死神になった日

いとま

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1日目

墓荒らし

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玉音放送が鳴り響いた日本。虚しく聞こえる
すすり泣き。全部無くなった。
家も金も家族も恋人も。全て消えた。

俺はどん底まで落ちた。死んだ方がマシだと思った。死ぬほうが幸せなんじゃないか。
そんなことばかり考えて、配給を貰う日々。

腹に貯まらない財産を、
一日と経たないうちに下痢として垂れ流す。
生きる意味とはなんだろう。なぜ人は生きるのだろう。死んで行った者は、なんの為に
この世に生を受けたのだろう。遺体に沸く蛆虫(うじむし)でさえ生きているのに、何故、何故。

終戦をした次の日から
宛もなく彷徨った。何も無い土地で
何もかも無くした人達が蹲(うずくま)る。

そこで見つけた鉄製のスコップ。
火事場泥棒とはこの事だ。拝借することにした。これさえあれば、芋やタケノコなんかを
収穫も出来る。無論、盗みになるが。

掘っても掘っても出てくるのは骸だけ。
食えたもんじゃない、これじゃ
まるで墓荒らしだ。辞めてしまおう。

でも不思議なもので骸を見ていると
慈悲の心が溢れた。俺は今日から
骸を見つけたら、勝手に埋葬することにした。俺しか出来ないこと。だから掘り起こす。

これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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