赤面少女

神奈川雪枝

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ドキドキするっ……

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ダメだよ、

そんなところ見ちゃ。


ダメなの、

そんなところ触っちゃ。


手継いだだけで、

私の顔は真っ赤になる。


だから、


見ないで、

触らないで。


恥ずかしいから。


誰にもでなるわけじゃないよ。

ゆうたにだから、
なるんだよ。

そこだけは勘違いしないで。

「ゆうな。」

「なに?」

「また、真っ赤になってるぞ。」

「だって。」

話しかけられただけで、

心臓がぎゅってなる。

「もう俺たちつきあって3ヵ月だよ?
 いい加減、なれて(笑)」

「だって。」

「だって?」

(大好きなんだもん。)

「言わないとわかんないよ。」

「んっ。」

言葉が緊張で出てこない。

「ゆうな。」

彼の指が私の頬を撫でる。

一気に体温が上がる。

やっぱり何にも伝えられない。

嫌われるのが怖い。

「ゆうな。」

私が何も言わないからそんな切なそうに笑うの?

「ゆうた。」

「なに?」

「帰ろ。」と、
手を繋ぐ。

今の私にはそれが精いっぱいだ。

「うん、帰ろうか?」

嬉しそうにあなたが笑う。

それで充分じゃないか。

心臓がうるさい。
耳が赤い。

あぁ、恥ずかしい。
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