私の夢見つけた

神奈川雪枝

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私だけのものにしたい

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バシャバシャ。
もう何日練習してきただろうか。

バシャバシャ。
25mを永遠に往復する日々。
私は何m泳いできただろうか?

でも、大事なのは距離ではなく、
タイムなのだ。

1秒でも早く、
私は泳がなければいけない。

それが夢でもあるからだ。

バシャバシャ。
昨日も今日も明日も、
私は泳ぐ。

「かおりさん、お疲れさまです。」
「ありがとう。」
タオルを受け取る。

「かおりさん、
あんまりこんつめないほうがよくないですか?」

「そんなことないよ。」

ハァーーー。
深呼吸する。

深い息が早く泳ぐコツだ。
息継ぎを少なくしたい。
息継ぎの間にいかに長く進むことができるか。

「でも、先月より5秒早くなりましたね。」
「ほんと?(笑)」
「来月もこの調子で行けば、
大会ベスト新記録間違いなしですよ。」

「だといいなぁ。」

もっともっと、
早く泳ぎたい。
1秒でも縮めることができたら、
自分のことを褒めてやりたい。

よくやったって。
まだできるねって。

私は私を諦めたくない。

だから、
今日も休憩程々に、
私は可能な限り泳ぐのだ。

水中に居る時間を長くしたい。
水の中が好きだから。

これは私が唯一誇れる好きな事だから。
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