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凛となりたい
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交通事故にあった。
突然だった。
学校の帰り道、
曲がり角。
よそ見運転だった。
幸い命に別状はなく、
両足の骨折ですんだ。
外に出るのが怖くなった。
また車がぶつかってきたらと思うと、
身体が震えた。
同時に二本の脚の骨なんて折ったこともなく、
歩くのも不安になった。
リハビリが始まった。
痛かった。
事故の時の痛み、恐怖とはまた違った、
慢性的な痛み、心の傷。
(なんで、私が。)
転んだ拍子に思わずそう思ってしまった。
お見舞いに来てくれる家族も友達もいる。
ぶつかった相手も、
逃げずに詫びてくれている。
命だって助かった。
足だって治る。
よかったじゃないか。
これ以上ない奇跡だ。
そんなことはわかっていても、
弱音と愚痴が口から溢れてしまいそうだ。
そんな時、
同じリハビリルームで、
義足の同い年くらいの女の子と一緒になった。
その子も何度も転んでいた。
それでも、何度も立ち上がっては歩きだす。
(すごい。)
転んだって前を向いているのが。
私にはない強さを見た瞬間だった。
ずっと見ていたからか、
その子とふいに目があって、
「頑張ろう!」と声をかけられた。
そうだ、
頑張ろう。
私は、何も失ってなどなかったのだから。
彼女だって、
失ってなどないのだ。
あんな凛とした強さを、
私は持っているのだろうか?
突然だった。
学校の帰り道、
曲がり角。
よそ見運転だった。
幸い命に別状はなく、
両足の骨折ですんだ。
外に出るのが怖くなった。
また車がぶつかってきたらと思うと、
身体が震えた。
同時に二本の脚の骨なんて折ったこともなく、
歩くのも不安になった。
リハビリが始まった。
痛かった。
事故の時の痛み、恐怖とはまた違った、
慢性的な痛み、心の傷。
(なんで、私が。)
転んだ拍子に思わずそう思ってしまった。
お見舞いに来てくれる家族も友達もいる。
ぶつかった相手も、
逃げずに詫びてくれている。
命だって助かった。
足だって治る。
よかったじゃないか。
これ以上ない奇跡だ。
そんなことはわかっていても、
弱音と愚痴が口から溢れてしまいそうだ。
そんな時、
同じリハビリルームで、
義足の同い年くらいの女の子と一緒になった。
その子も何度も転んでいた。
それでも、何度も立ち上がっては歩きだす。
(すごい。)
転んだって前を向いているのが。
私にはない強さを見た瞬間だった。
ずっと見ていたからか、
その子とふいに目があって、
「頑張ろう!」と声をかけられた。
そうだ、
頑張ろう。
私は、何も失ってなどなかったのだから。
彼女だって、
失ってなどないのだ。
あんな凛とした強さを、
私は持っているのだろうか?
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