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慣れてるんで!
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私は結局、パスタセットにした。
フォークで綺麗に巻けないと、
眉が中央に寄る。
先輩はピザのセットで、
美味しそうに大口開けて食べ進める。
(ご飯食べ終わったら、
どうするんだろ?)
なんて、ふと思う。
「せ、先輩!
今日、この後って!」
「あぁ、悪いけど、
俺家の手伝い抜けてきてるから。」
ガーン。
何とか、
叔母さんの顔をたてるために、
連絡のやり取りだけはしようってことで、
落ち着いた。
「桃井、あんまり俺に執着するなよ。」
「どっ、どういう意味ですか?!」
「めんどくさいからはっきりいうけど、
俺は、桃井とは付き合う気ないから!」
「なっ、なんでですか?!」
「お子ちゃまには興味ねぇーの。笑」
「なっ!私の何を知ってるっていうんですか?!」
「頼むから、俺とどうこうなりたいとか、
やめろよ。」
えーん。
先輩は、じゃあと素っ気なく
帰っていった。
(私たち、それなりに仲良かったですよね?!
なんでそんな頑なに私の事ないっていうわけ?!)
オフショルダーの白のワンピースが風に靡く。
(私、華の20代ですよ?!)
帰ろうとしたら、
「桃井先輩?!」と、
最近よく聞く声が後ろから聞こえた。
振り返ると、
私が初めて教育係として教えている後輩の、
青山くんだった。
「青山くん?」
「桃井先輩、おでかけですか?」
「うーん、カフェでランチしただけだよ。」
「おひとり、ですか?」
「あ、まあ、そんな感じ。」
「俺も今日1人なんです!」
瞳をキラキラに輝かせて、
青山くんは私と映画に行かないかと提案してきた。
確かにちょっと気になっていた映画だったので、
一緒に行くことにした。
ポップコーンを買って、
私たちは映画を見る。
(いい映画だったなぁ。)
帰ろと思っていると、
近くに新しくできた中華料理屋さんがあって気になってるから一緒に行きませんか?と言われた。
(まあ、いいか。)
その店の中華はリーズナブルで量も丁度で味も良くて、
私より若いのにリサーチ力あるなと、
後輩査定をしていた。
じゃあ、そろそろ帰るねといいかけると、
カラオケ好きですか?と言われて、
最近行ってないなとおもって、
流れでやってきた。
青山くんの歌声は、
綺麗で、
絶妙に曲選びもセンスあって、
私は楽しんでいた。
気がつけば終電間際で、
流石に帰らなきゃと片付けを始めると、
「桃井先輩、帰っちゃうんですか?」と、
子犬のような顔で私を誘惑する。
「今日土曜日ですよ?」
「でも、終電が!」
「朝まで遊びましょうよ?」
「いやいや、さすがに、帰るよ。」
「BARとか行きます?」
「今日はお酒って気分じゃないよ。」
沈黙。
青山くんと居ると女友達といるみたいに
楽しくて、時間があっという間だ。
「青山くんって、コミュ力めっちゃ高いね?!」
「いきなり、なんですかー?笑」
「今日楽しくてあっという間だったから!」
「よく言われます笑
僕、ずっと吹部だったんですよね!
だから、女の人に慣れてるっていうか!
あ、遊んでるってことじゃないですよ?!」
「ああ、確かに、わかる!
一緒に居て、なんか楽!」
ニコニコ笑いながら、
青山くんは、
私の耳元で囁く。
「今日のご褒美、くれますか?」
いきなりの至近距離に私は緊張して、
生唾をのんだ。
「ご、ご褒美?」
青山くんの顔が近づいてくる。
私は思わず目をつぶる。
ちゅっと、私の前髪をかき分けて、
青山くんの唇がおでこに触れた。
「桃井先輩、可愛いっ!笑」
「ちょ、ちょっと!
かわかわないの!」
「また、一緒にデートしましょうね!」
「でーと?!」
「デートですよん!」
いたずらっ子みたいに笑う青山くんに、
私は振り回されるとはこの時は思いもしなかったのである。
フォークで綺麗に巻けないと、
眉が中央に寄る。
先輩はピザのセットで、
美味しそうに大口開けて食べ進める。
(ご飯食べ終わったら、
どうするんだろ?)
なんて、ふと思う。
「せ、先輩!
今日、この後って!」
「あぁ、悪いけど、
俺家の手伝い抜けてきてるから。」
ガーン。
何とか、
叔母さんの顔をたてるために、
連絡のやり取りだけはしようってことで、
落ち着いた。
「桃井、あんまり俺に執着するなよ。」
「どっ、どういう意味ですか?!」
「めんどくさいからはっきりいうけど、
俺は、桃井とは付き合う気ないから!」
「なっ、なんでですか?!」
「お子ちゃまには興味ねぇーの。笑」
「なっ!私の何を知ってるっていうんですか?!」
「頼むから、俺とどうこうなりたいとか、
やめろよ。」
えーん。
先輩は、じゃあと素っ気なく
帰っていった。
(私たち、それなりに仲良かったですよね?!
なんでそんな頑なに私の事ないっていうわけ?!)
オフショルダーの白のワンピースが風に靡く。
(私、華の20代ですよ?!)
帰ろうとしたら、
「桃井先輩?!」と、
最近よく聞く声が後ろから聞こえた。
振り返ると、
私が初めて教育係として教えている後輩の、
青山くんだった。
「青山くん?」
「桃井先輩、おでかけですか?」
「うーん、カフェでランチしただけだよ。」
「おひとり、ですか?」
「あ、まあ、そんな感じ。」
「俺も今日1人なんです!」
瞳をキラキラに輝かせて、
青山くんは私と映画に行かないかと提案してきた。
確かにちょっと気になっていた映画だったので、
一緒に行くことにした。
ポップコーンを買って、
私たちは映画を見る。
(いい映画だったなぁ。)
帰ろと思っていると、
近くに新しくできた中華料理屋さんがあって気になってるから一緒に行きませんか?と言われた。
(まあ、いいか。)
その店の中華はリーズナブルで量も丁度で味も良くて、
私より若いのにリサーチ力あるなと、
後輩査定をしていた。
じゃあ、そろそろ帰るねといいかけると、
カラオケ好きですか?と言われて、
最近行ってないなとおもって、
流れでやってきた。
青山くんの歌声は、
綺麗で、
絶妙に曲選びもセンスあって、
私は楽しんでいた。
気がつけば終電間際で、
流石に帰らなきゃと片付けを始めると、
「桃井先輩、帰っちゃうんですか?」と、
子犬のような顔で私を誘惑する。
「今日土曜日ですよ?」
「でも、終電が!」
「朝まで遊びましょうよ?」
「いやいや、さすがに、帰るよ。」
「BARとか行きます?」
「今日はお酒って気分じゃないよ。」
沈黙。
青山くんと居ると女友達といるみたいに
楽しくて、時間があっという間だ。
「青山くんって、コミュ力めっちゃ高いね?!」
「いきなり、なんですかー?笑」
「今日楽しくてあっという間だったから!」
「よく言われます笑
僕、ずっと吹部だったんですよね!
だから、女の人に慣れてるっていうか!
あ、遊んでるってことじゃないですよ?!」
「ああ、確かに、わかる!
一緒に居て、なんか楽!」
ニコニコ笑いながら、
青山くんは、
私の耳元で囁く。
「今日のご褒美、くれますか?」
いきなりの至近距離に私は緊張して、
生唾をのんだ。
「ご、ご褒美?」
青山くんの顔が近づいてくる。
私は思わず目をつぶる。
ちゅっと、私の前髪をかき分けて、
青山くんの唇がおでこに触れた。
「桃井先輩、可愛いっ!笑」
「ちょ、ちょっと!
かわかわないの!」
「また、一緒にデートしましょうね!」
「でーと?!」
「デートですよん!」
いたずらっ子みたいに笑う青山くんに、
私は振り回されるとはこの時は思いもしなかったのである。
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