午後の紅茶

神奈川雪枝

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聞いてる?

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「酷いっ。
 太郎ちゃんは冷たいねんって。」

「何が冷たいねんっ。」

「ちょ、太郎。」

「もう、嫌や。
 二郎ちゃん、何でこいつ連れてきたん?」

「あ”ぁ”?」

「太郎も、睨まんの。」

「やって、二郎ちゃんコイツが。」

「何よっ。」

「ちょ、やめーや。
 そもそも、何で喧嘩したん?」

「やって、久しぶりに髪切りに言ったら、
 人の顔見て、似合わへんって爆笑したんやで、この人っ。」

「それは、太郎が悪いな。」

「っでしょー?」

「ちゃうって。
 やってほんまに似合ってへんかったもんー。」

「ちょ、太郎。」

「 あのねー。
 女の子はねー、いつでも誉められたい訳。」

「「 」」

「可愛いね、綺麗だねって言ってもらえるために、お洒落するのね。
 誉められたら、もっと頑張ろうって思うの。
 太郎ちゃんは、誉めなすぎなの。
 ……誉められるの、嬉しいんだからね 。」

「雪枝っ……「嬉しいな。」

「だよね!」

「って、ちょ。
 二郎ちゃん、女ちゃうやろっ?!」

「あっ。
 いや、雪枝の話し聞き込みすぎたんやな。」

「何言ってんねん。」

「つか、太郎ちゃん話し聞いてた?」





 喫茶店。
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