誘拐記念日

木継 槐

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3、

協力②

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その日から僕たちは毎日のように放課後にどこかの教室を借りて集まるようになった。
借りに行くのは透だけというわけにもいかず、じゃんけんで決めようとしたけどさすがに強い弱いがあるからと、名簿順で手が打たれた。

「それで?シールの票が集まってなおかつ一番気になるのがこの4つに絞られたわけだけど……誰が答えられる?」
黒板に直接マグネットで貼られた付箋は『誘拐されていた』『主人格リサさん』『アレルゲン入りクッキー』『人殺し』3つが僕で1つが赤だった。僕はそっと手を上げた。
「えっと、誘拐とアレルゲンクッキーは僕から。」
「俺からも少し言い足せると思うから少し口挟むぞ。」
「うん。」
すると悠一が加勢を告げてくれたから、少しだけホッとした。

透は僕が話し始めると、1枚目の付箋を少し離れた位置に置いてチョークを手に取った。
「えっと、僕が誘拐されたのは2か月前くらいで、場所は通学路のバス停だった。車に乗るように促されたから、てっきり学校に運ばれるんだと思って車に乗ったんだけど、学校からどんどん離れて行って……その日は何かいろいろ連れまわされて、あのアパートに住むことになった。」
僕がその日の状況を思い出しながら説明すると、みんなの顔が複雑な顔でゆがんでいく。

「それどこかで逃げなかったのか?」
「逃げるって言っても土地勘はなかったし、まあいいかなって。」
「……君、抜けているを通り越してだいぶクレイジーなこと言ってますよ?」
「改めて聞いたけどやっぱりお前もなかなかのやばさだよな。」
透の呆れ顔に重なるように、悠一も苦虫をかんだように顔をしかめた。

「悠一は僕の主張分かってるでしょ?」
「あぁ……こいつの母ちゃん、最近まで入院してたんだと。」
「僕、家の事まるっきしダメだったんだけど、誘拐されてからは衣食住心配しなくてよかったし、学校にも通えてたから。」
「問題なかったと?」
「うん。」
僕の返答に透たちは少し表情が和らいだけどまだなんとなく納得はいかない様子だった。

「宗太の荷物はどうしてたの?」
憲司は僕に質問を投げかけてから個別で何かメモを取っていた。
「僕が影子さんの家に着いた時にはもう運びこまれてたよ。」
「え、それ怖くなかったのか?」
悟は頬をヒクつかせて僕の話に聞き入っている。
「さすがに怖かったけど、鍵も渡されて、家に一人って事もなぜか知られてたから……いいかなって。」
「ほぼ諦めてんじゃねぇか。」
秋大は突っ込みを入れながら僕の手元のメモに目を向けていた。

「誘拐が終わったのが、母さんの退院日だった。影子さんと一緒に僕の荷物を家に運んでくれたんだ。」
「そりゃまたご丁寧ですね。」
「もしかしてこないだのあれか……で消息もつかめなくなったと。」
「うん。」

透は僕は息をついたのを確認すると、徹は手を止めて一つため息をついた。
「では次のメモに入りましょうか。」
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