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6話 昼休み
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―昼休み。
4時間の間、私は記憶の植え付けによる頭痛と壮絶な戦いをし、見事に勝利した。…記憶が増えなくなっただけなのだが。
またいつ痛みが来るか分からない。痛みが無くなったとはいえ気は抜けない。
腹がへっては戦は出来ぬ、というので購買でフランスパンを買ってかじりついた時だった。
「望ー!!」
「…っ、ふごがっ?!」
「昼休みなのに私を呼ばないなんて!ひどいじゃない!」
後ろからごりごりと頭を押し付けながら喋る彼女。…そういや忘れてた。この人一応“ここの私”の親友なんだ。
昼休みは誘わなきゃダメだな。
彼女…そろそろ名前で呼ぼうか。灯は頬を膨らませ、ぶつぶつと文句を呟いている。ぷくーっと音がつくくらいに膨らませているのがまた可愛らしい。
「あ、っと…ごめんね。」
「ううん、別に良いの。何か朝から悩んでるみたいだし…」
ちょっとまだ文句がありげな表情で灯は話した。
うん、可愛らしいうえに良い子とか男子から圧倒的支持つされているだろうな。いや絶対されてる。
灯はそのままナチュラルに私の手にあったフランスパンをかじり、向かいの席の椅子に座る。
…この子、間接なんちゃらとか気にしないんだろうか。
「でもなぁ、私より考えなきゃいけない悩みかあ…。ちょっと嫉妬しちゃうな…」
「嫉妬って…灯ね…」
「だってえ…。」
…この子、本当に私のこと親友として見てるんだよね?のお大きな愛は私受け取れないよ?
そんなことはないだろうけど…。
私はまたフランスパンを一口かじり、改めて灯をじっくりと見る。
綺麗な茶髪の髪は毛先まで手入れがされており、見て分かるくらいサラサラだ。瞳は吸い込まれそうなほど綺麗な黒の瞳で、まつげが長い。リップをつけているであろう唇は潤いがあり、ほんのり赤い。
私を、一点をじっと見つめる瞳に、見惚れてしまう。
「望?」
「あ…、」
「今日、ほんとに望らしくない。何があったの?」
もう、1度話してしまおうか。
そう思って口を開いた時。
「望さん」
男子にしては少し高めの声。振り替えれば、2時間前に会話を交わしたあの男の子。
灯は驚きつつも、その男の子の名を呼んだ。
「あっ、連くん!」
「こんにちは、灯さん。相変わらず望さんと仲が良いんですね。」
「もっちろんよ!私と望は親友だからね!」
「…微笑ましいです。」
そう言って微笑む2人の間には、ほのぼのとした空気が生まれた。私の入る隙間がない。
(この2人、絵になるなあ…)
ふっ、とゲームのシーンと重なるがすぐに他の考えにかき消された。
ゲームのシーン。
そう言えば、ゲームのタイトルは何だっただろうか。
思い出せない。あれだけやりこんだのに。
変だなあ。
違和感を感じるが、今は気にしなくても良いだろう。手にあるパンを食べ進めていく。
「望さん」
「んー…どうしたの?」
「このあと、少しお話出来ませんか?」
お話…なんだろうか。
問題はなかったので、二つ返事でOKする。
…隣で話を聞いていた灯がまた嫉妬がどうのこうの言っているのは気のせいだろう。
不思議な雰囲気をもつ少年。
無意識のうちにじっと見ていたのか、少年こと連は首をかしげた。私はすぐに視線を外し、灯の嫉妬の話へ耳を傾ける。
その話途中でもなぜか、連との話が気になる。
とにかく、話を早くしたくてパンを食べるスピードを速めた。
4時間の間、私は記憶の植え付けによる頭痛と壮絶な戦いをし、見事に勝利した。…記憶が増えなくなっただけなのだが。
またいつ痛みが来るか分からない。痛みが無くなったとはいえ気は抜けない。
腹がへっては戦は出来ぬ、というので購買でフランスパンを買ってかじりついた時だった。
「望ー!!」
「…っ、ふごがっ?!」
「昼休みなのに私を呼ばないなんて!ひどいじゃない!」
後ろからごりごりと頭を押し付けながら喋る彼女。…そういや忘れてた。この人一応“ここの私”の親友なんだ。
昼休みは誘わなきゃダメだな。
彼女…そろそろ名前で呼ぼうか。灯は頬を膨らませ、ぶつぶつと文句を呟いている。ぷくーっと音がつくくらいに膨らませているのがまた可愛らしい。
「あ、っと…ごめんね。」
「ううん、別に良いの。何か朝から悩んでるみたいだし…」
ちょっとまだ文句がありげな表情で灯は話した。
うん、可愛らしいうえに良い子とか男子から圧倒的支持つされているだろうな。いや絶対されてる。
灯はそのままナチュラルに私の手にあったフランスパンをかじり、向かいの席の椅子に座る。
…この子、間接なんちゃらとか気にしないんだろうか。
「でもなぁ、私より考えなきゃいけない悩みかあ…。ちょっと嫉妬しちゃうな…」
「嫉妬って…灯ね…」
「だってえ…。」
…この子、本当に私のこと親友として見てるんだよね?のお大きな愛は私受け取れないよ?
そんなことはないだろうけど…。
私はまたフランスパンを一口かじり、改めて灯をじっくりと見る。
綺麗な茶髪の髪は毛先まで手入れがされており、見て分かるくらいサラサラだ。瞳は吸い込まれそうなほど綺麗な黒の瞳で、まつげが長い。リップをつけているであろう唇は潤いがあり、ほんのり赤い。
私を、一点をじっと見つめる瞳に、見惚れてしまう。
「望?」
「あ…、」
「今日、ほんとに望らしくない。何があったの?」
もう、1度話してしまおうか。
そう思って口を開いた時。
「望さん」
男子にしては少し高めの声。振り替えれば、2時間前に会話を交わしたあの男の子。
灯は驚きつつも、その男の子の名を呼んだ。
「あっ、連くん!」
「こんにちは、灯さん。相変わらず望さんと仲が良いんですね。」
「もっちろんよ!私と望は親友だからね!」
「…微笑ましいです。」
そう言って微笑む2人の間には、ほのぼのとした空気が生まれた。私の入る隙間がない。
(この2人、絵になるなあ…)
ふっ、とゲームのシーンと重なるがすぐに他の考えにかき消された。
ゲームのシーン。
そう言えば、ゲームのタイトルは何だっただろうか。
思い出せない。あれだけやりこんだのに。
変だなあ。
違和感を感じるが、今は気にしなくても良いだろう。手にあるパンを食べ進めていく。
「望さん」
「んー…どうしたの?」
「このあと、少しお話出来ませんか?」
お話…なんだろうか。
問題はなかったので、二つ返事でOKする。
…隣で話を聞いていた灯がまた嫉妬がどうのこうの言っているのは気のせいだろう。
不思議な雰囲気をもつ少年。
無意識のうちにじっと見ていたのか、少年こと連は首をかしげた。私はすぐに視線を外し、灯の嫉妬の話へ耳を傾ける。
その話途中でもなぜか、連との話が気になる。
とにかく、話を早くしたくてパンを食べるスピードを速めた。
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