45 / 234
神界編 第2章 アトランティスの王子ヨシュア
第3話 ヨシュアの許婚ネロはいつもヨシュアをいじめた。
しおりを挟む
アトランティスの支配層の子弟が通う宇宙士官大学校の高等部で、現在、学生を束ねる自治会長は将軍家の跡取息子ネロだった。そしてヨシュアは王族の特権で在籍していると皆にに思われているような、何をしても上手に出来ない士官候補生だった。
華奢で女性のように見える容姿は、場違いな者として、完全にお客さん扱いされていた。
「ヨシュア! いつまでお前は男のなりをしているつもりだ!
どう見たって、お前はもう女だ」
と云うなり、最上級生でありヨシュアの婚約者であるネロは、皆の前でヨシュアを突き飛ばした。
簡単に反対側まで投げ飛ばされ、倒れこんで起き上がれないヨシュアを見て、
「お前に士官は無理だ。こんな情けない上官では、誰が命を預けられよう」
と、ネロはヨシュアに言った。
「もうそろそろ無駄な抵抗は止めるべきだ」
倒れ込んでいるヨシュアのもとへネロは歩いて行き、ヨシュアに手を差し伸べた。
しかしヨシュアは差し伸べたネロの手を振り払った。
そのヨシュアの態度に怒ったネロは、今度は無理やりヨシュアを引き寄せ、身動きが出来ないほど強く抱きしめたのち、むりやり口づけをした。しかしなおも抵抗するヨシュアに、ネロはついに切れた。
「その態度は何だ! 私はお前の許婚なんだぞ! 染色体検査で、お前はすでに変性が始まっていることはみんな知っているんだ。それなのにお前がそれを認めず、いつまでもここに居ようとするから、みんな困っているんだ!」
ネロは気分次第でヨシュアにつらくあたったり、優しくしたりした。
ネロとヨシュアのバトルは、もはや毎日の行事のようなものになっていた。
パリスが卒業してしまった今、誰もヨシュアを守ってくれるものはいない。
「我がフィアンセよ、お前はいつまで私を待たせるつもりなんだ?
わがままがあまりに過ぎると、優しい私でも、見捨てて置けなくなる。
さあ、どうするヨシュア? 私が恋しくて離れていたくないと言うのなら、もちろん私も寛大な愛で答えよう。
しかし今のままではダメだ。だから今から、お前の主人として、お前を調教することにした」
と云うなり、ネロはヨシュアに強烈な蹴りを入れた。
「ヨシュア、この程度の攻撃をかわせなくてどうする。この程度の痛みを耐えられなくてどうする。このまま士官候補生として学校に残っていたいのならば、早く起き上がれ! それが出来ないのならば、早く女神の園へ行き、私の妻となる準備を始めろ!」
それからしばらくの間、ネロは痛みにあえぐヨシュアを面白そうに黙って見ていた。しかしそれに飽きるとネロは、うずくまったまま起き上がれないヨシュアを再び引き寄せ言った。
「優しい私だから、不細工極まり無いお前を我慢して娶るのだ」
そして嘲るようにヨシュアに言った。
「さあ、結婚前だが、ご主人さまを満足させてみせろ。それがいづれお前に出来る唯一の務めとなる。いまだに変性出来ない、お前はくずだが、それでも許そう。未分化の体で半分しかつとめを果たせないとしても、許そう。さあ、そのすべてで、私を満足させてみせろ」
ヨシュアはもはや、抵抗する力も無く、ネロの愛と言う名の暴力を受け入れるしかなかった。
ヨシュアに救いの手を差しのべるものは誰もいなかった。
しかしそんなある日、奇跡が起きた。
いつもと同じように、ヨシュアはネロの気まぐれの餌食となっいたのだが、
「そこまでだ、ネロ。下級生いじめは止めなさい!
授業にもどりなさい。いくら婚約者が愛しくとも、ここではいけない。つつしみなさい!」
と、医術の教官ジャドが二人の間に入り、騒ぎを鎮めた。
ネロはせっかくの楽しみを邪魔されて少し不機嫌だったが、教官の後ろにたたずんでいた一人の若者に気づくと、新しい獲物を見つけた喜びのせいか、さっきまでの不機嫌さはいつの間にか消えていた。
「ちょうどいい、みんなに紹介しよう。彼は異世界から我々の世界の医術を学ぶためにやってきた、プレアデス星の学者でユダくんだ」
それからヨシュアに、
「ヨシュア、彼は若いが、占星術の分野ではとても有名な方なので、せっかくだから、この際、占星術をきちんと彼に教わるといい」と言った。
ヨシュアと同じ年齢の子供たちはすでに変成期をむかへ、クラスの半分のものは女神の園へ去っていた。
誰が見てもヨシュアは女性への変成がすでに始まっているように見えるのだが、検査ではまだぎりぎり未分化という判定が下されていた。
ヨシュアは特異な体質でもあったが、結局のところ、その強い意志で女性への変成を自分で止めていた。
何がなんでも大嫌いなネロと絶対、結婚しないという強い意志が変成の認定をギリギリのところで止めていた。
しかしそれもそろそろ、限界のところまで来ているのは誰の目にも明らかだった。
華奢で女性のように見える容姿は、場違いな者として、完全にお客さん扱いされていた。
「ヨシュア! いつまでお前は男のなりをしているつもりだ!
どう見たって、お前はもう女だ」
と云うなり、最上級生でありヨシュアの婚約者であるネロは、皆の前でヨシュアを突き飛ばした。
簡単に反対側まで投げ飛ばされ、倒れこんで起き上がれないヨシュアを見て、
「お前に士官は無理だ。こんな情けない上官では、誰が命を預けられよう」
と、ネロはヨシュアに言った。
「もうそろそろ無駄な抵抗は止めるべきだ」
倒れ込んでいるヨシュアのもとへネロは歩いて行き、ヨシュアに手を差し伸べた。
しかしヨシュアは差し伸べたネロの手を振り払った。
そのヨシュアの態度に怒ったネロは、今度は無理やりヨシュアを引き寄せ、身動きが出来ないほど強く抱きしめたのち、むりやり口づけをした。しかしなおも抵抗するヨシュアに、ネロはついに切れた。
「その態度は何だ! 私はお前の許婚なんだぞ! 染色体検査で、お前はすでに変性が始まっていることはみんな知っているんだ。それなのにお前がそれを認めず、いつまでもここに居ようとするから、みんな困っているんだ!」
ネロは気分次第でヨシュアにつらくあたったり、優しくしたりした。
ネロとヨシュアのバトルは、もはや毎日の行事のようなものになっていた。
パリスが卒業してしまった今、誰もヨシュアを守ってくれるものはいない。
「我がフィアンセよ、お前はいつまで私を待たせるつもりなんだ?
わがままがあまりに過ぎると、優しい私でも、見捨てて置けなくなる。
さあ、どうするヨシュア? 私が恋しくて離れていたくないと言うのなら、もちろん私も寛大な愛で答えよう。
しかし今のままではダメだ。だから今から、お前の主人として、お前を調教することにした」
と云うなり、ネロはヨシュアに強烈な蹴りを入れた。
「ヨシュア、この程度の攻撃をかわせなくてどうする。この程度の痛みを耐えられなくてどうする。このまま士官候補生として学校に残っていたいのならば、早く起き上がれ! それが出来ないのならば、早く女神の園へ行き、私の妻となる準備を始めろ!」
それからしばらくの間、ネロは痛みにあえぐヨシュアを面白そうに黙って見ていた。しかしそれに飽きるとネロは、うずくまったまま起き上がれないヨシュアを再び引き寄せ言った。
「優しい私だから、不細工極まり無いお前を我慢して娶るのだ」
そして嘲るようにヨシュアに言った。
「さあ、結婚前だが、ご主人さまを満足させてみせろ。それがいづれお前に出来る唯一の務めとなる。いまだに変性出来ない、お前はくずだが、それでも許そう。未分化の体で半分しかつとめを果たせないとしても、許そう。さあ、そのすべてで、私を満足させてみせろ」
ヨシュアはもはや、抵抗する力も無く、ネロの愛と言う名の暴力を受け入れるしかなかった。
ヨシュアに救いの手を差しのべるものは誰もいなかった。
しかしそんなある日、奇跡が起きた。
いつもと同じように、ヨシュアはネロの気まぐれの餌食となっいたのだが、
「そこまでだ、ネロ。下級生いじめは止めなさい!
授業にもどりなさい。いくら婚約者が愛しくとも、ここではいけない。つつしみなさい!」
と、医術の教官ジャドが二人の間に入り、騒ぎを鎮めた。
ネロはせっかくの楽しみを邪魔されて少し不機嫌だったが、教官の後ろにたたずんでいた一人の若者に気づくと、新しい獲物を見つけた喜びのせいか、さっきまでの不機嫌さはいつの間にか消えていた。
「ちょうどいい、みんなに紹介しよう。彼は異世界から我々の世界の医術を学ぶためにやってきた、プレアデス星の学者でユダくんだ」
それからヨシュアに、
「ヨシュア、彼は若いが、占星術の分野ではとても有名な方なので、せっかくだから、この際、占星術をきちんと彼に教わるといい」と言った。
ヨシュアと同じ年齢の子供たちはすでに変成期をむかへ、クラスの半分のものは女神の園へ去っていた。
誰が見てもヨシュアは女性への変成がすでに始まっているように見えるのだが、検査ではまだぎりぎり未分化という判定が下されていた。
ヨシュアは特異な体質でもあったが、結局のところ、その強い意志で女性への変成を自分で止めていた。
何がなんでも大嫌いなネロと絶対、結婚しないという強い意志が変成の認定をギリギリのところで止めていた。
しかしそれもそろそろ、限界のところまで来ているのは誰の目にも明らかだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる