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プロローグ1《キングトウマ》
しおりを挟む「トウマ!INしているのは分かっているぞ!!さぁ我等と決闘せよ!!!」
睡眠、何と素晴らしい響きだろうか。
人間の三大欲求の一つに君臨する。睡眠
「トウマ!出てこぬようじゃが、まさか貴様怖気付いたのか!?」
それは人生の中で"至福のひととき"であり、唯一の救いというものである。睡眠
「まぁ流石に世界最強と謳われる貴様でもこの大軍勢に恐れをなすのは仕方ないな!ワッハッハ!」
唐突だが人の睡眠とは大きく二つのシステムで形作られている、第一のシステムは起きている間の疲労蓄積からくる「睡眠欲求」睡眠欲求は起きている時間が長いほど強くなり。徹夜などで長時間起きていると普段寝つきが悪い人でもすぐに眠っていまいしかも深い眠りになることが多いと言われており一度眠るとこの睡眠欲求は減少するさらに(その人にとって)十分な時間たっぷりと眠ると睡眠欲求は消失すると言われているというそして第二のメカニズムは「覚醒力」覚醒力は体内時計から発信され、一日の決まった時刻に増大し………
【中略】
……そして俺は今現在その睡眠を妨げられている(まぁゲーム内で寝る事自体非常識なのだが)
重い体をゆっくりと起こし、そして女の声が聞こえる窓の元へと静かに歩み寄る
うん、やはり木製の家というものは素晴らしい。自然を肌で感じる事ができ、何よりも自然そのものにとても近いと言えるだろう
なぜ自然が素晴らしいか説明しよう。まず自然とは……………
【中略】
……先程とても聴きたくのない声が聞こえたが恐らくそれは"聞き間違い"というものだろう。
「さぁ出てこんかトウマ!早よ我等と決闘せよ!」
……大丈夫、わかってる。あれは聞き間違いではないという事は分かってる。もうね、アチシは疲れたのよ、寝させて欲しいのよ、本当俺が何をしたっていうのさ。
そして窓を小さく開き、その隙間から外を覗き込む
「ブフォッ!」
おいおいおいおいおいおいおい!
えちょ…ウソ……マジかよなんだよアレ…あんな大群……っ………
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
「………………………」
天井を見る。木目と木の独特な香りが自然の雰囲気を醸し出し、まさに力の抜けるような心地良さだ。うん、わかってる。これから多分。この家は見事に崩壊することになるだろう。
「…………最悪だ。」
さっといつもの戦闘服を装備して着替えを済まし、そして扉の前に立つ
漆黒のオーバーコートに身を包み、背中には剣を背負っている。滑り止めの為の黒いグローブ、そして漆黒のブーツ、全身が黒に包まれており、それはまさに"普通の剣士"が着るには非常識的な身なりである。
白銀色の髪に金色の瞳
清潔感溢れるその容姿はまさに美青年、と言えるだろう
手のひらを扉に添え、俺は思い出に耽っていた
20軒目のマイホーム。今日でお前ともお別れみたいだ、これまでありがとな………
ユリスもちょうど調達に行かせたばかりだし、どうやらお前を守ってやる事はできない……どうか耐えてくれ…………
覚悟を決め添えた手に力を込めて扉を押す
あー。外が眩しいな、その眩しさの中に映ってはならないものが沢山
「お、やっと出てきたか!待っておったぞ!」
ニヤリと笑みを聞かせながらこちらを見ている、竜の翼を持ち、その身長の低さからは似合わないほどとても気の強そうな女性だ、装備を見るからに高レベルプレイヤーなことは明らか・・・・まぁ俺に決闘を申し込むんだから当たり前か
「純白の髪に紫色の瞳、そしてID 08kings…!やはり本物じゃったか!!」
※サブID見られたか……
※サブID
MOFには"メインID"と"サブID"が存在する
メインIDはゲームにログインする際に使うものであり
サブIDは自身の"身分証明書"のようなものである
サブIDがメインIDと違う点
・同じIDのプレイヤーは存在しない
・ゲーム側がランダムで選ぶ
・第三者でも見ることができる
・自分で変更することは出来ない
「あの…何ですかその軍隊……」
女は良くぞ聞いてくれたと言わんばかりの勢いで答えた
「ワッハッハ!見るがよいそして恐れるがよい!我が《撃竜の咆哮》精鋭2000人のメンバーと!」
「我等《レジエント》ギルド精鋭騎士団2200人の騎士!」
「そして戦闘特化NPC20000人、1300匹ものドラゴン!延べ総勢24200人と1300匹で貴様に決闘を申し込む!」
久しぶりに見たぞこんな数…見るからに本当に2万人くらいいるし……てかマップが赤い点で埋め尽くされてるし!
これまでの中で一番多いぞこれ………………てかどうやってこんな大人数集めたのよ......
なぜこうなったのか。なぜ今俺がこんな大軍勢に決闘を申し込まれているのか、そもそも今の状況が何なのか自体、恐らくこれを読んでいる方は意味がわからないだろう。
では、ゆっくりと説明していこう
ーー2153年、ある技術大国が国家資金の約5%を投資し、5年の時を費やして作り上げた、「フルダイブ型VR技術」
これまでになかった新ジャンル、
Full dive Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Game
略してFDVRMMORPG
【Magic of fantasy】
通称【MOF】
フルダイブソフトの発売と同時期に発売され、全世界約1億人ものユーザーを持つ大人気VRゲームである。
自由度が極めて高く職業や種族の数も膨大であり、それと同じように装備や武器の量も恐ろしい程だ
レベルは大きく分けて、『プレイヤーレベル』と『ジョブレベル』がありプレイヤーレベルの上限は最大で1000でジョブレベルの上限はそれぞれ50~1000などバラバラだ
職業は大きく分けて、料理や家事、経営など日常的なことが行える【日常職】。そして魔道士や剣士などの戦闘が主な【戦闘職】。
日常職は取得条件が存在せず何個でも取得できるが、戦闘職は最大で10個しか持つことができず、100Lv到達毎にどれか一つ獲得できるようになる。
それも欲しい職業を獲得するためにはその職業ごとに決められた高難度の条件をクリアしなければ獲得できない。
数値としては1000が限界だが上限レベルを超えても獲得できる経験値や能力の上昇が止まることはないため、同じ1000Lv到達者でもその強さは大きく変わったりする
更にアイテムの種類は1億種類以上、職業によってはオリジナルアイテムを作ることもでき、専用のツールを使うことによって既存の装備や武器の外装を好きなように変更することもできるため他のプレイヤーと装備が被ることは殆ど無いと言えるだろう。
そして装備や武器など特定のアイテムにもレベルが存在し、その気になれば木刀や金属バット、更にはピコピコハンマーなどのネタ武器に装備条件100Lv以上のレア装備と同程度の性能を持たせることもできるわけだ
人工知能(AI)によってアップデート毎に自動でクエストやマップまでもが追加され、NPCも人間に近く作られているために時によってはどこかでNPCが国を作ったりNPC同士の国が戦争をすることもある。
ではその気になればNPCの国を壊滅させたり、占領したりもできるのでは?
確かにできる、できるのだがもしそういうことをすれば運営から見事な※垢BANを食らうことになるだろう
※垢BAN=通称アカウントBAN。ウェブサービス、ゲームなどの管理会社にアカウントを剥奪、停止される事である。
これは余談だが、NPCの国で無害なNPCを殺したりすると賞金首になり、その国に出入りすることができなくなる。さらに賞金首はプレイヤーやモンスター、警備兵NPCなどに殺されるとアイテムの半分をロストしてしまうのだ、その為むやみにNPCを殺したりするプレイヤーはほとんどいない。
まぁこれまで言ったことからわかる通り、このMOFはまさに飽きることのない素晴らしきゲームだ
で、俺についてだが。
序盤にてあのヤカマシイ女が言っていたように、俺はこのゲームで"世界最強"と言われている
理由は2155年に一度だけ行われた、全世界の最強プレイヤー達が集う大会で優勝してしまったからなのだ
しかも他のプレイヤー達を圧倒した上での勝利だったがため(腹黒い)運営に目をつけられ、アカウントを徹底的に調べられた挙句、運営側から多額の報奨金と激レアアイテムが俺の首に掛けられた。理不尽だ。
そしてなんと俺の討伐報酬として出る激レアアイテムが【聖剣・エクスカリバー】なのである。これについては俺でも喉から手が出る程欲しい。ウン
このゲームのシステム上1000Lv到達者は一度でも死ぬとアイテムの3分の1が"ランダム"で消滅するし、更に誰かに殺された場合はその3分の1が相手の手に渡ることになるため、協力者の一人もいない俺にとっては地獄に等しい
まあ簡単に言うと。俺はいわゆるゲームの追い詰められたラスボス的な立ち位置に立っているということだ
「さぁ、行くぞトウマ!」
最近は【トウマ親衛隊】とかいうギルドを作る輩まででてきたし…ギルド戦争が起こる度に色んなギルドがわんさか軍隊連れて来るし………
背中に納めていた剣を抜く、我が名剣、シュヴァーツ。刃には刻印が彫られており、その厨二心を擽る様なフォルムはいつ見ても心が高鳴る
「その剣、※神聖武器じゃな?ワッハッハ!やっとやる気になったようじゃな!」
※神聖武器
ボスモンスターなどがドロップした武器や装備を高レベルの鍛冶職人がさらに強化し、その威力を極限まで高めた装備の総称。鍛冶職人のスキル、《鑑定》によって見分けることができる
撃竜の咆哮とかいうギルドのギルド長、中々の強敵だ
一見幼女にも見えるその小さな体に不釣り合いな程の巨大な槍に赤と銀の目立つ鎧を装備している
背中に生えてる竜の翼からして種族は竜人種、その上竜騎士か、竜騎士だから竜使いのスキルももってるってことだな…女だと思って甘く見たらダメなパターンだ....レベルは1000Lv、つまり………神格持ちは確実か
「ふふ、楽しみですわ!」
レジエントギルドとやらのギルド長、種族はユリスと同じエルフ、いや900を超えてるから上級神聖種か、見た感じ妖精使役に特化してるみたいだ、レベルは同じく1000Lv
他の奴らのレベルは大体100~700Lv。戦闘特化職が大半だから…これガチモンの軍隊じゃないですかヤダー
………………………はぁ…
目の前の光景に俺は言葉を失ったと言う気分なのだが。
だがしかし、俺は世界最強として弱みを見せてはならない立場にある。
トウマは目を閉じ、覚悟を決めたかのように剣を強く握りしめる
するとトウマの立っている場所を中心に数十を超える魔法陣が現れた
「我が魔法使い達よ!詠唱始め!」
つまり必然的に今現在ここで俺が言うべき言葉は………
「いいだろう。世界最強の力………その目に焼き付けるがいい…」
彼がその目を見開いた時、彼の瞳は
ーー真紅に染まっていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あのキングトウマと上位ギルドが戦争してんだけどwwwwww
1:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:02:42.12 ID:hSg8aE4p
キングトウマと上位ギルドが戦争してるんだけどwwwwwwwwwww
2:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:05:22.48 ID:r/bb9cX7j0
え、どこで戦ってんの?
3:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:05:22.48 ID:hSg8aE4p
ハイメルン平原wwwヤベェから来てみwwwwwww
4:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:12:22.03 ID:gyvKP6yG02
釣りかと思ったら本当だった件釣りかと思ったら本当だった件釣りかと思ったら本当だった件
5:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:15:56.46 ID:r/bb9cx7j0
本当だwwwwwwwwww撃竜の咆哮とレジエントが同盟組んでキングトウマと戦ってるwwwww wwwww
6:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:16:03.48 ID:kToy3bKd0
撃竜の咆哮ってあのギルドランク2位の?
7:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:16:35.45 ID:gyvKP6yG02
録画してOkoOkoとMeetubeにうpるお
8:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:17:36.45 ID:tj9ot4L80
てかあれ何人いるんだよwwwwwwキングトウマでもあんな量相手は流石にキツインジャネw
9:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:17:42.12 ID:hSg8aE4p
やっべ俺の周りメチャ人集まってきてんだけどw
10:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:18:23.46 ID:rbb9cx7j0
チャットが騒がしいなw
11:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:19:35.45 ID:gyvKP6yG02
1000Lv同士の戦いはもう神レベルだわ
12:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:23:03.48 ID:kToy3bKd0
死んだあああああああああああああああああああああwwwwwwwwww
13:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:23:56.46 ID:r/bb9cx7j0
俺も死んだwwwwwwwwwww
14:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:24:02.45 ID:gyvKP6yG02
何あのふざけた威力wwwwwwww俺も巻き込まれて死んだわwwww
15:モフMOFの名無し:2156/06/11(土)13:24:12.12 ID:hSg8aE4p
見に来てたやつら全員死んだらしいw
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