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しおりを挟むゲームを進めるにはどのように行動するのがいいのか?
それは当然ヒロインの近く、側に居る事が一番いい。
だから俺はヒロインとお近づきになる事にしたのだ。
「初めましてシリルさん、俺はナジル。今後ともよろしくお願いしますね」
悪手を求めて差し出した手、彼女は訝しげに俺を見てから
「よろしくナジル君」
俺の手を握る。
握った。
握ってしまった。
「君とは親友になれそうな気がするんだがどうだろ、シリル? 」
「何を言っているの? 私達は親友でしょ? 」
「そうだったね、ごめんごめん。それじゃあ行こうか」
「ええ、そうしましょう」
こうして俺はシリルと親友になった。
これなら意外とすぐに攻略出来そうな気がする。
やっぱり転生者というのは能力がチートじゃないと駄目なんだよな。
俺は触れた相手の情報を書き換える事が出来るという、誠に素晴らしい能力を
持っていた。だからと言って簡単に使える訳ではないのだが……それでも成功
すればそれはそれは素晴らしい能力である。
さて、最初のターゲットは誰にしようか?
なんて考えながらシリルと共に教室へと移動した俺はさっそく一人目の
ターゲットと遭遇する事になった。
★★★★★★★★★★★★
「悪かったねシリル。僕は君がすべきだと言ったのだが、聞き入れて貰えなかった
んだ。許してくれるかい? 」
やって来たのはオイロ―。入学試験ではシリルに次いでの成績だった男だ。
新入生の挨拶は本来、シリルが選ばれるはずだった。でもそれは反対されて
しまったのだ、平民だという理由で。
貴族が平民に負けるなんて事があってはならない。
それ故にオイロ―が選ばれた。それに彼は王族である、尚更シリルが選ばれない
理由には持って来いだった。
「許すだなんてそんな、オイロ―様が選ばれて当然です。お気になさらないで
下さい」
そして俺はそんな彼を見ながら想像する。
綺麗な金髪に整った顔立ち、頭の先からつま先まで全てが一級品だ。
実に素晴らしい、実においしそうだ。
どうやって料理をしようか?
今まで挫折と言うものを知らない彼だ。
そんな彼を屈服させるのはさぞ楽しいだろう。
初めはきっと何でもないような顔をして、我慢するのだろう。
でもそんな我慢もいつまで持つだろうか?
俺が相手で我慢何て出来るのだろうか?
嗚呼、早く鳴かせてやりたい。
俺の前で屈服するする姿を想像するだけでイってしまいそうだった。
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