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第3章 ~よう
閑話~あのヒ、あのトキ、あのバショで~④
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これはかなり昔へと遡る。
《sideアピス
俺は妹に勉強を教えながら、優雅に紅茶を嗜んでいた。
「……あぁ妹よ、外を見給え。鳥が優雅に飛んでいるではないか」
「鳩だよ…」
実の妹ではないのだが、友達の妹で勉強を教えて欲しいと乞われ喜んで引き受けた。言ってしまえば、『兄』気分がより強まるので誇らしげになれるのでまさにwin-winってやつだ。さらに、妹ちゃんは勉強に意欲的で教え甲斐がある。素晴らしい。
「…ふぅ。乙なものだ。こんなに天気がいいんだ。勉強が終わったら外に行こう!!学校が教えられるのはあくまで普遍的で集団の平均的な学習能力を高めることが期待できる代償に、ペース管理が難しいことや個別対応にそぐわないことなどが挙げられ」
「買い物頼まれてる」
「まぁ行ったついでに家に来ないか?」
「そこだけ聞いたら犯罪臭がするね」
「どうせ○○ちゃんは俺の真意分かってるでしょ…」
「…弟に会わせたい…でしょ?」
「もう、ぶっちゃけ俺より賢くね??俺が○○ちゃんくらいの年の時はもっとアホだったよ」
「知識と経験は負けてるね」
「…今の俺と比べて負けるのそれだけかな??天才はコワイワー」
バリバリに問題を解き進めながらこの反応速度である。元から言葉を選んで遅めの返事なので通常運転。キャー才能ってこわい。一人でおどけていると、質問をくらう。
「なんでこうなるの…?」
「ほら、あの公式覚えてないかな?二乗三乗の法則だよ」
「…分かった」
はっきり言って手のかからない子。苦手教科を克服したいかつ自力である程度できるので、横槍を刺すことで集中力と並行処理能力を上げようとしていたり、大人顔負けの少女である。もっとも、気になる存在が手元にいない一抹の不安が拭えないため俺の方が集中できてない……。
《大丈夫だよ。兄さんは心配し過ぎなんだよ》
優しすぎる弟は眩しい。だが、稀に、蔓延る悪意のようなナニカが、まるで永遠の眠りに誘う悪魔達が後ろにいるかのように翳ることがある。だから…綺麗で儚げな弟が不安で仕方なくなる。
グッ…
胸辺りが締め付けられるような、いや、大事なものが手元にない不安感から集中力が本当に続かないようだ。だから、俺が声にいち早く気付いた。
「アピス!!■■がっ!!」
「っ!またあいつらか!」
行ってくると妹に軽く伝えて飛び出す。現実として起こり得る想像が、気付けば間近に来てしまった……。言ってしまえば何度か似たことはあった。
ゾワッ...!
人通りの多いところを走っているのに、強い孤独感が瞬間的に起こる。寒気に近い感覚だ。これが何を感じ取っていたか、なんて当時の俺には分かるわけがなかった》
《sideアピス
俺は妹に勉強を教えながら、優雅に紅茶を嗜んでいた。
「……あぁ妹よ、外を見給え。鳥が優雅に飛んでいるではないか」
「鳩だよ…」
実の妹ではないのだが、友達の妹で勉強を教えて欲しいと乞われ喜んで引き受けた。言ってしまえば、『兄』気分がより強まるので誇らしげになれるのでまさにwin-winってやつだ。さらに、妹ちゃんは勉強に意欲的で教え甲斐がある。素晴らしい。
「…ふぅ。乙なものだ。こんなに天気がいいんだ。勉強が終わったら外に行こう!!学校が教えられるのはあくまで普遍的で集団の平均的な学習能力を高めることが期待できる代償に、ペース管理が難しいことや個別対応にそぐわないことなどが挙げられ」
「買い物頼まれてる」
「まぁ行ったついでに家に来ないか?」
「そこだけ聞いたら犯罪臭がするね」
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「…弟に会わせたい…でしょ?」
「もう、ぶっちゃけ俺より賢くね??俺が○○ちゃんくらいの年の時はもっとアホだったよ」
「知識と経験は負けてるね」
「…今の俺と比べて負けるのそれだけかな??天才はコワイワー」
バリバリに問題を解き進めながらこの反応速度である。元から言葉を選んで遅めの返事なので通常運転。キャー才能ってこわい。一人でおどけていると、質問をくらう。
「なんでこうなるの…?」
「ほら、あの公式覚えてないかな?二乗三乗の法則だよ」
「…分かった」
はっきり言って手のかからない子。苦手教科を克服したいかつ自力である程度できるので、横槍を刺すことで集中力と並行処理能力を上げようとしていたり、大人顔負けの少女である。もっとも、気になる存在が手元にいない一抹の不安が拭えないため俺の方が集中できてない……。
《大丈夫だよ。兄さんは心配し過ぎなんだよ》
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グッ…
胸辺りが締め付けられるような、いや、大事なものが手元にない不安感から集中力が本当に続かないようだ。だから、俺が声にいち早く気付いた。
「アピス!!■■がっ!!」
「っ!またあいつらか!」
行ってくると妹に軽く伝えて飛び出す。現実として起こり得る想像が、気付けば間近に来てしまった……。言ってしまえば何度か似たことはあった。
ゾワッ...!
人通りの多いところを走っているのに、強い孤独感が瞬間的に起こる。寒気に近い感覚だ。これが何を感じ取っていたか、なんて当時の俺には分かるわけがなかった》
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