Tipsy

神奈川雪枝

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挨拶

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ちょっと変わってる。
それが最初の印象やったな。


飲み屋で逢って
全然話しなんかしなくて。

でも、
気がついたら隣居ってん。笑
めっちゃ驚くでしょ?

それに丁度良い感じに酔ってるしなぁ?
成り行きだったて言えばそれまでやと思う。


「 ん。」

肩に寄りかかられた時ね、
いきなりやったからめっちゃ心臓ドキってしましたねぇ~。

「ちょ。」

「 私の家、来ない?」

彼女ね、
お酒でねほっぺ真っ赤やったし、
眠いからなのかめっちゃ目とろんってしててね。

つか、初対面の人家に呼ぶって、ね?苦笑

「 はぁ ?」

「別にいいでしょ?
 私帰りたくなったの、送ってよ?」

「そんなん、俺じゃ……。」

「俺じゃない奴に頼み~や。」って言おうとしたんですよ。
でもその途中でちゅーされちゃって。

彼女、それにね友達以外には敬語だったし。
何よりね、シャツ羽織っててんけどね、
アツかったんですかね~タンクトップ姿で。
良い具合にね、
僕の腕にねあたっとる訳ですよ、彼女のアレが。苦笑

僕ももう酔ってましたしね。

彼女を連れて店を出ちゃったよね。苦笑


「んふ。笑」

「何笑ってんの?」

「さっき、唇すごい柔らかかったなぁ~って。笑」

「は?」

めっちゃニコニコしながらいきなしそんなん言うんですよ?
はってなるじゃないですか。

「 初めてちゅーしちゃった。笑」

「……。」

もうね、絶句ですよ絶句。
やって気にしてるんですよ、僕。

もうこの時点でこの子あほの子やなって思いましたね。


でまぁ、彼女の家についたんですよ。
家いうても、マンションなんですけど。
それがね、ちょ聞いてくださいよっ。
彼女ね、中々ええとこのマンションに住んでたんですよっ。
もう僕心の中でひえぇ~ってなって。

「んふ。
 いらっしゃい、ひろし君。」

「えっ。」

部屋入った途端に、
俺に抱き着いてきてね、
首に手回して耳元で囁いたんですよ。
しかも、名前呼ばれましたし。
もうほんと僕あの時、迷える子羊でしたよ。苦笑


でね、普通はなんか飲み物位出すじゃないですか?
彼女、何したと思います?


「 やっちゃおうか?笑」


可愛く笑って、
この一言ですよ。
僕もう失笑もんでしたよ。
やってなぁ、
こんな初対面の子とよぉせぇへんわ。
彼女、年下ですし。

「 何言うてんねん。苦笑」


そう言った僕をね、彼女はね普通にベッドに押し倒しましたから。苦笑

「 私の此処ばっか見てたでしょ?笑」

そう言ってね、
自分の胸を指さす訳ですよ。

「み、見てへんわっ。」

「ウソばっか~。笑
 ずっと視線感じてたよ?」

そりゃね、正直に言ったら見てましたよ。
だって僕、男の子ですからね。

「見たいんでしょ~?」

でね、彼女が僕の上に居るから、
タンクトップからもろ見えるわけですよ。

そんなん卑怯やわぁ~って僕ね、
目瞑ったんです。


「 降参 ?」

笑いながら僕の服を脱がし始めたんです。

「ちょ、えっ、何してんのっ?」

驚いて目あけたら彼女めっちゃ楽しそうに笑ってて。

「 ん、脱がしてるんだよ?」って。
もう、はぁ?って感じじゃないですか。

まぁね、そんなこんなでね僕は彼女のペースから抜け出せなくてね。

気がついたらね、
朝でしたよ。
そりゃね、
やる事はちゃんとやっての朝ですよ。苦笑


でね、彼女の寝顔ちょっと見てたんですよ。
そしたら彼女も目覚ましてね。

「 えっ 、井口さん ?」

ってめっちゃ目丸くして言われたんですよ。

「なんで、此処に居るんですか??」

もう、えぇ=ですよね。
彼女、全く覚えてなかったんですよ。

で、あらかた説明したんですよ。
そしたら彼女、
めっちゃ謝ってきて。

僕からしたら記憶ある訳ですから、
そんなんあり?って訳ですよ。


「あっ。」

「なに、どうしたん?」







        GOOD MORNING. -おはようございます。-








「 はっ?」

「えっと、あいさつしてなかったなって思って。」


この時思いましたね、
彼女はやっぱりあほの子なんやなって。

それでね彼女、

「 御飯食べますよね?
 作りますね。」って言って普通に服着てキッチンに行きましたからね。




まぁ、
これが僕と彼女の出会いですよ。

でね僕しばらくベッドで放心状態だったんですよ。

「 井口さん?」

で、エプロン姿の彼女が僕の事を呼びに来てくれて。

「あの今更なんですけど、
 トーストで良かったですか?」

「えっ。」

もう今そんなんどっちでもええじゃないですか。苦笑

テーブルには焼きたてのトーストとスクランブルエッグとベーコンとサラダと、
入れたての珈琲があって。
(料理できるんや。)

「いただきます。」

彼女見たら普通に新聞読みながらトースト食べてて。
(俺が純粋すぎんの?)

「 ……やっぱり、お米の方が良かったですか?」

「えっ。」

「だって全然食べてないから。
 それとも、不味いですか?」

「いや 。」

もうとっと食べて帰ろうって思いましたね。

「ごちそうさまでした。」

「いえいえ、お粗末さまでした。笑」

なんか昨日と違ってね、
ニヤって確信犯みたいな笑顔じゃなくて、
何かふわって笑う感じって言うんかな。

「あの、私今日ちょっと会社行かなきゃいけないんで。」

彼女はガチャガチャって食器を流しに置いて立ち上がって。

「えっ、洗わんの?」

「時間無いんで、帰ったら洗います。」

(って何時着替えてたんや。)


なんかバタバタ急いでたから、
そのまま俺は「じゃあ。」って言って彼女の家を出たんですよ。


正直彼女とはもう会わないだろうって思ってましたね。苦笑
連絡先も交換してへんし。
僕も仕事急がしかったですし。


でもね、
また彼女と偶然にも会っちゃったんですよ。


何処でだと想いますか?笑


ラブホ街で会っちゃったんだよね~。苦笑

僕の家ね、
ラブホ街通った方が近道なんですよ。

でね、颯爽と歩いてたら。
何かキョロキョロしてる女性が居ってね。

僕と目が合って。

彼女、笑いかけたんですよ。
で、何て言ったと想います?







        I’m glad to see you again.
       ーまたお会い出来て嬉しいです。-







「はっ?」

思わず言ってしまいましたね。
失礼やとも想ったんですけど。

でもね、
彼女やっぱりおかしいですよね?

だってね、
仮にもラブホ街でですよ。
またお会い出来て嬉しいって。
此処で言うっ?!ってなるじゃないですか。苦笑

でね、最初は彼女シラフやと想ってたんですけど。

なんと!

酔ってたんですよね~。

まさか覚えられてるとは夢にも思ってなかったんですけどね。苦笑


まぁ再開した訳ですけども、
彼女酔ってるし。(何で一人でこんなとこ居るかも訳わからんし。)
此処ラブホ街やし。


また気がついたら、
彼女とホテルで朝を迎えてしまったよね~、
ヤっちゃったよね~って訳ですよ。苦笑


「きゃっ。」

「 ぬおっ。」

驚いて起きたらベッドから落ちましたよ。

彼女布団のシーツ握り締めて立っててね、
目丸くして僕の事震えた指さしながら見てましたね。

もう2回目ですし?
僕だってさすがにもう驚かないですよ。

ベッドにまた横になろうとしたら思い切りビンタされましたね。

 バチン。

「 えっ 。」

「痛い、ですか?」

「は?」

「だから、痛いですかって聞いてるんですっ。」

「いきなりなんやねんっ?!」

そしたらね、またビンタですよ。

 バチン。

「ちょ、なにすんねんっ。」

「だからっ、痛いですかって聞いてるんじゃないですかっ。」

彼女、ふざけてんのかなって思ったんですけどね、
めっちゃ目が馬路やってん。
(逆にふざけてて欲しかったわ。)

「 痛い ですけど 。」

「い、いたい ?」

「痛いですよ、そりゃぁ。
 いきなり叩かれた訳ですし。」

「痛いって。
 これは夢じゃないって事ですか??」

「 そーなんじゃないんですか。苦笑」

「現実って事ですか。」


「貴方、井口さんですよねっ。」

「そーやけど。」

「なんでまた一緒に寝てるんですか??」

(やっぱり、覚えてへんのっ?!)

彼女に叩かれた頬を擦りながら、
ラブホ街で声かけられたとこから説明してあげましたよ。

「また、私ですか。
 ほんとすいません。」

「いやいや。」

「私って欲求不満なんですかね。」

「欲求不満って。
 でも、お酒はあんまり飲まへん方がええと想いますよ。」

「でも私、お酒大好きなんですよ。」

「(そんなん知らんし。)
 でも酒癖あんまりよろしくないんでしょ?」

「そーなんですっ。
 わたしいつもお酒飲むと記憶が途中からなくて。」

(どんだけ飲むんっ?)


「あの。
 私、お酒やめます。
 禁酒します。」

「えっ。」

「だから、禁酒する事ができたら私とまた会ってくれませんか?」

「はい?」

「井口さんにお詫びしたいんです。
 正直、私には井口さんとはあの朝の日しか記憶ないんです。」

「 はぁ。(あの朝って彼女の中での俺ってどんな奴なんやろ?)」

「だから、禁酒して井口さんと一緒に食事して楽しく会話したら、
 お酒飲んでないわけだから記憶もあると思うし。
 私は井口さんとの思い出ができますし、
 井口さんは一食分の御飯代が浮きますし。」

「えぇー。」

そんな、ねー?
御飯代浮きますって、ねー?
しかも、一食分やし。苦笑


「 やっぱり、迷惑ですか ?」

切なそうに俺を見つめる瞳がね。
あれはもう、反則としか言えないですよ。

それに迷惑って今までの出来事なんかよりも
全然迷惑ちゃうしって話しですよ。


「 別に、ええよ。」

「ほんとですかっ。」

「 うん。」

「じゃぁ、連絡先交換しましょう。」

ニコニコ笑って携帯取り出してきたんで、
僕も携帯取り出してね、
赤外線しましたけど。

「じゃぁ、また。」って言って、
ラブホの玄関で別れましたよ。

(あんな爽やかな笑顔でラブホから出てく人、初めて見たわ。)


でもね、
彼女からなんの連絡も無いんですよっ。

僕から連絡するのもなんかおかしいじゃないですか。

だからやっぱり
彼女の事はわからんって事なんですけど。




3ヵ月後。

最初ね、受信したメールの名前見てもわかんなかったんですよ。
「誰?」ってなりましたね。

ーーーーーーーー
件名;
ーーーーーーーー
井口さんですか?
私です、わたし。
覚えてますか?
ついに、お酒と
お別れする事
できましたっ
>x<。。。!
今日の夜、
あいてますか?
ーーーーーーーー

メールの内容見て、
あぁ~って思い出して。

今日の夜は丁度暇やったんで、
いいですよってメール返して。

そしたら8時にxx駅に集合でいいですか?ってきたんで、
わかりましたってメール返したら、
そこで終わりですよ。

( あっさりやなぁ 。)



で、8時にxx駅に行ってきましたよ。

彼女はもう待ってくれたみたいで。
僕を見つけると満面の笑顔でしたよ。







        I haven’t seen you for a long time.
            ー随分久しぶりです。-







彼女ね、
髪の毛切ってたんですよ。

胸位あった黒くて真っ直ぐだった髪の毛をね、
肩位まで切ってて、
緩いパーマ掛けてて。

最初間違えてもうたって思っちゃいましたもん。

「 髪、切ったんですね。」

「はい。似合いますか?」

「 似合ってますよ。」

「ありがとうございます。」

「なんか雰囲気も変わりましたね。」

「お酒飲まなくなったんで、
 お金に余裕できたんで、お洒落に投資してるんです。笑」

「そーなんですか。(どんだけのんべぇーやってん?!)」

歩いて、
彼女お薦めのレストランに向ってた訳です。


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