いいんじゃない?

周防

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 俺の心臓はもう壊れてしまうんじゃないかと思うくらいに鼓動していた。
 それぐらい緊張していた。
 でも初めてってそんなものだと思う。
 
 
 どれだけ頭の中でシミュレーションしただろうか?
 上手く出来るだろうかと何度考えただろうか?
 でもそんなものなど全て一瞬で消え去った。
 
 
 その二つの大きな物を目の前にしたら頭の中は真っ白だった。
 嗚呼、何という摩訶不思議。
 きっとこれに逆らう事など出来はしないと心底そう思った。
 
 
「触ってもいい? 」


 だからそんなアホな質問をしてしまった。
 
 
「いいんじゃない? 」


 彼女が笑ってそう言うから、俺は余計に緊張して手を震わせながらおっぱいに
 触れた。ファーストタッチ。人生で初めてのその感触に俺は感動した。
 何だこれは! こんな事があっていいのか!
 
 
 揉み続ける俺に百戦錬磨の彼女は恐ろしい事を提案して来た。
 
 
「入れないの? 」


 入れる? 何を? ナニを? 何処に? あそこに? 本当に?
 
 
「入れていいの? 」


 馬鹿みたいに聞く俺。
 
 
「いいんじゃない? 」


 そう言った彼女に俺はもう入れるしかないと思った。
 
 
 ズプププ
 
 
 初めて俺は宇宙を知った。
 こんなにも近くに宇宙があるなんて知らなかった。
 嗚呼、こんなにも無重力なのか……
 
 
「動いてもいい?」


 そう言いながら既に腰を動かしていた俺の頭の中はもう真っ白で、ただただ
 快楽を求める探究者となっていた。
 どうすれば気持ちよくなれるのか?
 そんな事ばかりを考えていた。
 
 
「も、もう限界です! だ、出しても」


「いいんじゃない? 」


 そしてビックバンは起こった。
 これがきっと宇宙の始まりで、終わり。
 
 
 ドッピュ~~~
 
 
 最高の女を見つけたと俺は思った。
 
 
 
 
 
 ★★★★★★★★★★★★
 
 
 
 
 
「ありがとうございました~」


 手切れ金を渡した俺。
 金さえあれば最高の女に出会えるのだと知った、春だった。
 
 
 
 
 
 
 





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