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もうすぐ同棲する彼氏がいます。
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付き合って3年目だった。
もう少ししたら同棲でもしようかなんて話していた。
浮気しそうもない家と職場だけを行き来するような真面目な人だった。
一緒にいて落ち着く、
これ以上に求めることなどあるだろうか?
何気ない一言を女友達に言った時だった。
「ときめきかぁ、いいなぁ。」
「なにいってんの、あんた彼氏いるじゃん。」
「いるけどさぁ、真面目だしさぁ。」
「息抜きにしてみたら。」と、
友達が私のスマホでマッチングアプリをダウンロードしていた。
「ちょっと。」
「チャットくらいばれないって。(笑)」
友達が適当に私のプロフを作っていく。
この時は考えもしなかったのだ。
出会いがあるなんてことを。
チャットをして数週間。
暇つぶしに何十とくるメッセージに適当に返信をしていた。
ここでの私は彼氏がいない女の設定だった。
仲良くなりましょうとか、
お話ししましょうとか、
会いませんかとかアプローチが続いて、
思わず勘違いしそうになる。
(会えないよなぁ。)
その日彼は突然の飲み会になったとラインをよこしてきた。
その時私の携帯に、アプリから今夜どうですか?と連絡がきた。
会うだけなら、大丈夫。
写真で気になっていた男性だった。
会う約束をすると、心臓がどくどく高鳴った。
緊張しながらお化粧をする。
こんな感覚、いつぶりだろう?
待ち合わせの駅に向かう前に、
彼にごめんと思った。
駅には彼のほうが先についていた。
仕事終わりなんでスーツです。と連絡がきていた。
会えば、やっぱり爽やか好青年だった。
彼とちがって、ちょっと遊んでそうな軟派な雰囲気だった。
そのまま二人で近くの居酒屋に向かう。
緊張しながら他愛ない話をする。
居酒屋では会計をしてくれた。
「酔っちゃった笑」と、
彼が私の腕をつかむ。
「もう。」と言いながら、
私は彼氏に見られないかとひやひやした。
「もう1件いきません?」
時計を見ると、まだ20時だった。
「仕方ないなぁ。」
こじゃれたバーに入る。
私の彼氏はこんなおしゃれなお店にはいかない。
いつもチェーン店か大衆居酒屋ばっかりだった。
薄暗い店内で隣の彼と笑いあう。
ふいに彼の手が私の太ももをなでた。
「ちょ。」
「ダメ?」
「んー。」
「俺じゃ、だめ?」
彼の大きな目に見つめられると、
ダメなのにダメだということができなかった。
曖昧な私は断り切れずにホテルに来てしまった。
時計を見ると23時前だった。
もうすぐ飲み会終わりの彼が家に帰ってくる。
私たちは毎晩電話をしていた。
(どうしよう。)
お仕事、お疲れ様。
今日疲れちゃったから先に寝るね。
ごめんね。
すぐに既読はついて、
わかった!ゆっくり休んでね。と返信がきた。
心臓がものすごい勢いでドキドキする。
お酒が入っているせいなのか。
名前を呼ばれて、
そのままベッドに連れていかれた。
彼氏以外とするのはいつぶりだろうか?
いつもの慣れ親しんだ行為とは勝手が違う。
彼氏よりも荒々しい口づけに、
思わず吐息が漏れた。
ぱっと目が覚めると、朝だった。
一緒にホテルの部屋で朝食を食べる。
俺、仕事だからと駅前で爽やかに別れる。
家に帰る。
彼氏が目覚める。
おはよう!
よく寝れた?とラインがくる。
おはよう!
うん。昨日はごめんね。
いいよ!
優しい彼氏。
いつもの日常。
罪悪感もある。
でも昨日の彼を思い焦がれてしまう私もそこにはいた。
あの日一緒に過ごした彼からは連絡はこなかった。
(よかった。)
うそ、本当は連絡を待っている私もいる。
彼氏とデートをしていて、
ふいに思い出す。
そんな思い出す不埒な私と何も知らないで微笑みかけてくれる彼に、
申し訳なくなる。
浮気なんて、するつもりなかった。
でも、しちゃった。
私たちはもうすぐ同棲する。
だめだよ、他の人に心をときめかせちゃ。
♪~~~
突然なった着信は、彼氏じゃなくて彼だった。
「今夜、会える?」
(会えないよ。)
会っちゃ、だめよ。
「 会える、よ。」
苦しかった。
会えないのも、
会うのも。
どうせ、ばれないって気持ちが勝った。
今度で最後にする。
もう会わない。
車で近くのコンビニで待ってると連絡がはいった。
お気に入りの花柄のワンピースを着ていた。
会うと、久しぶりと彼が頭をなでる。
嬉しくて、申し訳なくて泣きそう。
もう少ししたら同棲でもしようかなんて話していた。
浮気しそうもない家と職場だけを行き来するような真面目な人だった。
一緒にいて落ち着く、
これ以上に求めることなどあるだろうか?
何気ない一言を女友達に言った時だった。
「ときめきかぁ、いいなぁ。」
「なにいってんの、あんた彼氏いるじゃん。」
「いるけどさぁ、真面目だしさぁ。」
「息抜きにしてみたら。」と、
友達が私のスマホでマッチングアプリをダウンロードしていた。
「ちょっと。」
「チャットくらいばれないって。(笑)」
友達が適当に私のプロフを作っていく。
この時は考えもしなかったのだ。
出会いがあるなんてことを。
チャットをして数週間。
暇つぶしに何十とくるメッセージに適当に返信をしていた。
ここでの私は彼氏がいない女の設定だった。
仲良くなりましょうとか、
お話ししましょうとか、
会いませんかとかアプローチが続いて、
思わず勘違いしそうになる。
(会えないよなぁ。)
その日彼は突然の飲み会になったとラインをよこしてきた。
その時私の携帯に、アプリから今夜どうですか?と連絡がきた。
会うだけなら、大丈夫。
写真で気になっていた男性だった。
会う約束をすると、心臓がどくどく高鳴った。
緊張しながらお化粧をする。
こんな感覚、いつぶりだろう?
待ち合わせの駅に向かう前に、
彼にごめんと思った。
駅には彼のほうが先についていた。
仕事終わりなんでスーツです。と連絡がきていた。
会えば、やっぱり爽やか好青年だった。
彼とちがって、ちょっと遊んでそうな軟派な雰囲気だった。
そのまま二人で近くの居酒屋に向かう。
緊張しながら他愛ない話をする。
居酒屋では会計をしてくれた。
「酔っちゃった笑」と、
彼が私の腕をつかむ。
「もう。」と言いながら、
私は彼氏に見られないかとひやひやした。
「もう1件いきません?」
時計を見ると、まだ20時だった。
「仕方ないなぁ。」
こじゃれたバーに入る。
私の彼氏はこんなおしゃれなお店にはいかない。
いつもチェーン店か大衆居酒屋ばっかりだった。
薄暗い店内で隣の彼と笑いあう。
ふいに彼の手が私の太ももをなでた。
「ちょ。」
「ダメ?」
「んー。」
「俺じゃ、だめ?」
彼の大きな目に見つめられると、
ダメなのにダメだということができなかった。
曖昧な私は断り切れずにホテルに来てしまった。
時計を見ると23時前だった。
もうすぐ飲み会終わりの彼が家に帰ってくる。
私たちは毎晩電話をしていた。
(どうしよう。)
お仕事、お疲れ様。
今日疲れちゃったから先に寝るね。
ごめんね。
すぐに既読はついて、
わかった!ゆっくり休んでね。と返信がきた。
心臓がものすごい勢いでドキドキする。
お酒が入っているせいなのか。
名前を呼ばれて、
そのままベッドに連れていかれた。
彼氏以外とするのはいつぶりだろうか?
いつもの慣れ親しんだ行為とは勝手が違う。
彼氏よりも荒々しい口づけに、
思わず吐息が漏れた。
ぱっと目が覚めると、朝だった。
一緒にホテルの部屋で朝食を食べる。
俺、仕事だからと駅前で爽やかに別れる。
家に帰る。
彼氏が目覚める。
おはよう!
よく寝れた?とラインがくる。
おはよう!
うん。昨日はごめんね。
いいよ!
優しい彼氏。
いつもの日常。
罪悪感もある。
でも昨日の彼を思い焦がれてしまう私もそこにはいた。
あの日一緒に過ごした彼からは連絡はこなかった。
(よかった。)
うそ、本当は連絡を待っている私もいる。
彼氏とデートをしていて、
ふいに思い出す。
そんな思い出す不埒な私と何も知らないで微笑みかけてくれる彼に、
申し訳なくなる。
浮気なんて、するつもりなかった。
でも、しちゃった。
私たちはもうすぐ同棲する。
だめだよ、他の人に心をときめかせちゃ。
♪~~~
突然なった着信は、彼氏じゃなくて彼だった。
「今夜、会える?」
(会えないよ。)
会っちゃ、だめよ。
「 会える、よ。」
苦しかった。
会えないのも、
会うのも。
どうせ、ばれないって気持ちが勝った。
今度で最後にする。
もう会わない。
車で近くのコンビニで待ってると連絡がはいった。
お気に入りの花柄のワンピースを着ていた。
会うと、久しぶりと彼が頭をなでる。
嬉しくて、申し訳なくて泣きそう。
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