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4歳の僕 ♢学園編♢
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しおりを挟む入学式の式典が始まり、現在学園長さんの有難くも、ながーーーーーーいお話の最中。
僕は長時間立ち続ける事は当然出来ないし、式ではさすがに兄様の腕の中、という訳にもいかないので、保護者枠と共に新入生達の最後尾で椅子に座らせてもらっている。
立ったり座ったりの儀式内儀礼作法も免除で、終始座りっぱなし。
有難いのと申し訳ないので半々位の気持ちだけど、年齢的に仕方ないと割り切る事にした。
そんな事言ったら今後の学園生活も、まともに送れなくなってしまうからね。
何しろ、僕の学園生活はこの特別措置がぎゅうぎゅうにすし詰め状態なんだから…。
壇上の学園長先生は、何故か僕の事を見つけてからソワソワチラチラと、僕の方を伺いながら話し続けている。
何だかとても気まずい。
それにしても長い。
偉い人の話は、異世界でも共通して長いみたいだ。
このままだと寝てしまいそうな僕は(眠くなったら寝てもいいって言ってもらってるんだけど)、この後の生徒会会長になった第1王子、ではなく、その王子の入学おめでとう的挨拶の間、王子の後ろに控えるように他生徒会役員と共に並ぶ予定の、(ゲームの設定通り)副会長になったディー兄様と、新入生代表挨拶をするミー兄様(これまた設定通り余裕の首席入学だったんだよ! 流石だよね!! ) が出てくるまで、僕がどうやって10歳ほども離れた他の生徒達と一緒に学園に通うのか、をおさらいする事にした。
学園長さん、ごめんなさい。
そもそも、この学園。
授業の受講システムが前世の大学、という所のシステムに似ている。
必修科目は各学年各クラスごと、若しくは実技は学年内の実力別にグループ分けされたごとに受けるのだが、それ以外は自分で学びたいものを選択していく。
これは将来どの道に進むかによって優先して必要な知識を自分で選んで身につけていけるように、という学園の方針によるものだ。
この学園は王立なので、つまりは、より専門的に、よりその分野で優秀な人物に育つように、という国の意向も多分に含まれている。
この授業の組み立ての仕方や履修の過程も、卒業後の就職の際には審査される上でのポイントのひとつになるらしい。
そんな訳で、必要な教室や野外設備も多いこの学園の敷地は、とても広い。
この世界でも有数の大国の、唯一の貴族学校。
これからのこの国を支える人材を育てる場。
国が力を入れない訳がない。
広さはもちろん、この学園には設備も国の最新の技術が集められている。
それこそ、学園長さんのもうひとつの顔、魔道具研究所所長の立場も遺憾無く発揮されて。
その技術のひとつとして、各要所に設置されている、転移型魔法陣。
魔道具の中でも有名な、行きたいところに一瞬で行ける魔道具だ。
本来は王宮内部、若しくは領地間の移動に使用される魔法陣。
それがこの学園内には何箇所も、驚く数設置されている。
国の本気が窺える。
使用時に必要な魔力は魔道具が空気中の魔力を勝手に吸収し補充する自動型になっていて、それに加えて予備魔力動力源が常にセットで付けられているので、どれだけ使っても使用時に体内から魔力を取られる事は無い。
この予備魔力動力源は魔石を媒体にしていて、毎日新しいものに取り替えられる。
これは王宮魔道士団の仕事で、交換のために毎日担当の人が王宮から学園まで来るらしい。ご苦労さまです。
この魔法陣、授業に関わりのある設備はもちろん、教師用の棟や、部室棟、特別区域、式典用会場、中庭や裏庭、庭園、など、敷地内のあらゆる場所に設置されているんだ。
だから学園生徒は、選択した授業の行われる場所にはもちろん、その他の場所にもこの魔法陣を使って、楽に、自由に移動できている。
こんなに設備が充実しているのは、王宮と、この学園、あとは幼学院位。
凄いよね!
貴族の通う学校だから、教室内の装飾や、各生徒の使用するテーブルや椅子に至るまで前世の記憶にある学校とは、個人に与えられるスペースも、設備の豪華さも全然違う。
机と椅子だけでも、隣との間隔が十分にとられていて、机は大きく側面には彫り細工がされたものだし、椅子もクッション付の座面ふかっふか!
ずっと座っててもお尻が痛くならないし、失礼な話になるかもしれないけど、下位貴族の家にある家具よりも質のいい物だと思う。
因みに僕はその机と椅子ですら、実は特別措置されている。
…それについては、また後で詳しく思い出そう。
そんなゆとりスペースなので、教室自体も室内が広い。
そして各クラスの人数も前世と比べると少ない。
ひとクラス10~15人程かな?
まあ、貴族しか通わないから、一学年の人数もしれてるんだけど。
因みにクラスは成績順で分けられている。
より実力の近い者同士で見合った授業が受けられるように。
クラスは数字で表記される。1組、2組、って感じで。
でも特別優秀な人だけ集めた特別クラスがあって、そのクラスだけ何故か数字じゃない。誉組って呼ばれてる。
そんなゆとりスペースだらけの学園内は、いくら魔法陣があっても僕一人では移動もままならない。
だって体力ない上に歩幅も違うし。
僕が歩いていたら確実に周りの邪魔になるだろうしね。
そんな僕のお世話をする為だけに、これまた特別措置がとられた。
それが僕の保護者枠。
この学園に通うことが決まってから僕に専属で付けられる事になった執事のルー。
正式には、ルデニアル。
今、僕の斜め後ろに控えるように立っている、明るく薄い色合いの茶髪に、濃い緑の瞳の。
一見冷たそうな印象を受けるクール系イケメンだ。
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