I'm with you because I'm lonely.

神奈川雪枝

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岡井さんとは、
何回目の家出の時か忘れたけど、とりあえず家出してる時に出会ったっていうか、
声かけられた、気がする、
友達の家を転々として、何日たったんだろう。
なんかもう泊めてくれる人見つけられなくて、駅前でぼーっとしてた時だった。
急に雨降ってきて、傘なんてもってないし、傘買うお金もないし。
駅前で茫然としてた 笑
 
「 だ、大丈夫 ?」
 
急に雨やんだなとか、視界が狭くなったとか思ったら、
スーツきた知らない男が話しかけてた。
 
「 何が?」
 
大丈夫って何が?学校も行かないで家にも帰らないでふらふらしててこの先大丈夫って意味?
それとも、こんな遅くに泊まるところも見つけられなくて、お金もなくて駅前で茫然としてこの状況大丈夫って意味?
 
「 雨、降ってるのに、傘もささんと外居ったら、風邪引いてまうよ ?」
 
「 そうなの?」
 
大丈夫って、そういうことか。
聞きなれないイントネーションに耳が違和感を覚える。
 
「そうなのって、そうかぁ~、若い子はちょっと雨に濡れただけじゃ風邪なんてひかんかぁ~。」
なんて、寂しそうに笑う。
 
「若いとか、若くないとか、生きてればみんな風邪くらいひくんじゃない?」
 
びっくりした顔して、「そうやなぁ~笑」って笑い出した。
 
「何待ちしてんの?友達?彼氏?」
「誰も待ってないし。」
「じゃぁ、なんで帰らんの?終電なくなってまうよ?」
「 家出中だから、終電とか関係ない。」
「 今日、泊まるところないん?」
「だったら、何?」
 
「 僕ん家、来るぅ~?」
 
なんて、ちょっと恥ずかしそうに伏し目がちで言った岡井さんを見てたら、急に私の顔を見てきてニコって笑った岡井さんの顔が忘れらない。
怖いとか気持ち悪いとかちょっと思ったけど、別にいいかなぁ~とか思って、
私は岡井さんの家に泊まることにした。
 
「 俺が高校生のときも、親と喧嘩して家出したことあったなぁ~。」
なんて言いながら、岡井さんは冷蔵庫からお惣菜を取り出した。
 
「 料理、作んないの?」
「え?」
「私の親っていうか、家レストランで、いっつもあったかいご飯でてきてっていうか、ごめん、なんでもない。」
「独身やし、男やからねぇ~。作るより買う方が楽やねんなぁ~。最近のお惣菜、美味しいし。」
「私も、マックのハンバーガー好き。」
「うんうん。明日の朝、一緒にマック行く?」
「私、お金ないよ。」
「俺がおごったるよ、マックくらい笑」
 
岡井さんはよく笑う人だ。
「花子ちゃん」ってよく名前を呼ぶ人だ。
 
寝るときも、布団一つしかないからごめんやけど、一緒にいい?って言われて、
別にって言ったら、寒いから手つないで寝ていい?って言われて、じーって岡井さんのこと見てたら、
ちょ、嘘やん?!なんもせぇーへんよ。って焦って早口でちょっと顔赤くて目泳いでて、
無理やりにこって笑った顔がちょっと引きつってて、かわいいなって思った。
 
朝起きたら、岡井さんの寝顔がすぐ近くにあってびっくりして顔たたいたら、
「え、なに?!なんなん?!」って焦って起きた岡井さんも、
寝ぐせがすごい岡井さんも、
全部ぜんぶかわいいなって思ってた。
 
朝に、マック行ったら、
「美味しいけどさぁ~、やっぱ俺もう年かもしらん笑」
「なに?」
「朝から重い笑」
「私も、ちょっと重いって思った。」
「まじで?嘘やろ?」
「嘘じゃないし。」
「細いもんなぁ~。ご飯はちゃんと食べたほうが体にええで?」
「 知ってる。」
「将来、赤ちゃん産むやろうしなぁ~。」
「 岡井さんは、結婚しないの?」
「おれぇ~?」
「うん。」
「どうやろうなぁ~。したいけど、んー、どうやろぉ~。笑」
困ったら笑って誤魔化す岡井さん。
もし、岡井さんがもう結婚してて、浮気とかしちゃって、浮気相手の女の人に「結婚したい」とか言われても、
「せやなぁ~」とか言って笑って誤魔化しそう。なんて、かわいい人なんだろう、この人は。
 
「 今日は、どうすんの?」
 
「   俺ん家、居てもええよ。」
「いいの?」
「うん。俺、花子ちゃんのファンになったからさ。」
「なに、ファンって。」
「好きってことやん。興味津々。」
「嘘ばっかり。」
「あ、ばれた?」
「岡井さんの家で、寝る。」
「うん。今日は早めに帰ってくるから。」
 
はい、鍵って渡された。岡井さんはこんな家出少女に危機感とかないのかな?
ないか、岡井さんこそ未成年を家にあげたりして、どっちもどっちだな。
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