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20日目
赦された街
しおりを挟む残された虚無や悔しさを
もう一度味わうとは思わなかった。
重い体とスコップを引きづり
次へと向かう。彼の遺した大切な人を
目指して。
見えてきた。確かにこの時代にしては
栄えている街がある。なるほど。
米軍が駐屯しているのか、道理で。
日本人の女は中働きとして使われていた。
生きるために体と立場を犠牲にする。
そんな非国民の集まる場所。
そこに1人、異質を放つ女性が居た。
白い大きな洋服を着て、米軍のお偉いさんに
挨拶をする。綺麗な人だ。まるでこの戦争に
関係が無いかのようなそんな面持ちだった。
街の連中が俺を見てくる。
みすぼらしい格好の俺を
米軍の兵士が引き止める。
すかさずに写真を見せた。
そこでなんとなく察しがついたようで
すぐに手を離した。
そしてすぐにその女性へ声をかける。
この男を知らないか。
そう聞く。そうするとその綺麗な顔の日本人は嬉しそうに知ってると答えた。
そして間髪入れずに伝える。
青い目の彼は死んだと。俺が原因だと。
聞いた瞬間膝を折って泣き出してしまった。
これで良かった。知らない方がいいこともあるが、知らないままで後悔することもある。
これで良かったんだ。
これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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