紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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闇の撮影会 七

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「かわいいな。舐めてやりたいな。舐めてやってもいいですか?」
「駄目じゃ」
 にべもなくピロテスに言われても、尚ハサピスは未練げな目を、手のなかの初心うぶな若芽に向ける。
「一回だけキスさせてくださいよ、このいじらしい坊やに」 
「許さぬ。これから、撮影じゃ。手を放せ」
「えっ、ここで止めるなんて殺生な!」
 ハサピスは物欲しげな目で訴えるが、命令に逆らうことはできず、しぶしぶアレクサンダーから離れた。
 だが身体を昂らせられて、いきなり波を止められて苦しいのはアレクサンダーも同様のようで、頬を赤らめ、美しい肉体を小刻みに震わせているのがハサピスに満足感をあたえた。
(俺を、俺の手を欲しがっていやがる)
 そう思うことは、ハサピスをぞくぞくさせた。
「さぁ、撮影じゃ。まずは、そうじゃな、二人で抱き合ってみるがよい。立ったままでよい」
 熱にうかされていたアレクサンダーだが、その言葉に正気を取り戻し、あわてた。
「よ、よせ……!」
「へへ……、じゃ、遠慮なく」
 ハサピスの汗臭い身体を押し付けられ、アレクサンダーは抗ったが、兵士たちがゆるさない。
「や、やめろ、来るな!」
「こりゃ、いつまでも駄々をこねるでない。抱き合うだけじゃ」
 逃れられず、アレクサンダーはハサピスと立ったまま抱き合う格好になる。
 ハサピスの身体からは汗と煙草とアルコールの臭いがする。
 男の臭い、それも下層階級の男の強烈な臭いがアレクサンダーにまとわりついてくる。臭いよりも辛いのは、男の身体の熱、ざらざらとした皮膚の感触、股間に押し付けられてくる欲望である。
 アレクサンダーは嫌悪に悲鳴をあげそうになった。
「どうじゃ、ハサピス、抱き心地は?」
「最高ですね。ああ、なんてきれいな肌なんだろうな。しっとりすべすべして、絹のようだ……」
 遠慮なくハサピスの手が白絹のようなアレクサンダーの背を撫でまわす。
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