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テレビ局の下っ端

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広告代理店に勤めているとテレビ局の人とのつながりも多い。今日はテレビ局の人を連れてお客さん同行。テレビ枠の中でお客さんのCMを流して好評だったことに対するお礼だ。
私も部長、テレビ局側は部長と課長、担当の若手という構図だ。若手は私と同じぐらいの年齢だ。お客さんの前でテレビ局の人たちはよく喋る。雑談を広げるのが上手い、長いほどだ。その中で若手はいいように使われる。「こいつのせいで、、、」「なんなあったらこいつが飛んできますから」「力ありますから、使ってやってください」そんな具合に可愛がってもらってるのか貶されてるのかわからない程度に。若手は「頑張ります、、、」と苦笑い。苦しそうだな~と私はみていた。

打ち合わせが無事終わり、「ご飯行きますか~」の流れ。接待だ、苦手だ。いつもの如く上はお互いをヨイショして盛り上がっている。若手と私はお酒のつぎ周り。テレビ局の部長が「おい若手、お酒が濃いぞ~!お前も飲めよ!」始まった、、、飲めよコール。若手は飲むしかない、野球部出身のようでお酒は強そうだ。
飛び火は私にも、「お嬢ちゃんも飲めるなら飲もうよ~今日は楽しもう~」オヤジの悪酔いが始まった、、、。私は飲み進めるふりをしてペースを調節した。

やっと終わった、、、おじさんらは夜の店に消えていった。気を遣いすぎてかなり疲れた。若手と2人、若手もかなり疲弊していた。駅まで向かって帰る流れに、、、
「お疲れ様です、結構飲まされてましたけど大丈夫ですか?」
私が問いかけると、
「いや~きついっすね~仕事なんでしょうがないですけど、、、」「2人で反省会兼愚痴会しませんか?」
急な誘い。悪そうな人じゃないしこれからの仕事のためにもと「ぜひ」と答えた。駅近くの居酒屋へ。

お互いサワーでお酒は少し控えめ。さっきの愚痴や仕事・業界の大変なところを語り合った。やっぱ業界が近いと話が弾む。そんなこんなでお酒を飲み進め、軽くのつもりが2人とも酔っ払い始めていた。話はプライベートの会話に。
若手は27歳だった、2個上。野球を大学までやっていて、成績を残しており、スポーツエリートでテレビ局入社。聞けば美里と地元が近く、共通の友達がいないかで盛り上がった。そんなこんなをしていると時間は終電間際。「時間やばいです、ダッシュしないと!」急いだお会計を済まし駅まで走った途中、、、三郷は気づいた。「今日お客さんからもらった資料が入った手提げ、居酒屋に忘れました、、、、」。会社の大事な資料、居酒屋に置いて誰かに見られては、、、明日会社に持ってかなければ怒られる、、、。終電まであと5分、改札寸前で居酒屋に戻ることにした。若手もついてきてくれた。
手提げは座っていた座席に置かれたままだった。よかった、、、。ただ電車はない。一気に疲れと絶望感がきた。すると、
「俺、タクシーで10分ぐらいのとこで一人暮らししてるんですけど、、、泊まると来なければ」「意外と部屋広いし友達来た時用の布団もあるんで大丈夫ですよ!」焦ったように付け加えた。
「申し訳ないです、、、彼女とかいないんですか?」
「最近別れたばかりで(笑)だから何も気にしないでください」
甘えさせてもらうことにした、、、、。

家は1DKにしては広かった。家具も多くなく、急にお邪魔したのに綺麗だった。
コンビニで調達したメイク落としと歯ブラシし、寝る準備を済ませた。
彼は布団を引いていてくれた。
「あ、敷布団はあるけど毛布が夏用しか、、、」今は1月、流石に毛布一枚じゃ寒い。でも泊めてもらうなら我慢。
いざ寝ようとしても寒くて震えるほどで寝れない、、、すると、
「寝る場所交換しましょうか?」と、
「申し訳ないんで大丈夫です!」
「でもめっちゃ震えてるじゃないですか、、、」
そんなやりとり。確かに寒い。耐えられない。思わず、、、「そっちいっていいですか?」と言ってしまった。
若手は「少し狭いですけど、、、」と言いながらスペースを開けてくれた。
さすが野球の体、筋肉質な体が当たる。最初はそっぽ向いて寝てたけど、寝返りでこっちを向いてきた。顔が急接近。
「すいません。反対向いて寝た方がいいですよね、、、」「でも俺いつもこっち向いて寝てて、、、」と。「じゃあ私が反対向きます」「でも実は私もいつも向いてる方じゃないと寝れなくて、、、」顔お見合わせて寝る形になった。なかなか寝れないでグズグズしていると足が当たる、そして見つめ合ってしまい、、、顔が近づいてくる。お酒も抜け切れてなく、2人はその流れで、、、キスをした。
「すみません、」と若手。ただ、彼の下半身が固くなってるのがわかった。美里は思わず手を伸ばして「当たってますよ、」。そっからは早かった。若手にもスイッチが入ったみたいで、勢いで交わった。
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