届けちゃダメ

神奈川雪枝

文字の大きさ
1 / 1

ダメよダメ!

しおりを挟む
「お兄ちゃん 。」

小さな声で、
愛しい人の背中に呼びかけた、
真夜中 。


「 今、呼んだ?」

大好きな彼は、
冷蔵庫から麦茶を取り出しながら、
私に問いかけた 。

「 うん、 呼んだ 。」


「 何、飲む?」


「要らない 。」

「 そう?」



( 私が欲しいのは、貴方なの 。)


許されないなんて、
酷いよね 。

何で、
兄妹なんだろう ?


こんなに好きなのに 。


「 何、どうしたん?
 もう夜も遅いし、早く寝なアカンやろ?
 明日、試合って言うてなかった?」


「 うん 。
 おやすみ 。」

「おやすみ。」

にこって、
笑って、

彼は携帯電話をポケットから取り出しながら、
部屋に戻っていく。


今夜も彼は愛しい彼女と話すんだ 。


部屋が隣で、
夜だからあんまり雑音も聞こえないからなのか、
あまりにも壁が薄いからなのかわからないけど、

会話が聞こえてくる。


だから、
毎晩、涙を流しながら私は眠りにつくの。







_____________________
兄妹だって、交わったっていいじゃない?
_____________________
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

蝋燭

悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。 それは、祝福の鐘だ。 今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。 カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。 彼女は勇者の恋人だった。 あの日、勇者が記憶を失うまでは……

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

貴方の幸せの為ならば

缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。 いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。 後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

処理中です...