紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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花嫁披露 九

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 狂った芸術家の見る夢の世界が、楽園の亡国王家の宮殿の奥ふかく、秘められた閨室において展開していった。
 半男半女たちの、両性具有者たちの、それは世にも不思議で奇妙で、人によっては背徳的、冒涜的ともとりかねない、性の宴がくりひろげられていく。
「ああっ、あっ、ああっ」
 互いの身体の特異性のせいか、今までの調教のせいか、破瓜の痛みはさほどなく、信じられないほどに、アレクサンダーはレキウスの肉体に迎合してしまった。
 それどころか、初めてのことだというのに、充分に快楽の蜜をほとばしらせ、レキウスを喜ばせてしまう。
「ああっ、こんな、こんな……」
 レキウスは当然のごとく、再度挑んできた。アレクサンダーもそれを受け入れた。そうせざるを得なかったというよりも、アレクサンダーの身体もまたレキウスを求めていたのだ。
 磁石のように互いの身体が引き寄せられ、ぶつかりあう。
 レキウスが自らの胸と股間をアレクサンダーに押し付けた。
「うう……」
 四粒の大小の果実が爆ぜあい、二匹の小蛇がたわむれあう。アレクサンダーはあまりの刺激に呻いた。
「だ、だめだ、こんな、こんなこと……」
 そんなアレクサンダーの両頬を両手でつかんだレキウスに導かれるようにして、レキウスの乳房に顔をうずめ、レキウスの求めるままに、彼の乳首を口にふくんだ。
 女性との経験がないアレクサンダーである。今まで受けた調教でも、この行為はあまり強制されなかった。
 アレクサンダーは困惑した。
 アレクサンダーの心を読んだかのように、レキウスは笑いながら告げた。
「おまえがしたいようにすればいいのだ。おまえのやり方でするがいい」
「う……」
 自分でもうまくはないとはわかっているが、それでも、おそるおそる、薄紅色の小粒の果実へ舌を伸ばしてみた。自分がされるより、恥ずかしかった。
 頬を熱くしながらも、それでも、たどたどしくはありながらも、アレクサンダーは口でレキウスの左の乳房をついばみ、王者に仕える奴隷のごとく奉仕していた。
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