Part Per Million

神奈川雪枝

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私っている?

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私はあなたにとって、
100万分のいくらであったのでしょうか?
私はあなたにとって、
どれくらいの存在感だったのでしょうか?


休みの日なら一日中ずっと一緒に居られる、
ずっと一緒に居たいって願っちゃダメなの、
不倫女は。

たまたま好きな人が既婚者だっただけなのに。

週末なんて嫌いだわ。
ごめんな、またなって。
最悪。
もう2度と聞きたくない言葉なのに、
毎週末私は彼にそう言われる。

私が会えるのは、
火曜と水曜だけ。

私の予定なんてお構いなしなんだわ。

もっと会いたい。
ただそれだけだったのに。

俺から連絡するから、
君からは連絡しないでくれるかな?

どうして?

ばれちゃったら、
もう会えないんだよ?

そうね。

私って、一体なんなのかしらね。
公にできない女ってなに?
私はそんな悪いことなんてしてないのに。
太陽に背く人生を歩んでなんかないのに。

私はあなたから貰った、
今日はいつものホテル505室。
なんてメールも保護してるし、

会えない夜は、
あなたからの着信履歴を見て、
耐えしのいでいるわ。

土日に会えなくっても、
あなたが家族サービスしているだろうけど、
私はあなたとの約束通り、
連絡もしないで、
涙を静かに流しながら待っているのよ?

私、良い子じゃない。

体だけならどんなに良かったか。
あなたの息抜きで、
火水に呼び出されて、
やったりしなかったり。

私はめちゃくちゃよ。

「はぁ。」

あなたと会ってから、
私は溜息が増えちゃったわ。

お花でも育ててみようかなって思うけど、
私毎日水変えれない。

宝くじでも買おうかな?
もしも、一等が当たったら、
あなたと一緒に暮らす生活資金にするのに。

なんて20代の時は夢見てたけど、
今じゃ私は30代。

火水のホテル代はあなた持ち。
私がお金を使うのは、
服と鞄と靴と下着くらい。

仕事帰りに着れる服なんて限られてる。

お金がたまっても嬉しくない。

あなたは私の老後の事、
心配してくれてる?

一人なのよ、私、あなたのせいで。

でも、貯金があるから大丈夫ねなんて、
絶対言わないで。

やっぱり、
私は土日にはお呼ばれしない女なんだわ。

一人でなんか死にたくない。
あわよくば、
あなたの腕の中で死にたいわ。

「結局、
田舎くさい女が結婚においては
勝者になるわけね。
は。
あんなに
田舎の幼馴染と比べて、
君のほうが
何倍も魅力的だとかいっといて、
このざまなのよ。
ずっと家にいて、
洗濯とか
掃除とかして
ご飯作って
帰りをばかみたいに
一人で待ってる女のほうが
いいわけよね。
ハウスシチューなんか作ってたら
もう子供作れるね。」


思わず負け惜しみが出る。

私は生まれも育ちも東京だけど、
彼は四国からの出だった。

幼馴染とめでたくゴールインして
今は東京に住んでるけど、
彼女はまだあか抜けないんですって。

いつでもミーハーだから、
隣を歩くのが恥ずかしい時があるなんて
愚痴ってたくせに、
そんな芋臭い所が可愛いんだわ。

許せない。

私の着てる服だって、
安くないのに、
あなたのせいで、
私まで安い女になりさがるわ。

そういえば、
子供産まれたっていってたな。

私だって欲しいのよ。
なのに、もう30代。

早くしないと。
タイムリミットがあるのよ、女には。

子供ができたって、
あなたは甘えん坊ね。

まぁ、火水しか甘えられないけど。

あーあ。

私だって、
結婚がしたい。

あなたとは違って、
私だけを見てくれる人と結ばれたいわ。

あーあ。
なのに今日もこうして
あなたからの連絡を待つ私は、
健気なのか、
馬鹿なのか、
悲しくなるわ。
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