そう、自然に身を任せて

なんでできないの！？

「もういいよっ！」

「充分頑張った！」

「諦めよう？」

「大丈夫だから。」

「頼むよ。」

妊娠できない私は、
何度も泣いた。

ただ好きな人との子供が欲しい、
それだけなのに。

どうして？

妊活は、
日を増すごとに、
重くなっていった。

性交が苦痛になって、
お互いの負荷になっていく、
あの感じ。

2人して検査もしたのに、
異常ないっていうのに、

どうしてできないの？

涙がとまらない。

「もっとっ。」

「もう、今日は止めよう。」

「なんで？！」

「もう3回はしたぞ？」

「だって、また安全日になっちゃう。」

「今度にしよ？」

悔しい。

どうして？
なんで？

こんなに子供が欲しいのに、
なんで？

次の性交の日、
彼はかえってこなかった。

私よりも会社の飲み会を選んだのだ。

いつも私を優先してくれていたのに。

わかってる。
1年やってできない。
縁がないのかもしれない。

でも、それでも、
諦めなくなかった。

でも、
一人じゃ赤ちゃんは作れない。

一人で声を出して泣いた。

もう、私は求めなくなった。
彼と出会えただけでいいじゃないかと
考えるようにしたのだ。

そうしたら、
彼も前みたいに穏やかな優しい雰囲気になった。

そう、自然に。
交わりたいと思えた。

子供を作ることで頭がいっぱいで義務的にした性交とは違う。

昔みたいに、好きで好きでたまらなくて一緒になりたくて、
久しぶりにした。



「おめでとうございます。」

生理がこなくて病院にいったら、
まさかの言葉に、
私はまた泣いた。