紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

文字の大きさ
149 / 298

恥辱の邂逅 五

しおりを挟む
「そんなこと言える立場かよ? 足を開かせろ」
 ヴルブナが命じると私兵たちの手が機械的にアレクサンダーの足を左右からひっぱる。
「よ、よせ!」
 仰向けにされているアレクサンダーは、両手をベッド脇の二人の私兵におさえられたまま、両足もおなじように兵士たちによって引っぱられた。
「うう……!」
 四肢をおさえこまれ、否応なしに秘部がシャンデリアの明かりのもとにあわらにされる。
「くぅ……! は、はなせ、下種!」
「ふふ。せっかくの色っぽい下着だが、そのままだと見えないから外すぞ」 
「よ、よせ!」
 惨めな女ものの下着であっても、今や唯一アレクサンダーの肉体をかばってくれている布きれである。それも無残に奪われそうになり、アレクサンダーはうろたえた。
「ほうら、紐をほどくぞ」
 わざともったいぶるようにしてヴルブナはねちねちとアレクサンダーをいたぶった。
「よせ、よせ、やめろ!」
 みずからの肉体の秘密を意識しだしたときから、アレクサンダーは人一倍の羞恥の感情を持つようになった。
 己の肉体を人に見られることに関しては女性以上に抵抗があるのだ。
 この館につれてこられてから、散々な目にあわされてきたが、それでもその感覚は麻痺することなくアレクサンダーをいっそう悩ませる。
 ヴルブナの手の動きはひどくゆっくりだ。さらなるいたたまれなさにアレクサンダーは苦しむことになるが、それこそがヴルブナの目的なのだろう。
「ああ、やめ、やめろ! ああ……」
 アレクサンダーは目を閉じ、ヴルブナはほくそ笑んだ。 
「ほうら、」
 わざとらしくアレクサンダーの目前で、剝ぎとった黒布を垂らして揺らす。
 ヴルブナはどこまでも残酷で陰湿だ。恥もなく、わざと自分の顔に近づけて、犬のように鼻を嗅ぐ真似をしてみせる。
「ああ、あんたの臭いがするな。随分濡れてる。少佐、おもらしでもしたんですか? ぐっしょりですよ」
 手酷い辱めの言葉に、アレクサンダーの頬が赤く燃える。
「自分で確かめてみるといい。ほら、」
「うっ!」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(2024.10.21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

処理中です...