紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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悪党たちの城 十

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「どうじゃ、なかなか良い眺めであろう。水鏡の罰では、ほぼ半裸にさせて足を開かせた売春婦の足元に、水鏡といって、水を張った盥を置くそうじゃ。そうすると女の秘密の場所が水鏡にうつり、それを見物人に見られて女は死ぬほど恥ずかしい思いをするというが。まぁ、鏡は今回は免除してやろう。これだけ恥ずかしい格好をさせたのじゃからな」
 シャルロットの閉じた瞼から涙があふれる。
 哀れではあるが、まだ大人になりきらぬ少女、それも絶世の美少女のすさまじいまでに淫らな姿は、おそろしく嗜虐的で見る者の心を騒がす。
 しかも、シャルロットはまだ無垢なのだ。おそらく。
 そう思うとピロテスの征服欲と攻撃欲がいっそう燃える。
(これは、目の毒じゃな。まさに甘美な毒じゃ)
 女、いや男でも、美し過ぎる者は他者の心を騒がす。この館にそういった美男美女をあつめ、快楽を求めてくる金持ち客たちを遊ばせ、大金を払わすのが主とピロテスの目的だ。
 だが、本当の目的は……、ピロテスにとっての真の狙いとは、そういった富裕層の男や、女たちを惑わせ、悩ませることなのかもしれない。奴隷たちも、彼らを金で買おうという客たちも、どちらも傷つけてやりたいのだ。
 そんなことを考えていると、胸の内になんとも説明しがたい奇妙な感情が生まれることをピロテスは自覚した。
 名家に生まれ育った上流階級の者たちに対しての恨みと嫉妬が、ピロテスの心の底にずっと渦巻いているのだ。
 裸に剥かれて惨めな姿をさらし頬を涙で濡らしているシャルロットは、まぎれもなく、ピロテスが憎み続けた貴顕の世界の象徴であった。
 しかも、悲惨きわまりない格好だというのに、シャルロットはやはり絵のように麗しく、近寄るとかぐわしい香がただよってきてこちらを悩ませるのだ。
 雪白の肌は気品があり、縄目のあいだに見える胸のふくらみの素晴らしさもさることながら、淡い桃色の二つの突起は罪深い小さな果実のようだ。
 辛そうに閉じられた瞼や、苦しげに時折ひらく薄紅色の唇は、乙女の羞恥と淑女としての志操の強さをあらわしており、痛々しくあればあるほどに気高くさえ感じられる。
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