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第157話 ルカの愛②
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「ルチル、呪いは俺が引き受ける。君は、君のやるべきことをやれ」
何か言う間もありませんでした。
防護結界を張っていた私は、ただただ、ルカがペンダントを手に、エルザ妃の元へ駆け寄るのを見ていました。
ルカは苦しむエルザ妃の心臓に、オニキスのペンダントを押し当てました。
エルザ妃の黒いもやが、みるみるペンダントに吸い込まれていきます。
呆然と、私はそれを眺めていました。
そうか、ルカが愛しているのは、今でもエルザ妃なんだ。
だって、私の目の前で、命がけで、彼女を助けているんですもの。
愛するエルザ・ローズへ。
そうだ、ルカが彼女に贈った腕輪にだって、そう刻まれていたじゃないですか。
こんなときに、ふふ……ああ、私、失恋、したんですね。
ペンダントが瞬き、エルザ妃の呪いのもやを吸いつくしたのは一瞬でした。
次の瞬間、ルカは私の目の前で、くずおれるように倒れ、その倒れたルカを今度は真っ暗なもやが包んでいました。
かわりにエルザ妃がゆらりと立ち上がり、呪文を唱えると、空中につららのような、特大の氷の槍を呼び出していました。
瞬きする間に、特大の氷の槍は、ドラゴンをくし刺しにしていました。
それでも、ドラゴンは血を吹き出しながらじたばたとあがきました。氷に包まれ、くし刺しにされながらも、まだ獰猛に首を振ります。
ドラゴンの生命力はどんな魔物も及ばないと言いますが、それを見せつけられているようでした。
「魔力が尽きたわ!」
エルザ妃が顔面蒼白で振り返りました。
「だれか! とどめを!!! はやく!!!!」
私は、防御結界を解いていました。
そして、私に呼び出せる限り、ありったけの雷撃の呪文を唱えていました。
何か言う間もありませんでした。
防護結界を張っていた私は、ただただ、ルカがペンダントを手に、エルザ妃の元へ駆け寄るのを見ていました。
ルカは苦しむエルザ妃の心臓に、オニキスのペンダントを押し当てました。
エルザ妃の黒いもやが、みるみるペンダントに吸い込まれていきます。
呆然と、私はそれを眺めていました。
そうか、ルカが愛しているのは、今でもエルザ妃なんだ。
だって、私の目の前で、命がけで、彼女を助けているんですもの。
愛するエルザ・ローズへ。
そうだ、ルカが彼女に贈った腕輪にだって、そう刻まれていたじゃないですか。
こんなときに、ふふ……ああ、私、失恋、したんですね。
ペンダントが瞬き、エルザ妃の呪いのもやを吸いつくしたのは一瞬でした。
次の瞬間、ルカは私の目の前で、くずおれるように倒れ、その倒れたルカを今度は真っ暗なもやが包んでいました。
かわりにエルザ妃がゆらりと立ち上がり、呪文を唱えると、空中につららのような、特大の氷の槍を呼び出していました。
瞬きする間に、特大の氷の槍は、ドラゴンをくし刺しにしていました。
それでも、ドラゴンは血を吹き出しながらじたばたとあがきました。氷に包まれ、くし刺しにされながらも、まだ獰猛に首を振ります。
ドラゴンの生命力はどんな魔物も及ばないと言いますが、それを見せつけられているようでした。
「魔力が尽きたわ!」
エルザ妃が顔面蒼白で振り返りました。
「だれか! とどめを!!! はやく!!!!」
私は、防御結界を解いていました。
そして、私に呼び出せる限り、ありったけの雷撃の呪文を唱えていました。
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