BLゲームの本編にも出てこないモブに転生したはずなのに、メイン攻略対象のはずの兄達に溺愛され過ぎていつの間にかヒロインポジにいる(イマココ)

庚寅

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3歳の僕

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家族に愛されながらの幸せな毎日を過ごしていたある日、いつもは王立学園の授業の後、生徒会の仕事で夕食の少し前位の時間に帰ってくるカディラリオ兄様が、ミスティラリ兄様よりも早く帰ってきた。


今年幼学院卒業のミスティラリ兄様は現在、ほぼ全ての授業を既に履修済で、卒業までに必ず出ないといけない授業以外はもうほとんど自由登校のような状態。
ほとんど、と言うのは王立学院での生徒会のような役割をしている執行部で部長に就いている兄様が、次の部長になる後輩に引き継ぎや指導をしに行っているから。
優秀過ぎる兄様の後なんて、きっと凄く大変だろうな、と思う。
そんな優秀な兄様は、登校の必要がない日はずっと邸で僕と一緒に過ごし、登校の必要がある日は必要最低限の予定だけこなして、すぐ帰宅してくる。



そんなミスティラリ兄様よりも早く帰ってくるなんて、普段からは考えもつかないほど早く帰ってきたって事だ。
授業や生徒会の仕事はどうしたんだろう?
何か急用が入ったのかな?




ちなみに現在王立学園1年生のカディラリオ兄様は、同学年の第1王子の補佐役として生徒会にいる。
ゲームでは、2年生から3年生までの生徒会長をする第1王子を補佐する為、副会長をしていたんだけど…
学園に入学した当時の兄様は、第1王子に一緒に生徒会入りする様にと話を持ちかけられて、1週間も固辞し続けた。
兄様曰く、僕と一緒にいる時間を優先したいから、生徒会はおろか、何の部にも入る気は無いと言い切っていた。



結局、どんな説得にも応じない兄様に頭を抱えた第1王子が、1週間目に王族として命令する形で入会させたんだけど…
その際に、役職には就かず、第1王子のただの補佐として入る事。
必ず夕食には余裕を持って帰れる時間には解放する事。
と条件を付けたらしい。


命令まで受けてるのに大丈夫なのかな…とその時は心配になった。
それまで、いかに僕との時間を奪われた事が悲しいのかを、珍しく笑顔ではなく悲壮に暮れながら懇々と訴えるように泣き付かれていたんだけど、大丈夫なのかを聞いた瞬間に、兄様は笑顔で大丈夫だと言って、今後第1王子に会うことがあってもあんな横暴な人間とは口を聞くんじゃないぞ、と強く念押しされた。
でもそれは、この国の貴族としては無理なんじゃ…と心の中で思いはしたものの、兄様の笑顔に妙な威圧を感じてしまって頷く事しかできなかった。


こんな感じで本当に来年副会長になるのかと心配になるけれど、来年には兄様や王子が卒業した後会長になる、ミスティラリ兄様も生徒会に入るし、きっと無事にそのまま補佐として副会長になるんだろうと思う。
ゲームでは副会長として、生徒達から圧倒的な支持を集めていたし。
カディラリオ兄様は、強いだけじゃなくて勉強もできるし、生徒みんなの憧れの凄い人なんだ。



いつものように帰宅したその足で僕の元に来て、抱き上げ抱き締めてくれる兄様に、疑問に思っている事を聞いてみる。



「兄様、学園での勉強や生徒会のお仕事はもう終わったのですか?」


「レティは今日も柔らかくていい匂いで可愛くて、変わらず天使だな。
今日は授業は、明日の準備をする為の時間に変わったからもうないんだ。
生徒会の仕事は昨日まで、早く帰りたいのを我慢して散々手伝ってやったから今日はもういいんだよ。
はあ、久しぶりにゆっくりレティと過ごせる。」


柔らかいのは子供だから仕方ないし、いい匂いなのも子供特有の匂いだろうか…可愛いのも小さいからだろうな。
両親や兄様達、使用人達の言う天使だって言葉は、もう親バカフィルターやブラコンフィルター、身内フィルターによるものなんだろうとスルーする事にしている。
つっ込んでも更によく分からない理由を、語られ続けるだけだからだ。


それにしても、休日は社交をほったらかす勢いでずっと一緒に過ごしているし、学校以外の時間は殆ど一緒にくっついて過ごしてる。
食事も、お風呂も、寝る時も、ミスティラリ兄様と揃ってずっと一緒。
あ、お風呂はどちらかとの交代ごうたいで入ってるけど、それだって1日置きには一緒だし…
うーん。
いつも、一緒にたくさんゆっくりしてる気がするんだけどなぁ…?



よく分からなくて首を傾げると、カディラリオ兄様は苦笑いを浮かべて椅子に座って僕を片膝に乗せた。
横に兄様の体正面がくるような体勢だ。
因みに今日も僕は自室で本を読んでいたから、僕の勉強用の机とセットになっている椅子だ。



「あと、レティを早く誘いたくて急いで帰ってきたんだ。」


「お誘い?」

何のか分からなくて、傾げていた反対側にまた首を傾げた。




「そう、お誘い。
明日、俺の通ってる王立学園で学園祭をするんだ。
レティを招待する為にここ数日、レティとの時間を泣く泣く削って頑張って準備してたんだよ。
だからレティ、一緒に学園祭、来てくれないか?」



学園祭!
そうか、今はそんな時期か。
ゲームでのイベントにも出てきた学園祭。
ゲーム開始前だし、僕は邸から出る事が滅多にないから気が付かなかった。
確かにここ数日、兄様は夕食ギリギリの時間まで帰ってこない日が続いてたな。
学園祭か。
兄様達とは歳も離れすぎてるし、ゲームが開始しても身近で見る事は叶わないと思っていた、学園に通う兄様。
それもゲーム内でターニングポイントになる学園祭に、年は違えど兄様と一緒に参加出来るなんて!!
なんて素敵なお誘いなんだろう!!!



「もちろん!
ぜひ一緒に行きたいです!!!」



興奮も隠せないまま、勢い込んで返事をする。
兄様は幸せ溢れそうな満面の笑みで喜んでくれた。
もちろん僕も。
嬉しすぎて全開の笑顔だ。



兄様は僕の口に、ちゅっと口付けを落とし、イケメン溢れる笑顔で明日一緒に行く事を約束してくれた。










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