」
なのに俺は言葉よりも、専ら最近彼女の事を求める事しかしなかった。
女の子とお酒を呑んでも、身体は重ねてない。
浮気はしてないのに、彼女の事をちゃんと愛してあげることができない。
気付いてたのに俺は、変わる事はなかった。
彼女は何時でも俺の我侭をしょうがなしに聞いてくれて。
「 別にいいよ~。笑」
もしかすると彼女はずっと、ずっと俺が変わる事を待っていてくれていたのかもしれない。
(あぁ~これじゃ、昔の彼女と今の俺は一緒じゃないかぁ 。)
そんな生活がだらだらと続いていって 。
彼女は会社に泊まる事も多くなった 。
俺は相変わらず飲み遊んでいて 。
家に女の子をお持ち帰りすることも増えていた 。
最初こそはばれたらどーしよ?!なんて思っていたものの。
今じゃ身体だけの女の子とばかりだ 。
彼女とは、言葉もなければ行為も少なくなってしまった 。
だからかな、久しぶりに彼女の顔を見るといつも切なそうな表情だった 。
マンションの前。
「太郎~ちゃん。また今度も誘ってね?」
にっこり笑顔で帰っていく、女の子。
(名前なんやったけかな?←)
部屋に戻ろうと玄関の前には、人影 。
( 誰 ?)
「 太郎~ 。」
酔っているのか、べろんべろんの彼女 。
「 ちょ、なにしてるんっ?」
「久しぶりにお酒たくさん飲んだ~。」
なのにやっぱり彼女の顔は切なそうだ 。
「太郎~こそこんな時間になんで外に居るん?」
「えっ 。」
「 別れよう か 。」
真っ直ぐに俺を見て、そう言い放った彼女。
「 なんて ?」
「だから、別れようって 。笑」
笑いながら、彼女は泣いていた。
「太郎~、変わったよね 。
何かだんだん冷たくなって、身体ばっかりで 。
なのに急にちょっとづつよそよそしくなって 。
私のこと、嫌いになっちゃったの ?」
一人で泣きながら喋る彼女に、俺はなんて答えればよかったのだろう?
「 浮気っていうのかな?
太郎~、女の子と遊んでるんでしょ?」
彼女の言葉だけが空間に響く。
「 私は今でも太郎の事好きだけどね 。」
立ち上がる彼女。
「 もう、家賃とかほとんど私しか払ってないし 。
明日の夜までには、この部屋から出て行ってちょうだい 。
じゃぁね、ばいばい 。」
俺にそういい捨てる彼女。
(いつから君はそんなに強くなってしまったの?)
「 昔のお前やって、十分男と遊んでたやん 。」
彼女を引き止めたくて出た、この言葉。
バチン 。
頬に痛み 。
「 確かに昔は遊んでたよ 。
でもね、太郎~と会ってからは好きになってからは、
私はずっとずっと、太郎~の事しか見てなかったよ 。」
彼女の強い視線。
( あぁ~そ~だ 。彼女を裏切ったのは俺だ 。)
暗やみに響く、彼女の靴の音。
彼女が俺から遠ざかっていく 。
もうどんなに足掻いたって彼女はきっと俺の所には戻ってきてはくれない 。
灰 色 生 活 の 幕 開 け だ 。
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