サンタが来るまでに

いとま

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サンタが来るまでに

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 「エントツからサンタが入ってくる」
そんなことを子供の頃にキラキラ光る
クリスマスの絵本で見たことがある。
僕の家では昔お風呂を薪で沸かしていたこともあり、煙が出る煙突のようなものがあり
子供心ながら「あそこからはサンタさん入れないよなあ。」と思ってしまった。
そんなことを思っていつか忘れてしまうぐらい大人になってしまった。
街を歩いてると着たくもない
サンタのコスプレを着て仕事をする人。
飲食店の人、アパレルの人、ピザ屋さん
を見てご苦労さまと声をかけたくなる。
そんな僕は今年もこの聖なる夜に
仕事を入れていて、得に特別じゃない
12月の24日、25日を過ごすことにした。
寒空の下、雪もチラつく今年の
この日を僕は帰ろうと思う。
早く帰って、僕の家に来るはずもない
サンタを待つために帰ろうと思う。
少し子供に戻った僕は、周りに人がいないことを確認して少しだけスキップしてみた。
そして現実に戻された僕はとりあえず咳払いをして、少し上がった息がバレないように
少しずつ呼吸して、また慣れた歩き方で
帰り道を歩いていった。
今日サンタを待つみんなへ。今日は
寝れないかもしれないけど
サンタが来るまでにちゃんと寝るんだよ。
子供も大人もみんな全員

メリークリスマス。
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