日曜日の晩餐

神奈川雪枝

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一緒に食べるだけで

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「なぁ!なぁなぁ~!」

日曜日、午後3時。
部屋でゆっくりうとうとしていた私を覚醒させたのは、
幼馴染の彼からの電話 。

「 なに?」

「ちょ、おま !
 なんでそんな不機嫌なん?!」

耳元で大きな声が響く、ひーびーく 。

「あんね~アンタは休みとか不規則かもしらへんけどなぁ。
 こっちは、今束の間の休日を満喫しとんの 。」

「 なんやぁ~。」

幼馴染といっても、彼は「俺は歌で喰って行く。」なんて言って、
才能を開花させ、今は地元を離れ東京で活動をしている。
(そ~いえば、この前てれび出てたなぁ~←)

「つかさ!俺、これからお前ん家行くからっ!」

「は?!」

「せやから、これからお前ん家行くから。
 晩飯、よろしくっ!」

「おう、まかしとき!」

「ありがとぅ~v」

「おん、待ってるなぁ!ってなる想ってんのか、あんたっ!!!」

「 なんやねん 。」

「なんやねんって、こっちの台詞じゃぼけぇーっ!」

「さっき、おうまかしときって言うてたやんか!」

「そんなんただ乗っかっただけじゃあほっ!」

「ちょ、お前今日機嫌悪すぎやぞ?
 なんなん、あれか?お月さんなんか?」

「ちゃうわ!
 つかもっと女性に対してのデリカシーを考えろっ!」

「うせや~ん。
 もう絶対お月さんやん~。笑」

(笑ってんじゃねぇーよっ。
 ちげーしっ、ちげーしっ。)


「 お前は、俺にそない会いたないんか?」

(何でいきなりこーなるん?!)

「そ、そういうわけちゃうけど 。」


「俺は、久しぶりにお前と飲み明かそうと想ったんや 。
 あかん ?」

「 あ、あかんくは ないけど 。」

「なら、大阪に帰るから。」

「 うん 。」

(あーもー調子狂うわ 。
 何でいきなりそんな馬路なん?男でくんの?女扱いすんの??)


電話を切って、頭の中に冷蔵庫の中身を思い描く。
(もう~買い物に行かなアカンやん 。)

重たい腰を上げて、鏡の前に座る。
(休みなんに、化粧とか !)


準備が出来たら財布を持って、ふと時計を眺めた。
(何時位に来るんやろ?)

食卓に大好きなアイツが笑顔で御飯を食べてる姿が思い浮かぶ。
(くそ、頬が緩んでしまった 。)







        日 曜 日 の 晩 餐 。
        (大好きな人と食べるだけで 。)
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